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異世界真っ向!〜クジラ亜人、荒波転生録〜  作者: 牡丹鍋
第2章 海賊島の戦い編
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活け締ーケン

 モグリは音波を飛ばし、状況を把握する。


 (キングクラーケンもこっちに突進して来てる。隙間に入るには⋯⋯よし)



 二体の化け物が急接近。


 キングクラーケンは触手を広げて急停止、触手を限界まで伸ばす。触手を更に強化てし限界まで硬質化させる。続けてその場で回転し、自身を中心に巨大な渦巻きを生成した。硬質化に加えて熱を帯びた数十本の触手が、渦巻きの中でスクリューのように乱れ舞う。


 モグリを巻き込み、粉微塵にしようと待ち構える。


 当のモグリはその渦の巻き込みに乗って加速し、身を捻って触手を次々に回避していく。


「焼きゲソの匂いを撒き散らしやがって。破廉恥な奴め」

「イガイガイガイガイガイガイガイガ」

「その鳴き声、いい加減うるさいな」

「イ」


 モグリは更に加速。回転している触手に追い付き、やがて追い抜いた。


「イイイイイイ⁈⁈」

「ははは」

「イギャアアア」

「だからうるさいっつってんだろ」

「イ」


 意味のわからない速度を出し、モグリは逆に渦の回転を乗っ取る。キングクラーケンは悲鳴をあげながら回され、完全に酔ってしまった。触手の硬質化も発熱も解け、モグリはニッ、と笑みを浮かべる。


「ここか」


 渦の勢いを使い、キングクラーケンの下方へ移動。力が抜け弛んだ為に生まれた胴と頭の隙間を超音波で見つけると、狙いを定めて水を蹴った。



 ドッ‼︎‼︎



 胴と頭の隙間から、胴の中に侵入。自身の周りの激流と化した水流ごと内臓を引っ張る。そして胴の先端部、内側と外側の付け根に到達するとそこを両腕と頭、首で押さえ込む。そして、


「イッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

「締め、だ」




 ボッッッッッッッッッッッ





 ドュルン‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎



 猛スピードでキングクラーケンの身を裏返し、巨大な内臓を全て抱えたまま、モグリは海から飛び出し宙高く舞い上がった。


 キングクラーケンは身を裏返され内臓を全て持っていかれたのと同時に絶命。勢いそのままの渦の中で揉みくちゃに回っている。


「あは、あはは」


 モグリはアバルバントの船と一隻分と同じくらいの大きさのキングクラーケンの内臓をうっとりとした顔で眺めている。


 空中で。








 にしても、



 これ程巨大な墨袋と肝。


 イカ墨パスタに、パエリア、塩辛も可能となった。いや、シオサイ村の人ならもっと別の調理法を知っているやも知れない。


 耳も胴も頭も下足も軟骨も、もりもりもりもり盛り沢山だ。


「あははは」


 勝利。というより、モグリには、


「あはははは」


 大収穫。


「あははははは」




 内臓に頬擦りしながら、モグリは落下していく。下の渦も大分弱まり、キングクラーケンが海面で浮かびながらくるくると回っていた。モグリはそのキングクラーケンの裏返した側の身に内臓と共に着地すると、改めて自分が仕留めた獲物の大きさを目の当たりにした。




「あははははははは、ひゃっほい♪」




 思わず笑みが溢れる。




 続く。

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