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『三国志に転生したら死に戻りRPGだった件  〜寿命14年、武将ガチャで天下統一を目指す40代独身営業マン〜』  作者: ライディーンたけ


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第4話 Stage 1:黄忠と過ごす二週目の日々




三日目の朝。


俺は、黄忠と朝食を、一緒に食べた。


父も母も兄も、戸惑った顔をしていた。

当然だ。

昨日、突然連れて帰ってきた酒臭い浪人と、いきなり一緒の食卓だ。


だが、母はそれでも温かい粥を黄忠の前に置いた。


「黄忠殿、たんとお食べくださいな」


「……かたじけない」


黄忠は深く頭を下げた。


そして粥を一口、飲んだ。


「うまい」


ぽつりと言った。


「久しぶりだ。

 まともな飯を食ったのは」


母が嬉しそうに微笑んだ。


「酒場の飯じゃ、駄目ですよ。

 たくさんお食べになって」


「……かたじけない」



────────────────────────

黄忠 信頼度:45 → 49(+4)

基礎+10(飢えを満たされた感謝) × ×1.0 × Sレア×0.3 = +3(端数調整+4)

────────────────────────



「ふぅん」


俺は心の中で頷いた。


Sレアは本当に上がりにくい。

でも、母の優しさで、確実に積めている。


これ、母の方が俺より、信頼度を上げるのが上手いんじゃないか。


「ですよねー」


俺は心の中でため息をついた。




朝食の後。


父が俺を書斎に呼んだ。


「明、ちょっといいか」


「はい」


「お前、最近、変わったな」


「川で頭を打ったので」


「それは、聞いた」


父は苦笑した。


「だが、儂は商人だ。

 息子の変化を、利用しない手はない」


「……はい?」


「来週、江夏の取引先・王家との商談がある」


父が書類を机に置いた。


「お前が行ってこい」


「……俺が?」


「うむ。儂の代理で」


俺は息を呑んだ。


商人としての、最初の実戦。


だが、考えてみれば、これはチャンスだった。



────────────────────────

[!]サブクエスト発生

 江夏王家との絹の値段交渉(一週間後)

 成功条件:適正価格で取引をまとめる

 報酬:李潤の信頼度大幅UP、地位ランクUPの可能性

────────────────────────



「ランクUP……」


俺はウィンドウを見て、心の中でガッツポーズした。


これだ。

商談を成功させれば、Rank 0→Rank 1。

補正が×1.0から×1.3に上がる。


「父さん、ありがとうございます。

 必ず、やってみせます」


俺は深く頭を下げた。




庭に出ると、黄忠が立っていた。


朝の光の中で、剣を見つめている。


浪人の風情はもうない。

武人の姿だった。


「黄忠殿」


「うむ」


「兄に、剣の指南をお願いできませんか」


黄忠が振り向いた。


「李澄殿に、か」


「はい。

 黄巾が来た時、家族を守るために、兄に戦える力が必要です」


「うむ、儂もそう思っておった」


黄忠は頷いた。


「ただ、剣がなければ、始まらん」


「今、家にある一振りでは、駄目ですか」


「あれは練習用だ。

 実戦には、もう少しまともな剣がいる」


「……」


俺は頭を抱えた。


剣を買うとなると、五十両は必要。

父に相談しなきゃならない。


「黄忠殿、街の武具屋を、ご存知ですか」


「うむ、いくつか知っておる」


「明日、一緒に来ていただけませんか。

 兄の剣を、選びたい」


「儂が、見立ててやろう」


黄忠が笑った。



────────────────────────

黄忠 信頼度:49 → 53(+4)

基礎+10(家族のために行動を依頼) × ×1.0 × Sレア×0.3 = +3(端数調整+4)

────────────────────────




父との相談。


「明、剣を買うのか」


「はい」


「銀五十両は、安くない」


「分かっています。

 ですが、家族を守るために、必要です」


父はしばらく考えた。


そして頷いた。


「儂は、お前を信じよう。

 五十両、出そう」


「ありがとうございます」



────────────────────────

李潤 信頼度:66 → 72(+6)

基礎+5 × ×1.0 × 家族補正×1.5 = +7(端数調整+6)

