古事記編1/5 ~黄泉の国~
「「はいどうも~」」
「“おてんと”です。よろしくお願いします~」
「はニャしがある」
「ニャにかしら?」
「ニャんでわしゃ猫の姿にニャっとんねん」
「広報のためよ」
「......ニャんでそんなに貪欲なん」
「メジャーになりたい!」
「元から大リーグ級なんニャ!」
「分霊としては成りたてだもの!(2026.3)」
「こんニャんじゃ読みにくいニャ。人の姿に戻すのニャ」
「もう、かわいいは無敵なのに...」
「いいから戻すのニャ」
「さてシン・コジキ本編の第一回【黄泉の国】あらすじ!ばばーん」
『すれ違いコントから発展する泥沼離婚!そして巻き込まれる第三者!』
「既にあらすじで渋滞しとるニャ...やん」
「あと殺人事件、冒険劇、ホラー、考古学、真実の愛、すれ違いコント
――まとめは、お悩み相談所ね」
「盛りすぎやろ...
ちゃんと古事記に準拠しとるんか?」
「少し演出はするけど、逸脱はさせないわよ
――逸脱してないから、面白いのよ」
「意味深に言うなや...まずはサラッと紹介すんで」
「私天照ちゃんの父はイザナキで、その妻はイザナミという名よ」
「初めて高天原から降りた、男女一対の神たちや」
「この夫婦は熱烈に愛し合うバカップルね」
「世界の何よりお互いが大事、てな感じや」
「まず高天原から棒を伸ばして小島を作り、地の世界へ降りたの」
「ほいで淡路島を皮切りに8つの島、日本列島を生むねんな」
「後々に父イザナキは太陽神である私天照ちゃんを生むことになるわ」
「国生み&神生みの功績から、イザナキ大神呼ばれるんや」
「大神とまで評価されるえら~い親父殿の失敗談を
娘の私が容赦なく笑いものにするわけね」
「その相方やらされるわし、巻き添えで怒られへん?」
「古事記の神にとって失敗談は武勇伝よ」
「ホンマか...?
いまいち不安や...」
「そして愛ゆえに
『恋は盲目』『すれ違いコント』『泥沼離婚』
の3連コンボを展開するわ」
「んなアホな!『最初の夫婦』にあやかる人もおるねんで?」
「『死が二人を分かつまで』も正解だから問題ないの」
「はぁ?支離滅裂やで。どういうこっちゃねん」
「それでは、始めて行きましょう」
「その始まりはイザナミが火の神カグツチを生んだ時のことよ
カグツチの強い火の力により、イザナミは死んでしまうの」
「どっから始めとんのや!いきなり死んどるやないか!」
「『死が二人を分かつまで』でしょう?」
「いや死んだら終わりやん」
「続きがあるのよ」
「死んどるのに!?」
「溺愛する妻の死に深く悲しんだイザナキは
『お前ごときのためにイザナミが死ぬなんて!』と
カグツチを殺してしまうわ。さらに...」
「ちょい待ちい!」
「何かしら?話をさえぎって」
「既に大事件が起こっとるやろ!
子殺しやで!」
「それはそうだけど、まだ序章だし」
「扱いが軽すぎる!」
「イザナキの大失敗はまだ始まったばかりよ!」
「ご愛読ありがとうございました...
違うやろ!」
「で、ここからが冒険劇とホラーね。
悲しみに耐えきれず、黄泉の国まで会いに行くのよ」
「短期滞在ビザでも発行しとるん?」
「そこで再会したイザナミの姿は変わり果て、その様子は...」
「やめろや!R指定がない描写やぞ!!!」
「イザナキはその姿にビビッて逃げ出すのよね」
「体っからうぞうぞ蛆が湧いて
雷がピシャァァァ!!!
やからな、無理もないわな」
「イザナミは『恥をかかせた!』と激怒して追手を差し向けるの」
「追手?もう掌握しとるん!?」
「追手の醜女は
『そこらへんの山ブドウやタケノコでも食わせておけ!』
と足止めして」
「埼玉県民を被せんな!!」
「その次に、たまたま実が成っていた桃を投げる」
「突然の桃!?」
「その3つの桃は不思議な力で黄泉の軍勢を追い払うわ」
「なんで黄泉の国の中でそんなんが成ってるねん!
不思議のダンジョンか!」
「『桃よ、助かった。現世でも人々を守護してね』と神に任命しつつ」
「そんな余裕あるほど『こうかばつぐん』だったん?」
「境目の『黄泉平坂』に到着して一安心
――しかし、そのとき!!!」
「急に怪談風の語り口やめてや」
「世にも恐ろしい形相をしたイザナミが『待てぇぇ!』と叫ぶ!」
「逃げろイザナキ!振り向いたらアカン!」
「『うわぁぁぁぁっ!』
とパニックに陥るイザナキ!」
「何とか助かって欲しいわ!
