ハジケ対霧氷鬼
「くらえっ」
先に仕掛けたのはハジケだった。爆弾を投げつけ攻撃したが不思議なことに相手は体を霧のように変化させて攻撃をかわしながらこちらへ突っ込んでくる。
そして手を氷柱に変化させハジケの胸、心臓を狙って突き刺してくるがそれを手ではじき、カウンターを狙い殴りかかるがまた体を霧のように変化させ攻撃をかわす。
「なるほど、体を自由に変化させることができるんだ」
「そう、だけどそれが分かったところで攻撃を当てられなきゃ意味がないわ」
ハジケが呟いたこと反応し答える。確かに当てられなきゃこちらに勝機はないけど体を霧状にするのならそれごと吹き飛ばしてしまえば良いだけ。
ハジケは炎を右手に集中させる。体に両手に纏わせて放つ攻撃よりかは遥かに威力がある。
「むっ……」
それに気づいた霧氷鬼はハジケに氷でできた槍、氷槍氷柱を作り上げ投げつける。これは冬将軍やその部下が使っていた技と同じものであるが力は冬将軍たちよりかは弱いのか冬将軍たちの技と比べると小さかった。
氷槍氷柱は真っ直ぐにハジケに向かって飛んでいくがあとわずかで当たるというところで体を反らされ避けられる。
「行くぞっ!」
ハジケは右手に集中させ作り上げた爆弾を霧氷鬼に向かって投げつける。だがこれでは簡単に避けられてしまうだろう……何故なら相手は動けるのだから。動きを封じてから投げつければ確実に当たるだろうが拘束もせず投げつけたものだから当然霧氷鬼はそれを体を霧状にしてかわす。かわされてしまった爆弾はそのままの勢いで地面に当たると大爆発を起こし地面を覆っていた氷が粉砕され地面には大きな穴ができた。
「甘いわね。大技は相手が動けなくなったところで確実に当てなくてはただ体力を減らすだけよ」
体を霧状からまた女の子の姿に戻りながらそう言うが、ハジケはにやりと笑った。
「私だって成長してるの。そんなミスするわけないよ」
そう言うと同時に爆発した箇所から爆弾が飛び出してきて霧氷鬼に向かって飛んできた。
「何っ!?」
予想外のことだったことだったのか僅かに当たりそうになるがすぐに霧状になりその爆弾をかわす。かわされた爆弾はそのまま地面に当たり爆発した。
「どういうことなの?」
「簡単なことだよ。爆弾の中にもう一つ爆弾を仕込んで置いたんだよ。要するに二重にしていたってわけだよ。まさか成功するとは思ってなかったけどね」
「そう、だけど結局は当たらなかったわ」
霧氷鬼はハジケに冷たく言い放つが、
「確かに当たらなかったけど予想外だったんじゃない?」
と余裕そうにハジケは言い返す。何故余裕そうに言えるのか分からない霧氷鬼。確かに予想外だったが結局は当たらなかった……まさか何か打開策を思いついたのか?
だとしたら余裕を見せるのもおかしくはないが……。
「まだまだ行くよっ」
その声に霧氷鬼は考えることを中断し、何がきてもいいように構えたのだがハジケは爆弾を作っては投げ作っては投げを繰り返すばかりで霧氷鬼はそれを体を霧状にし避けるというのが続いた。
「やみくもに攻撃すれば当たると思っているの?」
あまりにも単調すぎる攻撃にイラついたように言う霧氷鬼だがハジケは答えない。それどころか攻撃を仕掛けてくるだけである。
「爆弾丸!」
人差し指の先に炎を集中させ小さな球体を作り上げるとハジケは相手に向かって撃つが避けられる。
普通にハジケが作り上げる爆弾よりかは速かったがそれにやられるような霧氷鬼ではない。それをまた体を霧状にして避ける。
「またなの? いい加減にしたらどうなの」
避けながら氷柱を投げつけて攻撃仕掛けるがハジケはそれを軽々と避ける。そしてまた爆弾を作り、投げつける。
「行けっ!」
それを霧氷鬼の足元に向かって投げつけるがそれを飛んで避ける霧氷鬼。瞬時に飛び上がったため爆風の影響も受けずにさらに体を霧状にすることもなかった。もう一人の方の炎の力を持つ者はトドコオリ倒せるかもしれないが私が相手している方は無理かもしれないね……と思っていたときである。
「油断したね」
「えっ!?」
いつの間にか相手が目の前まで来ていたのだ。それも爆弾を投げつけてきていてあと少しで当たるというところで霧氷鬼は体を霧状にして爆弾を避けたのだが、
ドガーーン!!!
