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『三国志に転生したら死に戻りRPGだった件  〜寿命14年、武将ガチャで天下統一を目指す40代独身営業マン〜』  作者: ライディーンたけ


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9/20

第8話 Stage 1:武人の目、文聘




────────────────────────

◆ 前回のあらすじ


七日目、徐庶の友・石韜セキ・トウが李家を訪れた。

知略型でありながら、酒好きでツッコミ気質の、軽快な男。


主人公・李明は、石韜とも縁を結んだが、

徐庶と石韜はまだ主人公を「主」として認めていない。


「面白い若者だ。ただし、儂もまだ決めかねる」

「ただし、結果次第」


二人のAレア武将の信頼を勝ち取るには、

黄巾を撃退するという「結果」が必要。


黄巾の襲撃まで、残り二十三日。

主人公の本格的な準備が、加速する。

────────────────────────




八日目の朝。


徐庶と石韜が朝食の席で、報告を始めた。


「李明殿」


徐庶が口を開いた。


「昨日、街で集めた情報だ」


「お願いします」


「南陽郡の黄巾、やはり、動きが活発化している」


石韜が続けた。


「儂の塾の伝手によると、すでに、新野のあたりまで、賊の先遣隊が、来ているらしい」


「新野……」


俺は頭の中で地図を、思い浮かべた。


新野は、襄陽の北、約百キロ。


賊の進軍速度を考えると、二十日ほどで、襄陽に到達する。


システムの予測と、ほぼ一致する。


「やはり、来ますね」


「うむ」


徐庶が頷いた。


「お主の予測、当たりつつある」


徐庶の目にわずかな、驚きが、あった。



────────────────────────

徐庶 信頼度:73 → 76(+3)

石韜 信頼度:70 → 73(+3)

────────────────────────




朝食後。


俺は街に出かけることにした。


目的は、二つ。


一つ、追加の武具を、買う。

もう一つ、傭兵を、雇える伝手を探す。


黄忠が同行してくれた。


「李明、街は、危険も多い。

 儂が、付いていく」


「ありがとうございます、黄忠殿」




襄陽の中心街。


八日目の街は、どこか、ざわついていた。


黄巾の噂が、広まり始めているのだろう。


商人たちが、顔を寄せ合って、何かを、話している。


「黄忠殿、街の雰囲気が、変わってきましたね」


「うむ。

 民は、敏感だ。

 危険が、近づいていることを、感じておる」


俺たちは、武具屋に、向かった。




武具屋に、着いた。


看板に「武」と、一文字。


店内に、入ると、刀剣が、並んでいた。


「いらっしゃい」


店主の老人が出てきた。


「おや、黄忠殿。

 先日は、どうも」


「うむ、また、世話になる」


老人と黄忠は顔見知りらしい。


俺は店内を、見回した。


そしてふと視界の端に、誰かが、いるのに、気づいた。


店の奥の壁に、もたれて、無言で、こちらを見ている、一人の男。


中年。

がっしりとした体つき。

武人の風格。


そしてその男の頭上に、文字が、浮かんでいた。



────────────────────────

文聘ブン・ペイ 字:仲業チュウ・ギョウ 約30歳

武力:85/統率:80/知力:65/政治:70

[Bレア]


状態:荊州在野(仕官前)


