まさかの登場!巴
「ぐはっ……」
吹鬼の攻撃を受け続けているハジケは段々と体が凍り付いていく。
体が動けば避けれるのだが体力を使い果たしてしまったために避けることができなかった。
「おら……っ」
吹鬼も瀕死の状態で必死にハジケに攻撃する。
ハジケは体に力を入れるがやはり立つことさえ、這うことすらできなかった。炎は出すことが出来るが手が動かせないのなら意味がない。守りに使おうにも炎を操る力さえもなかった。
「これで……終わりだっ!」
吹鬼の放った吹雪がハジケを襲うこのまま凍りついてしまうのか。
そう思ったとき……何者かが現れ、盾で吹雪を防いだ。
「何っ!?」
吹鬼も驚いているようだ。ハジケも驚いていた。何故ならその何者かの正体は……
「大丈夫か? ハジケ」
「巴さん……」
弓を担いだ巴さんだったのだ。
「何で巴さんが……?」
送り出してくれた巴さんが何故今ここにいるのかハジケには分からず混乱する。
「お前たちが行った後に私に出来ることを何かを考えていてな。きっとあの熱血少女の影響なんだろうけどな。まぁ、自分なりに考えた結果結局何も思い浮かばず、とにかく冬将軍の城に向かったてわけだ」
「何も思いつかなかったんだ……」
得意げに言う巴に向かってつっこむハジケだがここで来てくれたことに嬉しく思うハジケ。
「でも凄かったな。あの大爆発といい、お前の炎といい本当に凄いよ。よく頑張った」
倒れているハジケの頭をなでながら優しく言う巴。そして吹鬼の方を向き、
「よくも私のハジケにこんなことしてくれたな。許さないぞ!」
そう言いながら弓を引く巴を見てハジケは巴に向かって只の攻撃は通用しないことを伝えるハジケだったが巴は笑って「あいつら氷でできているんだろう? だったら溶かせばいい」と言ってハジケに近づくとハジケの炎を弓矢に移すと吹鬼の方に向かって弓を引く。
「ま……待て。俺は……負けることは」
命乞いをする吹鬼だったが……
「うるさい。お前らのせいでどれだけの人が死んだと思っているんだ。消えろ!」
容赦なく吹鬼に火のついた弓矢を放ち、弓矢で射抜かれた吹鬼は絶命し溶けていった。
それを確認すると巴はハジケに近づき、何処に持っていたのであろう治療道具で手当てし始めた。
「ハジケ。モエルが居ないがもしかして……」
「うん、冬将軍と戦ってると思う」
巴はそれを聞くと城を見つめた。
モエル……負けるなよ。巴は心の中でモエルの無事、冬将軍に勝手くれともを願った。そしてハジケも同じくモエルの無事と勝利を願うのだった。
「我が全力で相手をすると思っていたのか? 貴様なんぞ半分以下の力で殺せる」
「だったらやってみなさいよ!」
モエルは冬将軍に向かって炎を吐いて攻撃するが……炎を受ければ溶けるはずの氷で出来ている冬将軍は何事もなかったかのように平然とモエルに近づいてくる。
「くっ!」
炎が効かないことが分かったモエルは冬将軍から距離をとった。
さっきまで炎が効いていたのに突然効かなくなったということはあの寒鬼や凍鬼と同じと言うことか……だったら一気に火力を最大にして全力の一撃をくらわせてやる!
モエルは冬将軍の隙を作るため炎を体に纏った。そして一気に突っ込むと冬将軍の目の前で炎を吐いた。
「効かぬわっ!」
冬将軍は刀で炎を切り裂き、そのままモエルに斬りかかろうとするが目の前にはいなかった。と後ろから炎の熱気を感じ取った。
「後ろかーーっ!」
体を捻りながら後ろにいるであろうモエルに刀を振るが……そこにはいなかった。
「残念でした。こっちだよ」
モエルは冬将軍の後ろにいたのだ。予想外の場所にいたことに驚き、一瞬の隙が生まれてしまう。そこに両手を前に炎を一点に集中させた全力の一撃を……放つ!
「くらえぇぇぇ!!!」
炎が極太のレーザーのようになって勢いよく放たれ、冬将軍を巻き込んで城の柱や壁を壊しながら冬将軍を巻き込んで城の柱や壁を壊しながらぶっ跳んでいくように見えた……が何とそれを冬将軍が両手で受け止めていたのだ。
「何っ!?」
受け止められるとは思っていなかったモエルは驚いてしまう。全力で放った一撃……炎を受け止めているのだ。全力をぶつけたのに受け止められるんじゃ勝てない……。
冬将軍は炎のレーザーを受け止め凍らせていくと、刀を振り下ろし割った。そして驚きで動いていないモエルに近づき刀で斬りかかる。
「しまった!」
モエルは避けることが出来ずにそのまま切り裂かれ痛みのあまりうずくまってしまう。
「もう終わりか? あの回復できる炎は使わんのか?」
うずくまっているモエルに対してあえて攻撃せず、苦しんでいるモエルに挑発するように言う。
「ぐうっ……」
全力でぶつけたのに受け止められた。相手は全力を出していないことを考えると勝敗は明らかであった。治癒の炎を使って戦ってもどうせ勝てない……そう思うともう回復も攻撃すらする気が起きなくなってしまった。
そんなモエルを見てがっかりしたようにため息をつくとモエルを蹴り飛ばした。