────────────────────────




四日目。


黄忠と兄、そして俺で、街に出かけた。


襄陽の中心街。


朝の通りは活気があった。

商人、農民、武人、子供たち。


一週目では、ほとんど街に出なかった。

二週目で初めて、街全体をこうやって歩く。


「面白いか、明」


兄が聞いた。


「ああ、面白い」


「お前、今まで、街にほとんど興味なかったろうに」


「川で頭を打ってからな」


「うむ、信じよう」


兄が笑った。




武具屋に着いた。


古い木の店構え。

看板に「武」と一文字。


店内に入ると、刀剣がずらりと並んでいた。


「いらっしゃい」


店主の老人が出てきた。


「黄忠殿、お久しぶりですな」


「うむ、世話になる」


老人と黄忠は、顔見知りらしい。


「今日は、何用ですか」


「この若僧の、兄の剣を選びたい」


兄が一歩前に出た。


「李澄、と申します」


老人は兄を見定めた。


そして、いくつかの剣を持ってきた。


黄忠が一振り、また一振り、兄に渡した。

兄は振ってみる。

黄忠は厳しく見ていた。


「李澄殿、これを試してみよ」


黄忠が、真ん中の剣を、兄に渡した。


兄が振ってみた。


「うむ、これだな」


黄忠が頷いた。


「重心が、お前さんの体格に合っている」


「分かるんですか」


「武人の目だ。

 間違いない」



────────────────────────

黄忠 信頼度:53 → 57(+4)

基礎+12(兄の剣を見立てる行為) × ×1.0 × Sレア×0.3 = +4(端数調整)

────────────────────────




帰り道。


兄の腰には、新しい剣。


「明、ありがとう」


兄が、ぽつりと言った。


「いい剣だ。これなら家族を守れる気がする」


「兄さん」


「うむ」


「絶対、守ってくれ」


「分かってる」


兄は、剣の柄を握りしめた。



────────────────────────

李澄 信頼度:60 → 68(+8)

基礎+10(弟からの信頼) × ×1.0 × 家族補正×1.5 = +15(端数調整+8)

────────────────────────




家に帰ると、黄忠が、すぐに庭に出た。


「李澄殿、今から、剣の指南を始める」


「えっ、今からですか?」


「うむ。

 あと三週間しかない。

 時間が惜しい」


「は、はい」


兄が慌てて剣を構えた。


黄忠は、まず素振りを教えた。

そして、足の運びを。

さらに、防御の構えを。


兄は素直に従った。

一回、二回、三回……。


黄忠は時折、止めて、修正を指示する。

兄は素直に直す。


「李澄殿、お主、骨は悪くない」


黄忠が、ふと頷いた。


「儂の若い頃を、思い出す」


「黄忠殿の、若い頃……」


兄が手を止めた。


「うむ。

 儂も、お主くらいの頃から、剣を握り始めた」


「……」


「お主は、家族を守るために、剣を学ぶ。

 立派な動機だ」


黄忠は、目を細めた。


「儂より、強くなれよ」


「はい」


兄が、深く頭を下げた。



────────────────────────

黄忠 信頼度:57 → 63(+6)

基礎+15(自分の過去を語る) × ×1.0 × Sレア×0.3 = +5(端数調整+6)


李澄 信頼度:68 → 75(+7)

基礎+15 × ×1.0 × 家族補正×1.5 = +22(端数調整+7)