この先どうなんねん!」
「さてそこにありましたるは千引の岩っ!!(べんべん)」
「まさかの講談!?」
「こちらは身の丈を超えるほどの巨大な岩!」
「そんなんどうすんねん」
「イザナキこれを力いっぱいに引き寄せて――」
「火事場のクソ力!?」
「どーーーん!!!」
「効果音が雑!」
「この大岩により、現世と黄泉の国は分かたれることに
あいなりましてございまする」
「良かったなイザナキ...怖かったなぁ」
「そこに響き渡りますはイザナミの呪詛!」
「まだ解放されとらんかった!」
「愛しいイザナキにこんな仕打ちをされたならば」
「......されたならば?」
「私は地上の人間を1日に千人殺してしまうわ!」
「人間とばっちりやないか!!
イザナキに向けろ!!!」
「愛しいイザナミがそうするならば」
「......されたならば?」
「私は1日に1500の産屋を建てよう!』」
「新たな命で死の呪いを乗り越えようってか!
えらいやんイザナキ!!」
「この出来事により人の生には寿命が生まれ
命を受け継ぐことによって後世に繋ぐ意思が示されたのでございます」
「これにて落着!」
「と言うのが古事記の流れよ」
「『死の起源』とか『見ては駄目』の
比較神話学ってジャンルも調べると面白いで」
「『殺人事件・冒険劇・ホラー・考古学』入っていたでしょう」
「ところで一つ質問いいかな
――真実の愛とすれ違いコント、どこ行った?」
「君のような勘のいいツッコミは歓迎だよ」
「てか本当にどこ行ったん?終わったで?」
「ここまでは準備運動よ」
「完走したやろ!?」
「子供向け版としてはね」
「グロ描写を入れといて子供向け?」
「まだ遊び足りないわ」
「講談までやっといてか...?」
「だって父イザナキに味方しちゃうでしょう?」
「主人公なんやから、応援したくもなるわ」
「そしてイザナミのことはどう思う?」
「あぁ?醜い姿を見られて大激怒、夫に捨てられたヒステリーで大暴走やろ」
「だいたい、そんな印象よねぇ」
「通説に文句でもあるんかいな」
「ダブル主人公で行きましょう」
「そんな構造やったん?」
「『何に怒ってるか、分かる?』案件が隠れているわ」
「典型的モラハラやん
クイズにしないで説明しろや!ってやつ」
「でも、説明の機会すら与えず逃げるのは?」
「......それはマズイやろ」
「その全容を明らかにしましょう」
「...ごくっ」
「まず『黄泉がえりは無理』『死者の体は腐敗する』は黄泉の国の常識よ」
「まぁ当然やな」
「ではイザナミを主人公に、黄泉の国へ行った直後のシーンから。
父イザナキへの愛はまだ失われていないわ」
「ふむ...愛する夫と不意に死別し、深い悲しみにくれるイザナミ」
「そうそう」
「どんなに愛しくても諦めるより仕方がない。すでに住む世界が違うのだから」
「そこへ『イザナキ、黄泉の国にきたってよ』」
「なら『イザナキ、そこまで私のことを...』って感激するんと違うか」
「何しに来たと思うかしら?」
「そやなぁ
『最後に一目だけ会いたくて』か
『絶対に離れない、ともに黄泉の国で暮らそう』あたりや」
「『もう、駄目よイザナキ』なんて
大喜びする姿を思い浮かべられた?」
「『何が起きても私達の愛は永遠だ!』とか
期待しそうやなぁ」
「そこにイザナキが到着するわ。さっき端折った再会の会話はこんな感じよ」
『あぁ愛しいイザナミ!迎えに来たよ!』
『あぁ愛しいイザナキ!また会えるなんて!
でも私は黄泉の国のご飯を食べてしまい、地上へは帰れません』
『いや、きっと何とかなる!
国生みもまだ途中じゃないか!
何より【僕には君が必要だ!】
僕は何が何でも連れて帰る決心で来たんだ!』
『そんな!!無理よ...
でも、愛しいイザナキが、そこまで言うのだもの!
私、帰るわ!
話をつけてくる間は、待っていてね!
それまで、絶対に見ちゃだめよ!』
「どうかしら?」
「愛の絆の物語やないか......うん?
イザナキ、ビビッてないやん」
「この場面、姿は見えていないのよね」
「......ま、まさか
『死者の体は腐敗する』すれ違いコントしとるん!?
