炎が進化
モエルは走馬灯のようにいろんなことを思い出していた。
後は託すと言ってくれたお師匠様……
一緒に戦ってくれたハジケちゃん……
それに必ず冬集軍を倒すと約束した巴さん。
……絶対負けられない。皆は私を信用してくれているんだ。
負けちゃいけないんだ!
「ん!?」
寒鬼はただならぬ気配を感じ咄嗟に離れると……
ボワッ!!!
炎が燃え上がった。その炎は赤くモエルとハジケを包み込んだ。
「な、何が起きた!」
寒鬼は何が起きたのかわからず混乱していると炎が消え、立っている者がいた。
「何だと……どういうことだ? 何が起きた?」
さっきまで目の前には倒れていたはずのモエルが立っていたのだ。それだけではない。赤く燃え上がる炎が頭から出ており、拳、足には纏わせている。血を流し倒れていたはずのハジケの出血はもう止まっており、それどころか傷がふさがっていた。
「お前たちは……」
モエルが口を開く。
「許さない……絶対に、絶対私が倒す!」
モエルは大声で叫ぶと同時に寒鬼に殴りかかった。
「無駄だと言うのが分からないのか」
炎の色が変わろうが何だろうが冷気を突破することはできない。そう思っていた寒鬼だったが
バキッ!!!
「ぐあっ!?」
冷気を突破して来たモエルの拳を顔面に受ける。まさか突破されるとは思っていなかった寒鬼は避ける事はしようとはしなかったのだ。殴られた勢いで、森の木々を倒しながら吹き飛んでいった寒鬼。
それを見た雑氷たちは怯えてしまいちりじりになって逃げていった。
「ぐうううっ……まさか冷気を突破されるなんてな……思っていなかったぞ」
倒れてきていた木をどかし、森から出てくる。そしてモエルたちのほうに向かって言う。
「回復もしているようだな。やはり炎の力は侮れないな」
寒鬼は飛び上がりモエルたちに近づいてくる。
「もう攻撃が通るならこっちのもんだ」
モエルは寒鬼に言うが……
「ふふふっ、冷気を突破したからといって私を倒せると思うなよ」
モエルの言葉に含みを持たせた答えを返し、寒鬼はモエルたちに向かって突っ込んでくる。
「絶対倒す。反撃開始だ!」
ハジケを炎で守り、寒鬼を迎え撃つ。




