飛び交うハンマーの向こうへ
ゲーム機を発見してから、二十四日目、
四人はいつものように灰色の箱の前に集まり、調査を始めた。
今日は行けるところまで進んでみることにした。
昨日見つけたワープ土管を駆使しつつ、
順調に進める。
やがて、未知のステージに到達した。
四人は慎重にキャラを進めていく。
その時だった。
画面の右側で、何かが跳ねる影が見えた。
次の瞬間──
丸いハンマーが弧を描いて飛んできた。
爽太が思わず声を上げる。
「うわっ、何か投げてきた!」
慎介が身を乗り出す。
「軌道が読めない……!」
ハンマーは上から降り注ぐように連続で飛んでくる。
キャラは避けきれず、当たってしまった。
孝二が冷静に言う。
「ブロックに乗ったり地面に降りたり、動きのタイミングが一定ではありません。高度な敵です」
好機は画面を見つめながら言った。
「跳ねたり跳ねなかったり、投げ方もバラバラだ……厄介だぞ」
爽太は必死に避けようとするが、
ハンマーの連続投擲に押し切られ、キャラは倒れた。
画面が暗転し、ゲームオーバーの文字が表示された。
四人はしばらく黙って画面を見つめた。
慎介が静かに言う。
「強いな……あいつ」
爽太は悔しそうに息を吐いた。
「どうすれば先に進めるんだよ……」
孝二は淡々と分析を始める。
「わずかに投擲が止まる瞬間があります」
好機も続ける。
「ブロックに乗ることがあるから、その時なら下をくぐれそうだぞ」
慎介が頷く。
「つまり、落ち着いて動けばいけるってことか」
爽太はコントローラーを握り直した。
「……やってみる」
四人は再び画面に向き合った。
再挑戦が始まる。
敵キャラが跳ねる。
ハンマーが飛ぶ。
慎介が声をかける。
「今だ、前へ!」
孝二がタイミングを読む。
「投擲が止みました。今です」
好機が画面を指差す。
「ブロックに乗ったぞ!今だ!」
爽太は慎重にキャラを動かし、
ハンマーの隙間をすり抜けて前へ進む。
爽太が息を吐きながら言った。
「……やった……!」
慎介はほっとしたように肩を落とす。
「強かったな……」
孝二は画面を見つめながら言う。
「この装置、先日の上空から攻撃してくる敵や今回の敵のような困難な課題を提示してきますね。
使う人に“対応力”を身につけさせる意図があるのかもしれません」
好機は静かに頷いた。
「もっと調べたいな……」
爽太は画面を進めながら言った。
「でも、進めたな。次も行こう」
四人はキャラを進めていく。
四人はキャラを進め、ついに最後の城へと足を踏み入れた。
暗闇の中、火の海と稲妻が断続的に城内を照らす。
これまでのステージとは明らかに違う、重く冷たい空気が漂っていた。
爽太が小さく言う。
「……なんか雰囲気違うぞ」
慎介は眉をひそめる。
「ここ、ヤバいだろ……」
孝二は静かに分析する。
「雰囲気が他のステージと明らかに異なります」
好機は機械の様子を確認して言った。
「装置の状態は問題なし。行けるぞ」
四人は画面を見つめたまま、
次の調査へ向けて静かに息を整えた。
次話、四人は“最後の城”の調査を進める中で、奇妙な違和感に気づく。
進んだはずの道が再び現れ、土管は行き先を選ぶように分岐していた。
繰り返される城の中で、装置の意図が静かに姿を見せ始める。
来週21:00頃更新予定。




