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それでも戦うヒーローたち 燃え上がる正義の炎編  作者: エイナン
決戦! 炎と氷の大激突
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冬将軍との対決

「うぐあっ……」

蹴り飛ばされたモエルは壁にぶつかり項垂れる。それを見た冬将軍は改めてため息をつきモエルの方を見た。

「炎の力はこんなものか。外では雑氷たちと吹鬼がやられたようだぞ。炎の力を持つ者と何の力も持たぬものが協力してな。まぁほとんど雑氷を全員倒し、吹鬼を追い詰めたのは炎の力を持つ者だがな」


「!!!」

モエルは冬将軍が言ったことに驚いた。

吹鬼を倒した!?炎の力を持つ者はハジケちゃんだけどもう一人は誰だ?

いやそんなことよりハジケちゃんが吹鬼を倒した。あの数の雑氷たちも全て倒したんだ。私とハジケちゃんはお互いを信じて吹鬼と雑氷たち、私は冬将軍を倒すことにしたのにそれがこのざまだ。

ハジケちゃんは倒したのに私は倒せてない……私を信じて任せてくれたのにっ!


「ん? まだやるのか」

立ち上がり始めたモエルに対して言うが返事は返ってこない。




お師匠様の仇を討たなきゃいけない。


昔滅ぼされた私が生まれた村の皆の仇をとらなきゃいけない。


この地を凍らされ死んでいった者たちもいるだろう……その仇も巴さんとの約束を守らないといけない。

ハジケちゃんとの約束……必ず冬将軍を倒す約束もそして






私を信じて吹鬼、そして数え切れないほどの雑氷を引き受けてくれた友達のためにも……




絶対に負けるわけにはいかないんだ!




ボワアァッ!!!


「何っ!?」

モエルの額からVの字のように炎が出てやがて体全体を炎が包みこむ。


「お前は……」


「ん?」

いきなり口を開いたモエルの言葉に耳を傾ける冬将軍。


「絶対に……何があろうとも……」

さらに炎が激しくも燃え上がる。その炎の勢いに驚きたじろぐ冬将軍。モエルの発する炎の熱気で部屋を作っている氷が溶け始めたのだ。


「私が倒す!!!」

そう言うとモエルは冬将軍に向かってまたあの技を放つ。炎のレーザーを冬将軍は見てまた受け止めようとする。


「無駄だ。さっき受け止められたのを……!?」

冬将軍がさきほどのように受け止めようとすると明らかにパワーが増していて冬将軍が押され始める。


「ぬううううううっ!」

必死に力を込め受け止めようとするがさっきよりも炎の勢いも激しく冬将軍の手が溶け始め、部屋の壁にまで押された。


「ぬあああああっっ……」

受け止めようとするが壁にヒビが入っていき……ついには壁が壊れ、炎のレーザーとともに外に押し出され落ちていった。


「くっ、受け止めることはできんかったか……」

城の壁を突き抜けてしまった冬将軍は中庭の氷の地面に着地しながら言う。ここは冬将軍が築いた城の敷地なので、全てが氷や雪といった冷たい物で出来ているのだ。城はロの字型になっておりその真ん中は中庭になっているのだ。


「しかしあの威力……何が起こったのだ?」

あのとき奴は死に掛けていたはずだ。なのに炎が燃え上がったかと思えば急にパワーアップし強くなった。何故だ……何がそうさせた?