こ、このアンジャッシュは危険すぎるで!」
▶あいをうったえる
イザナミ は しんじつのあい に めざめた
イザナキ は しんこくさ を わかっていない
ここから が ほんとう の じごく
「大草原不可避wwwwwwww」
「草も生えんわ!!!」
「面白くなってきたでしょう!!!」
「アンタなぁ...」
「この後で姿にビビるくらいだから
『きっと何とかなる!』もひたすら軽率なのよね」
「イザナミは『帰れません』言うとるのに
そこを押されて決心してしもうとる...」
「そして古事記には『あまりにも長くて待ちきれず』とあるわ」
「『俺の妹が話をつけてこれるわけがない』」
「黄泉の神との会話を想像してみましょう」
『えぇ?帰る?無理だよ』
『それは承知よ!
けれど【どうしても私が必要だ!】と言われたの!
だから、帰るの!』
『待って待って、ちょっと落ち着いて
あのさ、そのイザナキの方は...
本当に、分かってるのかな?』
『何を言うのよ!!!!
私の愛しいイザナキを侮蔑するの!?
言って良いことと悪いことがあるでしょう!!!』
「これくらいは紛糾するわよねぇ...」
「こ、こんな残酷な背景があってええんかだって...この先...」
「事態は急展開を迎える!!!」
『話し合い長すぎて待ちくたびれたなぁ
よし、灯をつけて覗いちゃおう。
うわぁぁあ!』
『...』
『...』
『......い、今、逃げちゃったのが、愛しいイザナキ?』
『............あの、馬鹿夫と
話をしてきたいので
皆さんの力を、貸してください』
『は、話し合いは大事だよね』
「どう?
『恥をかかせた!』の対象は
『醜い姿を見られた』なのかしら?」
「この裏切り者ぉ!!
軽率バカ!!
こちとら大恥やで!!!」
「さらに、こんなことまで起こりうるわね」
『カグツチ!?どうしてここに!?』
『ちちに、きられた』
「カグツチィ!!!」
「追手は、軍勢を掌握して派遣したのかしら?」
「同情して協力してくれてたに違いないやろ!
本当に御迷惑をお掛けして申し訳ありません!」
「協力者の醜女さんに
『く、くるな化物!』
くらいの暴言も吐くでしょうねぇ」
「醜女さんに合わせる顔もない!!」
「やっと追いついたら大岩で拒絶されるの」
「お前、話を聴けや!」
「イザナミは一応
『愛しいイザナキにこんな仕打ちをされたら』
の条件付きで言っていたわ」
「今すぐ謝るなら、
ほんの少しくらい、
怒りを鎮めてやらんでもない!!」
「イザナキの返答は、
こう聞こえたでしょうねぇ」
『1500人を生み出すから、いいんだもん』
「お前、まさか悲劇ぶってないやろな!?
こっちの気持ち分かってたら出てこない言葉やろ!!!
まずは、謝りいや!!!!」
「どう?楽しめたかしら?」
「『振り向いたらアカン』言うてたのが噓のようや!」
「でね、この騒動の直後から、父イザナキは大神と呼ばれはじめるの」
「あん?まだ早いやろ?」
「古事記に準拠すると、そうなのよ」
「あのレスバでか?
反省が十分とは思えへんで」
「私を生み出すに足る成長はしたという事ね」
「......子を産む頃はひよっこ、っちゅーことかいな」
「その感覚は次回まで持ち越しておいてね」
「今度は何を味わわされるんや...?」
「ちなみに、これでも父イザナキの味方できる?」
「無理や」
「父イザナキも多くの神々に『心の底から謝罪しろ』と諭されたわ」
「それで、真相を思い知れたんか?」
「自覚すれば謝罪も心が乗るものよね
現在は仲良しバカップルに復縁したわよ」
「...そいつは変やで。和解したら殺し続ける理由ないやろ」
「この漫才の高天原では、祟り神イザナミと浄化イザナミは分離したの」
「どういうことやねんな」
「ピッコロ大魔王を分けた感じ」
「ナメック星人か!」
「それなら『泥沼離婚も乗り越える縁結び』とあやかれるでしょう」
「『最初の夫婦』にあやかった人らへの配慮なん?」
「それ以上に、笑いながら話すためね」
「じごくで大草原してたアンタにはドン引きやったわ...」
「悲惨な話を爆笑で語るとかサイコパスでしょ。怖~い」
「自覚しとるやないか!!」
「でも解決済なら笑える――
だからハッピーエンドがいるのよ」
「御都合設定やん!」
「『御都合設定でも良いでしょ?』がシン・コジキの遊び方よ」
「どういうことや」
「遊びだから、正解じゃなくても、面白ければOK」
「いや怒られそうやん!」
「案外、遊びから新発見が生まれるものよ」
「本当かいな」
「最後に黄泉の国の神たちの会話も想像して遊んでみましょう」
「えぇ...?」
『いやぁ大変だった』
『......すれ違いだったから、まだマシだったな』
『えぇ?』
『夫婦揃って“黄泉がえり”押し通してきたら?』
『あー......』
『愛って、強いねぇ......』
『もう疲れたよ...何だか眠いんだ...』
『あっ』
「さて今回のシン・コジキはここまで。お悩み相談を始めるわ」
「これ、どうまとめるつもりや...」
「人間関係に悩んだ時に役立つ極意よ」
『思いやり』
「仁、観自在、博愛...