何とぶつかってもいないのに爆弾が爆発したのだ。今までの戦いを見ると何かにぶつからないと相手が作った爆弾は爆発しなかったはずなのに……まさかこういうふうに思いこませるため!?
ハジケと霧氷鬼はそのまま爆発の勢いで空中で吹き飛ばされるが地面に着地する。
「惜しかったわね」
爆弾を当てるつもりだったのだろうが私はかわしたのだ相手の万策は尽きただろうと相手に向かって言うが、
「そうかな? もう私の攻撃を避けるのは難しくなったと思うけど」
と笑って言い返してきた。
「どういうこと?」
霧氷鬼は何故ハジケが笑っているのか、そして避けるのが難しくなったなどと言うのかが分からなかった。霧になればどんな攻撃だって避けることが出来るというのに。
「霧っていうのは確か水蒸気が微小な水滴がとなって浮遊するとってことだった。それを貴方は能力かなんかで体を瞬間的に霧にすることができる……けどその霧になるのに必要な微小な水滴がなくなっていたとしたら?」
「な! ま、まさかさっきの爆発は」
「そう、まず何かにぶつからないと爆弾は爆発しないと見せかける。そして私が爆弾をを作ったとき貴方はその見せ掛けにはまってしまい至近距離で爆発を喰らう……というのも見せ掛けで本当は至近距離で爆発させて貴方が霧状になってかわすことで水滴が爆発の威力で蒸発、消すことが目的だった。そして水滴が足りなくなったであろう貴方は霧状になって攻撃をかわすことができなくなる……ってことだよ」
霧氷鬼は驚愕した。まさかそこまで計算して動いていたとは思っていなかったからだ。最初から相手の策にはまっていたということ……私は相手の手の上で踊らされていたのだ。
「よし、攻撃がかわせなくなって私が有利になったね。さっ続きを「負けたわ」えっ!?」
ハジケが戦いを再開しようと体に炎を纏わせそう言ったときにかぶせるように相手は言葉を発し、負けを認めてきた。
「何でさ? 戦いはこれからでしょ」
「いいえ、私は言ったはずよ。トドコオリをほどの力があるか倒せるか試させてもらう……とね」
そうだった。そういえばそう言っていた気がする。
ハジケは戦いに集中していてそのことをすっかり忘れていてしまっていた。
「貴方がトドコオリをほどの力があるということは分かったから……もう一人の炎の力を持つ者と共闘すればの話だけどね。ほら噂をすれば来たわよ」
霧氷鬼がそう言ったのと同時にハジケの元にモエルが飛んできた。
「ハジケちゃん大丈夫!?」
モエルからすればお互いにらみ合って動いていないというふうに見えたのであろう。予測するに助けにきてくれたのであろうがもう戦いは終わっているのだ。
「ハジケちゃん、ちょっと待ってて今この相手を倒すから」
そう言いながら霧氷鬼に向かっていくモエルにハジケは慌てて戦わなくていいことを伝える。
「何で? さっきまで戦っていたのに」
「事情は話すから炎は引っ込めて」
ハジケにそう言われ渋々炎を引っ込める。