[!]興味スイッチ発動

 ・「武人の目を持つ若者」に興味

 ・興味ボーナス:+25


初期信頼度:ベース25 + 興味+25 = 50/100

────────────────────────



「……」


俺はウィンドウを、見た。


文聘。


後の、江夏太守。

荊州の名将。


そんな男がなぜ、こんな武具屋に。


「お主、何を、見ておる」


文聘がこちらを、見た。


「あ、いえその……」


俺は慌てて、頭を下げた。


「お主、面白い顔をしておるな」


「は?」


「商人の息子、にしては、武人の目をしておる」


そう言って、文聘はゆっくりこちらに、近づいてきた。


黄忠がわずかに、身構えた。


だが、文聘の眼差しに、敵意は、なかった。

純粋な、興味の、目だった。


「失礼、お名前を」


俺は聞いた。


「文聘、という。

 今は、ただの浪人だ」


「文聘殿……」


俺は息を、整えた。


「李明、と申します」


「ほう。

 絹屋の、李家の、息子か」


「ご存知で?」


「街で噂を、聞いた。

 黄巾が来ると、言っている、変わった若僧が、いる、と」


「……」


噂が、武人にも、届いている。


「文聘殿、もしよろしければ、剣の見立てを、お願いできませんか」


「ほう、商人の息子が、武人に、頼みごとか」


「はい」


文聘はしばらく俺を、見つめた。


そしてふっと、笑った。


「面白い若僧だ。

 いいだろう」


文聘は店内の剣をいくつか、手に取った。


そして一振りを、選んで、軽く振った。


「これだ。

 護身用に、いい」


「ありがとうございます」



────────────────────────

文聘 信頼度:50 → 53(+3)

基礎+8 × ×1.3 × Bレア×0.7 = +3

────────────────────────



……あれ、Bレアだと、結構、上がるな。


俺は心の中で頷いた。


黄忠(Sレア×0.3)、徐庶(Aレア×0.5)と比べると、

文聘(Bレア×0.7)は、信頼度が、上げやすい。


「文聘殿」


「うん?」


「お時間が、おありでしたら、うちで、お茶でもいかがですか」


文聘の眉がわずかに上がった。


「お主、初対面の俺を、家に招くのか」


「はい」


「なぜだ」


俺はしばらく考えた。


そして本心を答えた。


「うちの店、近々、賊に襲われるかもしれません。

 家族を、守るために、強い人を、何人でも味方につけたい。

 あなたなら、信頼できると、目を見て思いました」


文聘はしばらく無言だった。


そしてぽつりと。


「お主、いくつだ」


「十六です」


「十六で、その目をしておるのか」


「……はい」



────────────────────────

文聘 信頼度:53 → 58(+5)

────────────────────────



だが、文聘はしばらく考えた後、首を、振った。


「悪いが、今日は、別の用がある。

 また、機会があれば、立ち寄らせてもらおう」


「分かりました」


引き下がる、しかない。


文聘は店を、出ようとした。


その時。


ふと足を止めて、振り返った。


「李明、と、言ったな」


「はい」


「お主、本当に賊が来ると、思っておるのか」


「……はい」


文聘はしばらく無言で、俺を見つめた。


そして低く、言った。


「儂もな、最近、嫌な予感が、ある」


「え?」


「南陽郡で、不穏な動きがあると、聞いた」


「……」


「お主の勘は、当たっているかもしれん」


文聘はそれだけ言って、店を、出て行った。



────────────────────────

文聘 信頼度:58 → 62(+4)


[!]縁発見:文聘(Bレア)