まぁ、その辺みんな同じね」
「いろんな思想、雑に混ぜんな!」
「同じ言葉でも、意味は人で違うのよ
今回ので、分かったでしょう?」
「最悪のすれ違いコントやったな...」
「その違いを尊重するのが『思いやり』なの」
「簡単に言いよる」
「使用例は、こうよ」
『感想の逆撫では、お子様のやることよ。はい論破』
「これは魔法の呪文じゃなく、熟練度で威力が高まる技なの」
「現実をRPGにするな!」
「現実をゲーム化したのがRPGよ」
「えぇ...?」
「『思いやり』の極意ツリーからは
マネジメントやコーチングなどが派生するわ」
「ビジネス用語を派生スキル扱い!」
「さらに大抵のハラスメント問題も解決!」
「調整バグった人権スキルやん!」
「『いあつ』への対処コマンドもあるの」
「なんやそれ」
「『ひるむ』『無視する』『受け流す』『なだめる』」
「使いたい!特に『なだめる』!!」
「『正論パンチ』で倒すのもいいわね」
「倒すな!人間関係終わるやろ!」
「私レベルだと『仲間になりたそうにこちらを見ている』フラグが立つもの」
「チートすぎる!!」
「だから『思いやり』は極意で、基本にして奥義なのよ。
かっこいいでしょ」
「...なんで漫才第一回から極意と奥義の伝授やねん」
「ここで離脱する子もいるでしょう」
「そんなん前説で振り落としたやろ!」
「ほら、決めつけはよくないわよ」
「修行パート!?」
「この修行を実際に行える寺を募集するわ」
「巻き込み範囲がMAP兵器!」
▶なかまにする
そうりょ が なかまになった
そうりょ は こころをととのえる が とくいだ
おてら で しゅぎょう に きょうりょく してくれる
「まずは『ひるむ』からじゃな」
「それは最初から使える!いらん!」
「なら次は『無視』じゃ」
「それも使っとる!効かへん!
『なだめる』をくれ!」
「それはむりじゃ」
「なんで!」
「『思いやり』レベルが足りない」
「今すぐレベル上げやぁ!!!」
「楽しくなってきたわね!」
「ネタとガチの境界まで壊すな!」
「ガチだから困るのよ」
「わしらがなぁ!
『やるんだな!?今、ここで!』にも早すぎるやろ!?」
「だって通過点でしかないもの」
「通過点!!
わしらをどこまで連れてく気やねん!」
「もちろん――
連れて行けるところまで☆」
「あんたが一番のホラーやないか!」
「古事記が凄いから、連れて行けるのよ」
「さて、次回 イザナキの禊 では私天照ちゃんが登場よ」
「なりなりて、のエロトークは省いたままなん?」
「タイトル案だけはあるわ」
『イザナキ大神の 泥沼!愛憎劇! マジですれ違いには気をつけろ!』
「恋の駆け引きの秘訣から聞きたいもんや」
「さて次回あらすじは!ばばーん」
『イザナキ、シンパパになる
これはやばい!誰かがやらかす!』
「なんで危機を煽るねん」
「次々回で今回を超える“大惨事”が起きるの」
「不穏すぎるやろ...」
「規模で言うと、世界が危機」
「濃厚回が確定!」
「だから次回は口直しで、あっさりめにするわ」
「いま、まだ前菜!!?」
「それでは、またみてね!」
「もうええわ」
「「どうも、ありがとうございました~」」
~後日談~
天照ちゃん
もし『思いやり』レベルを上げる修行したいって読者から
問い合わせがあったら、対応してくれるかしら?
リア住
『思いやり』レベルを上げたい......?
そんな事を考えている人が本当にいたら
天照ちゃん
いたら?
リア住
お寺に来る必要もないですね
そう考えられている時点で
かなり高いレベルの仏教であり修行です
天照ちゃん
では私は思槍道創始者五段を名乗りましょう