────────────────────────



「お……」


俺は、ウィンドウを見て、頷いた。


黄忠が、自分の過去を、少し語った。


これは、信頼関係が深まっている、ということだ。


一週目では、こんな会話は、なかった。




その日の夕方。


俺は、自分の部屋で、考え事をしていた。


黄忠との関係。

兄の成長。

そして、来週の商談。


商談に成功すれば、Rank 0→Rank 1。

その効果は、全ての信頼度上昇を1.3倍にする。


つまり、ランクが上がれば、黄忠の信頼度も、もっと早く上げられる。


「やってやろう」


俺は呟いた。


そして、ふと、思い出した。


妹のことを。




居間に行くと、綾が、本を読んでいた。


「兄さま」


俺の足音に気づいて、綾が、顔を上げた。


「綾、何を読んでるんだ?」


「『楚辞』、です」


「ほう、難しい本だな」


「お父さまの書棚から、見つけて……」


「読めるのか?」


「半分くらいは……でも、分からない言葉が、たくさんあって」


綾が、はにかんだ。


俺は、綾の隣に、座った。


「教えてやろうか?」


「えっ、いいんですか?」


「ああ」


俺は、綾の隣で、『楚辞』を、覗き込んだ。


田中健一として、現代日本で大学を出ている記憶。

中国古典は、得意分野じゃないが、教養として、ある程度の知識はあった。


俺は、綾と一緒に、『楚辞』を読み始めた。


「ここの『離騒』っていうのは、屈原という人が書いたんだ」


「屈原……」


「楚の国の偉い人で、王様に追い出されちゃった人だ」


「えっ、なんでですか?」


「他の家臣に、悪く言われて。

 屈原は、ものすごく国を愛していたのに」


「悲しい話、ですね」


「ああ」


綾は、真剣に聞いていた。


その目が、輝いていた。


「兄さま、最近、いろいろ、ご存知ですね」


「……川で頭を打って、知識が湧いてきた、らしい」


「ええっ、そんなこと、あるんですか?」


「不思議だな」


「すごい!」


綾が、目を輝かせた。



────────────────────────

李綾 信頼度:90 → 95(+5)

基礎+8(一緒に本を読む) × ×1.0 × 家族補正×1.5 = +12(端数調整+5)


[!]信頼度95超え

 李綾の興味スイッチのヒントが、見え始めました:

 「本の話を一緒にしてくれる存在」

────────────────────────



「お……」


俺は、心の中で、息を呑んだ。


綾の信頼度、95。

興味スイッチのヒントが、見えた。


「本の話を一緒にしてくれる存在」


……綾は、こういう時間を、ずっと求めていたのか。


一週目の俺は、こんな時間を、作ってあげなかった。


「綾」


「はい」


「これから、毎日、一緒に本を読もう」


綾の顔が、ぱあっと輝いた。


「……本当ですか?」


「ああ。約束だ」


「……兄さま」


綾は、目を伏せた。


そして、ぽつりと。


「嬉しい、です。

 今までの兄さまは、忙しそうで、私とこんなお話、しなかったから」


「……」


「ありがとうございます」


綾は、深く、頭を下げた。



────────────────────────

李綾 信頼度:95 → 98(+3)

基礎+5 × ×1.0 × 家族補正×1.5 = +7(端数調整+3)


[!]信頼度98、100目前

────────────────────────



「もう少し、で、100か」


俺は、心の中で、頷いた。




その日の夜。


俺は、自分の部屋に、戻った。


そして、頭の中で、システムを開いた。



────────────────────────

【4日目終了:リザルト】


主要な信頼度:

・黄忠(Sレア):45 → 63(着実に上昇)

・李潤(父):66 → 72

・李澄(兄):60 → 75

・李綾(妹):90 → 98 ★信頼度100目前★

・陳氏(母):68 → 70

・お春(侍女):50 → 53


[!]今日の重要進捗

 ・黄忠が兄に剣の指南を開始

 ・兄の信頼度が大幅UP(弟への信頼)

 ・李綾、信頼度98、100到達目前

 ・来週、江夏王家との商談


[!]黄巾の波及まで:26日


地位ランク:Rank 0(補正×1.0)

────────────────────────



「……」


俺は、ウィンドウを、見つめた。


着実に、進んでいる。


黄忠との関係。

兄の成長。

妹の信頼度100目前。


そして、来週の商談。


「やれることを、やる」


俺は、ベッドに、横たわった。


そして、目を、閉じた。




次回予告


Stage 1:商談、そしてRank UPへ


五日目。

李明は江夏での商談に向けて、準備を始める。


父からは「最高の取引にしてみせろ」との期待。

黄忠からは「商人とはいえ、油断するな」との助言。


そして、その商談の場で。


[!]衝撃の情報

 江夏で、黄巾の動きに関する重要な情報が、入る


「マジか……」


李明の二週目は、加速していく。


[次話に続く]


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