第8話 Stage 1:武人の目、文聘
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◆ 前回のあらすじ
七日目、徐庶の友・石韜が李家を訪れた。
知略型でありながら、酒好きでツッコミ気質の、軽快な男。
主人公・李明は、石韜とも縁を結んだが、
徐庶と石韜はまだ主人公を「主」として認めていない。
「面白い若者だ。ただし、儂もまだ決めかねる」
「ただし、結果次第」
二人のAレア武将の信頼を勝ち取るには、
黄巾を撃退するという「結果」が必要。
黄巾の襲撃まで、残り二十三日。
主人公の本格的な準備が、加速する。
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八日目の朝。
徐庶と石韜が朝食の席で、報告を始めた。
「李明殿」
徐庶が口を開いた。
「昨日、街で集めた情報だ」
「お願いします」
「南陽郡の黄巾、やはり、動きが活発化している」
石韜が続けた。
「儂の塾の伝手によると、すでに、新野のあたりまで、賊の先遣隊が、来ているらしい」
「新野……」
俺は頭の中で地図を、思い浮かべた。
新野は、襄陽の北、約百キロ。
賊の進軍速度を考えると、二十日ほどで、襄陽に到達する。
システムの予測と、ほぼ一致する。
「やはり、来ますね」
「うむ」
徐庶が頷いた。
「お主の予測、当たりつつある」
徐庶の目にわずかな、驚きが、あった。
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徐庶 信頼度:73 → 76(+3)
石韜 信頼度:70 → 73(+3)
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朝食後。
俺は街に出かけることにした。
目的は、二つ。
一つ、追加の武具を、買う。
もう一つ、傭兵を、雇える伝手を探す。
黄忠が同行してくれた。
「李明、街は、危険も多い。
儂が、付いていく」
「ありがとうございます、黄忠殿」
襄陽の中心街。
八日目の街は、どこか、ざわついていた。
黄巾の噂が、広まり始めているのだろう。
商人たちが、顔を寄せ合って、何かを、話している。
「黄忠殿、街の雰囲気が、変わってきましたね」
「うむ。
民は、敏感だ。
危険が、近づいていることを、感じておる」
俺たちは、武具屋に、向かった。
武具屋に、着いた。
看板に「武」と、一文字。
店内に、入ると、刀剣が、並んでいた。
「いらっしゃい」
店主の老人が出てきた。
「おや、黄忠殿。
先日は、どうも」
「うむ、また、世話になる」
老人と黄忠は顔見知りらしい。
俺は店内を、見回した。
そしてふと視界の端に、誰かが、いるのに、気づいた。
店の奥の壁に、もたれて、無言で、こちらを見ている、一人の男。
中年。
がっしりとした体つき。
武人の風格。
そしてその男の頭上に、文字が、浮かんでいた。
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文聘 字:仲業 約30歳
武力:85/統率:80/知力:65/政治:70
[Bレア]
状態:荊州在野(仕官前)
[!]興味スイッチ発動
・「武人の目を持つ若者」に興味
・興味ボーナス:+25
初期信頼度:ベース25 + 興味+25 = 50/100
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「……」
俺はウィンドウを、見た。
文聘。
後の、江夏太守。
荊州の名将。
そんな男がなぜ、こんな武具屋に。
「お主、何を、見ておる」
文聘がこちらを、見た。
「あ、いえその……」
俺は慌てて、頭を下げた。
「お主、面白い顔をしておるな」
「は?」
「商人の息子、にしては、武人の目をしておる」
そう言って、文聘はゆっくりこちらに、近づいてきた。
黄忠がわずかに、身構えた。
だが、文聘の眼差しに、敵意は、なかった。
純粋な、興味の、目だった。
「失礼、お名前を」
俺は聞いた。
「文聘、という。
今は、ただの浪人だ」
「文聘殿……」
俺は息を、整えた。
「李明、と申します」
「ほう。
絹屋の、李家の、息子か」
「ご存知で?」
「街で噂を、聞いた。
黄巾が来ると、言っている、変わった若僧が、いる、と」
「……」
噂が、武人にも、届いている。
「文聘殿、もしよろしければ、剣の見立てを、お願いできませんか」
「ほう、商人の息子が、武人に、頼みごとか」
「はい」
文聘はしばらく俺を、見つめた。
そしてふっと、笑った。
「面白い若僧だ。
いいだろう」
文聘は店内の剣をいくつか、手に取った。
そして一振りを、選んで、軽く振った。
「これだ。
護身用に、いい」
「ありがとうございます」
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文聘 信頼度:50 → 53(+3)
基礎+8 × ×1.3 × Bレア×0.7 = +3
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……あれ、Bレアだと、結構、上がるな。
俺は心の中で頷いた。
黄忠(Sレア×0.3)、徐庶(Aレア×0.5)と比べると、
文聘(Bレア×0.7)は、信頼度が、上げやすい。
「文聘殿」
「うん?」
「お時間が、おありでしたら、うちで、お茶でもいかがですか」
文聘の眉がわずかに上がった。
「お主、初対面の俺を、家に招くのか」
「はい」
「なぜだ」
俺はしばらく考えた。
そして本心を答えた。
「うちの店、近々、賊に襲われるかもしれません。
家族を、守るために、強い人を、何人でも味方につけたい。
あなたなら、信頼できると、目を見て思いました」
文聘はしばらく無言だった。
そしてぽつりと。
「お主、いくつだ」
「十六です」
「十六で、その目をしておるのか」
「……はい」