 次回再会時、関係が進展する可能性

────────────────────────



「……」


俺はウィンドウを、見た。


信頼度、62。

一日で、ここまで来た。


文聘も、何か、感じている。


「来やがるな、本当に」


俺は呟いた。




武具屋を、出た。


「李明」


黄忠が口を開いた。


「うむ」


「あの男、文聘、と、言ったか」


「はい。ご存知ですか」


「武人の界隈では、有名だ。

 まだ仕官していないが、見立ての達人と、評判だ」


「……」


「お主、面白い縁を、持っておるな」


黄忠が笑った。




帰り道。


街の様子は、やはり、ざわついていた。


ふとある場所に人だかりが、できていた。


役人らしき男が何かを、読み上げている。


「……というわけで、襄陽の官軍は、南陽郡へ、出動する」


「……っ」


俺は足を、止めた。


官軍が、南陽郡に、出動。


つまり、襄陽は、手薄になる。


賊が来た時、官軍の応援は、期待できない。


「黄忠殿、聞きましたか」


「うむ。

 官軍が、出払う、ということか」


「はい」


「ということは、襄陽は、自衛するしか、ない」


「……」


これは、まずい。


一週目では、知らなかった、情報。


賊が来た時、頼れるのは、自分たちだけ。


黄忠。

兄。

そして徐庶や石韜、文聘が味方になってくれるか。


それだけが、頼り。


「準備を、急がなきゃ」


俺は呟いた。




家に帰った。


そして頭の中でシステムを、開いた。



────────────────────────

【8日目終了:リザルト】


主要な縁の状況:

・黄忠(Sレア):75 → 77

・徐庶(Aレア):76

・石韜(Aレア):73

・文聘(Bレア・新規):62

・張小六(Dレア・配下):85


家族:

・李潤(父):82

・李澄(兄):81

・李綾(妹):100

・陳氏(母):76


[!]重要情報

 ・襄陽の官軍が、南陽郡へ出動

 ・賊襲撃時、官軍の応援は期待できない

 ・自衛が、必須


[!]今日の進捗

 ・文聘(Bレア)と縁を結ぶ

 ・黄巾の先遣隊、新野に到達の情報


[!]黄巾の波及まで:22日


累計信頼度ポイント:35pt


地位ランク:Rank 1(補正×1.3)

────────────────────────



「……」


俺はウィンドウを、見つめた。


状況は、厳しくなっている。


官軍の応援が、ない。

つまり、襄陽の防衛は、自分たちだけ。


だが、戦力は、整いつつある。


黄忠(Sレア・77)。

徐庶(Aレア・76)。

石韜(Aレア・73)。

文聘(Bレア・62)。

兄(配下化準備段階)。

張小六(配下)。


……まだ誰も、正式な「配下」じゃない。

黄忠ですら、77。


配下化条件は、80。


あと少し。


「もっと信頼度を、上げなきゃ」


俺は呟いた。


「そして結果を、出す」




その夜。


俺は庭に出た。


夜空を、見上げる。


星が、瞬いていた。


二十二日後、ここに賊が来る。


一週目の俺は何も、できずに、妹を、守って、死んだ。


でも二週目の俺は違う。


黄忠がいる。

徐庶がいる。

石韜がいる。

文聘とも、縁ができた。

兄も強くなっている。


「今度こそ、絶対守る」


俺は夜空に、誓った。


……ふと背後に、気配を、感じた。


振り返ると、徐庶が立っていた。


「徐庶殿」


「眠れんのか」


「ええまあ」


徐庶は俺の隣に、来て、夜空を、見上げた。


「李明殿」


「はい」


「お主、本当に家族を、守りたいのだな」


「はい」


「その覚悟は、本物のようだ」


徐庶はぽつりと、言った。


「儂、お主のこともう少し信じてみようと、思う」



────────────────────────

徐庶 信頼度:76 → 80(+4)


★★★信頼度80到達★★★

 徐庶が、配下化準備段階を超え

 あなたを「主」として、認め始めました。

────────────────────────



「……っ」


俺は息を、呑んだ。


徐庶の信頼度、80。


ついに、Aレア武将が、配下化に、近づいた。


「徐庶殿……」


「まだ、完全に、ではない」


徐庶が笑った。


「だが、お主の覚悟、見届けたく、なった」


「ありがとう、ございます」


俺は深く頭を下げた。


一歩、また、一歩。


着実に、前に、進んでいる。




次回予告


Stage 1:迫る黄巾、深まる絆


九日目。

黄巾の足音が、さらに、近づく。


そして主人公は、配下たちと共に、

襄陽防衛の、具体的な作戦を、練り始める。


[!]緊急情報

 黄巾の本隊、新野を出発

 襄陽への到達まで、推定二十日


「作戦を、立てよう」


李明の、本格的な戦いの、準備が、始まる。


[次話に続く]


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