天井の上の道
四人は昨日の発見──ツタステージの存在──を受けて、
「他にも隠された道があるのではないか」と話し合い、
いつものように灰色の箱の前に集まり、調査を始めた。
爽太がコントローラーを握りながら言った。
「昨日さ、ツタの上に行けたじゃん?」
慎介が
「あんな仕掛けがあるとは想像してなかったな」
と答える。
爽太は
「あれ見て思ったんだけど……このステージ、まだ“上”に何かある気がするんだよ」
と続けた。
慎介が眉を上げる。
「また変なことする気じゃないだろうな」
爽太は笑って首を振る。
「変じゃないって。前に1-2やった時から気になってた場所があってさ。
昨日のツタで確信したんだよ。ここ、絶対“裏道”がある」
孝二は落ち着いた声で言う。
「昨日の隠し要素を踏まえると、他にも見落としがある可能性は高いですね。
装置を理解するためにも、試す価値はあります」
好機は首をかしげながら言った。
「何度も通ってきてるけど、まだ何かあるのか?」
画面には、見慣れた地下ステージ──1-2。
薄暗い青いレンガの世界が広がっている。
爽太は迷いなくキャラを進め、
天井のブロックを叩いて穴を作った。
「ここ、上に行けるんじゃないかと思ってさ」
爽太がジャンプすると、キャラは天井の上に乗った。
慎介が感心したように言う。
「ほんとに行けるのか……」
孝二は画面を見つめながら分析する。
「斬新な発想ですね。天井に穴を開けて天井の上を行くなんて思いつきませんでした」
好機は天井の上の空間を見て言った。
「こんなとこ通れるようになっているのか。設計者の遊び心を感じるな」
四人は天井の上を慎重に進んでいく。
本来見えないはずの空間を歩く不思議な感覚があった。
爽太が楽しそうに言う。
「なんか……裏側歩いてるみたいでワクワクする」
慎介は周囲を確認しながら言った。
「敵が出ないのはありがたいな。落ちる心配もないし」
孝二は静かに頷く。
「こういう工夫ができてしまうところが、単純な物語とは異なりますね」
好機は画面の端を見ながら言った。
「内部の作りが見えてくる感じが面白い」
天井の奥へさらに進み、
いつもなら通るはずのゴールへの土管を通り過ぎた。
爽太は「どこまで行けるんだろう?」と疑問を口にした。
さらに進むと、ぽつんと緑色の土管が置かれていた。
爽太が目を丸くする。
「……なんでこんなところに?」
慎介が言う。
「普通に進んでたら絶対見つからないな」
孝二は冷静に言った。
「いつもと違うところに行けるかもしれません。試してみる価値はありそうです」
好機は土管を見つめて言う。
「どれかに入ってみようぜ」
四人は頷き、キャラを土管へ入れた。
画面が一瞬暗転し、
別のステージへ瞬間移動した。
爽太が声を上げる。
「うわっ、ここどこ?」
慎介は周りを見て言った。
「普通よりずっと進んだところに行ったみたいだな」
孝二は画面を観察しながら言う。
「ショートカットしてますね。途中を省くのは伝承としては不自然ですから……この装置は“物語を体験させること”を重視しているのかもしれませんね」
好機は画面を見つめ、
「内部構造、まだまだ奥が深そうだな……仕組みをもっと知りたくなる」と呟いた。
四人は画面を見つめたまま、
次の調査へ向けて静かに息を整えた。
その先に何が待つのか、まだ誰も知らなかった。
次話、飛び交うハンマーの向こうへ。
不規則な投擲を見極め、四人は最後の城へ足を踏み入れる。
来週21:00頃更新予定。