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文聘 信頼度:53 → 58(+5)
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だが、文聘はしばらく考えた後、首を、振った。
「悪いが、今日は、別の用がある。
また、機会があれば、立ち寄らせてもらおう」
「分かりました」
引き下がる、しかない。
文聘は店を、出ようとした。
その時。
ふと足を止めて、振り返った。
「李明、と、言ったな」
「はい」
「お主、本当に賊が来ると、思っておるのか」
「……はい」
文聘はしばらく無言で、俺を見つめた。
そして低く、言った。
「儂もな、最近、嫌な予感が、ある」
「え?」
「南陽郡で、不穏な動きがあると、聞いた」
「……」
「お主の勘は、当たっているかもしれん」
文聘はそれだけ言って、店を、出て行った。
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文聘 信頼度:58 → 62(+4)
[!]縁発見:文聘(Bレア)
次回再会時、関係が進展する可能性
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「……」
俺はウィンドウを、見た。
信頼度、62。
一日で、ここまで来た。
文聘も、何か、感じている。
「来やがるな、本当に」
俺は呟いた。
武具屋を、出た。
「李明」
黄忠が口を開いた。
「うむ」
「あの男、文聘、と、言ったか」
「はい。ご存知ですか」
「武人の界隈では、有名だ。
まだ仕官していないが、見立ての達人と、評判だ」
「……」
「お主、面白い縁を、持っておるな」
黄忠が笑った。
帰り道。
街の様子は、やはり、ざわついていた。
ふとある場所に人だかりが、できていた。
役人らしき男が何かを、読み上げている。
「……というわけで、襄陽の官軍は、南陽郡へ、出動する」
「……っ」
俺は足を、止めた。
官軍が、南陽郡に、出動。
つまり、襄陽は、手薄になる。
賊が来た時、官軍の応援は、期待できない。
「黄忠殿、聞きましたか」
「うむ。
官軍が、出払う、ということか」
「はい」
「ということは、襄陽は、自衛するしか、ない」
「……」
これは、まずい。
一週目では、知らなかった、情報。
賊が来た時、頼れるのは、自分たちだけ。
黄忠。
兄。
そして徐庶や石韜、文聘が味方になってくれるか。
それだけが、頼り。
「準備を、急がなきゃ」
俺は呟いた。
家に帰った。
そして頭の中でシステムを、開いた。
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【8日目終了:リザルト】
主要な縁の状況:
・黄忠(Sレア):75 → 77
・徐庶(Aレア):76
・石韜(Aレア):73
・文聘(Bレア・新規):62
・張小六(Dレア・配下):85
家族:
・李潤(父):82
・李澄(兄):81
・李綾(妹):100
・陳氏(母):76
[!]重要情報
・襄陽の官軍が、南陽郡へ出動
・賊襲撃時、官軍の応援は期待できない
・自衛が、必須
[!]今日の進捗
・文聘(Bレア)と縁を結ぶ
・黄巾の先遣隊、新野に到達の情報
[!]黄巾の波及まで:22日
累計信頼度ポイント:35pt
地位ランク:Rank 1(補正×1.3)
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「……」
俺はウィンドウを、見つめた。
状況は、厳しくなっている。
官軍の応援が、ない。
つまり、襄陽の防衛は、自分たちだけ。
だが、戦力は、整いつつある。
黄忠(Sレア・77)。
徐庶(Aレア・76)。
石韜(Aレア・73)。
文聘(Bレア・62)。
兄(配下化準備段階)。
張小六(配下)。
……まだ誰も、正式な「配下」じゃない。
黄忠ですら、77。
配下化条件は、80。
あと少し。
「もっと信頼度を、上げなきゃ」
俺は呟いた。
「そして結果を、出す」
その夜。
俺は庭に出た。
夜空を、見上げる。
星が、瞬いていた。
二十二日後、ここに賊が来る。
一週目の俺は何も、できずに、妹を、守って、死んだ。
でも二週目の俺は違う。
黄忠がいる。
徐庶がいる。
石韜がいる。
文聘とも、縁ができた。
兄も強くなっている。
「今度こそ、絶対守る」
俺は夜空に、誓った。
……ふと背後に、気配を、感じた。
振り返ると、徐庶が立っていた。
「徐庶殿」
「眠れんのか」
「ええまあ」
徐庶は俺の隣に、来て、夜空を、見上げた。
「李明殿」
「はい」
「お主、本当に家族を、守りたいのだな」
「はい」
「その覚悟は、本物のようだ」
徐庶はぽつりと、言った。
「儂、お主のこともう少し信じてみようと、思う」
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徐庶 信頼度:76 → 80(+4)
★★★信頼度80到達★★★
徐庶が、配下化準備段階を超え
あなたを「主」として、認め始めました。
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「……っ」
俺は息を、呑んだ。
徐庶の信頼度、80。
ついに、Aレア武将が、配下化に、近づいた。
「徐庶殿……」
「まだ、完全に、ではない」
徐庶が笑った。
「だが、お主の覚悟、見届けたく、なった」
「ありがとう、ございます」
俺は深く頭を下げた。
一歩、また、一歩。
着実に、前に、進んでいる。
次回予告
Stage 1:迫る黄巾、深まる絆
九日目。
黄巾の足音が、さらに、近づく。
そして主人公は、配下たちと共に、
襄陽防衛の、具体的な作戦を、練り始める。
[!]緊急情報
黄巾の本隊、新野を出発
襄陽への到達まで、推定二十日
「作戦を、立てよう」
李明の、本格的な戦いの、準備が、始まる。
[次話に続く]