冬将軍が考えているとさきほどの技で開いた穴からモエルが飛び降りてきた。赤い炎をメラメラと燃やしながら近づいてくる。


「貴様、何故あれほどの力を何処に隠していたのだ」

理解できない。死に掛けであれほどの力を出せるはずがない。その答えを知るためモエルに対して問うが、返って来た答えは冬将軍には理解できない答えだった。


「仲間との約束と自分の信念が力に変わったのかもね」


「約束? 信念? それが力に……」

何を言っているのだ。力とは身体的なもので信念や約束と言ったものが力に変わるわけがない。

何なのだこいつは……理解できん。

冬将軍が理解できないのは当然のことだった。なぜなら体は氷で出来ており、それに伴い心も氷のように冷たく硬かったのだ。それ故モエルの答えは理解できなかったのだ。


「ふん、まぁいい。我は半分以下の力で相手をしていたのだ。次は半分くらいの力で相手をしてやろう」

そう言うと冷気を纏い始める。モエルはそれをただ黙って見ているだけで攻撃はしなかった。


「くくくくくくっ、どうした? 攻撃せんのか?」


「……」

だが問いかけるも答えずただ見ているだけであった。


「ふん、パワーアップして自信があるのだろうが我の力は貴様の力を遥かに超えるぞ」

そう言い溶けていた手を復活させる。そして冷気を纏いながら刀を持ちモエルに向かって刀を勢いよく振り下ろすが……


「何っ!? いないだと」

さっきより我はパワーアップを果たして速さが上がっていると言うのに避けられた!?

驚く冬将軍の頭上からいきなり衝撃が伝わり、地面に顔を打ち付けられる。


「ぐあっ!?」

そして体が炎で包まれる。一体何が……起きている?

冷気を纏い体の炎を消しながら立ち上がると目の前にはモエルがいた。


「貴様一体何をした」


「ただ普通に攻撃を避けてカウンターしただけだよ」

冬将軍は驚愕した。

こいつは我の力の半分以上もいっているのか……面白い。ではどこまでの力なら殺せるのか試させて貰うとしようか。

冬将軍はモエルに斬りかかるが避けられる。また斬りかかって攻撃するが避けられる。


「くくくくくくっ……これほどまで我についてきたものはおらんぞ? 炎の力を持つ者よ」


「いい加減全力で来なさいよ」

モエルは出し惜しみをすることに対していらついていた。今はこちらが有利だがそれは相手が舐めて掛かってきているからだ。それがモエルは気に食わなかった。


「私はお前に正々堂々と全力で戦って勝たないとお師匠様や皆の仇を取ったことにならないの!

それに舐めて掛かられるのは気に食わない」


「ほぉ、全力で相手をしろと言うのか。だがそれはまだ早いわっ!」

冬将軍に対して大声で全力を出すように言ったが、聞かずにまた斬りかかって来る。


「くっ、だったら力ずくでも全力を出させてやる」

攻撃をかわし、炎を両手に纏わせると相手の腹や顔を目掛けて拳を打つ。顔に放った拳は避けられたが腹に放った拳は命中しそのまま殴り飛ばす。


「ぐうおおっ!」

そのまま城の壁にぶつかりうな垂れる。


「どうだ。本気出さないと負けるよ」

壁の瓦礫に埋もれている冬将軍に対して言うが瓦礫をどけ、笑いながら立ち上がってくる。


「くくくくっ、もうすぐ……か」


「ん? 何を言ってるんだ」

突然意味が分からないことを言い始めた冬将軍に対し問うが笑いながらこちらに近づいてくるだけで答えは返ってこなかった。


「我が何故全力で貴様を殺そうとしなかったのか……分からないか?」

モエルに対して冬将軍は突然問う。


「はぁ? それはお前が全力を出さなくても勝てると思っているか「それもあるが違うな」何っ?」

突然笑い、問いかけても返事を返さずに逆に問い返されたことに複雑な気持ちになりながらも答えるが途中で口を挟まられる。

「我が全力で相手しなかったのは貴様が言ったこともそうだが我ははかっていたのだ」


「はかっていただって?」

一体何をはかっていたと言うのかその疑問の答えを冬将軍は言った。それはモエルにとって驚きの答えだった。




「我はお前の動き、速さ、力、癖、そして炎の威力を計算していたのだ。急にパワーアップしたお前の実力をはかることで我に勝利が近づく……だがそれをするためには体力を残しておく必要がある。何故ならお前の攻撃をわざと受ける必要があるのだからな」

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