決着
レグルスと同じ技を習得し逆転を試みようとするシロ
視界の悪い豪雨の中、先に仕掛けたのはシロだった
レグルスに負けず劣らずの高速移動の攻撃、相手も反応はするものの避け切ることができずシロの攻撃が当たる
「は、速い!先程までよりも格段に速くなってます!」
傷を与えられたレグルスはその傷を見てまた笑った
自分と同等の速さの相手と会うのが初めてだったのか、驚きよりも嬉しい気持ちが強いのかもしれない
レグルスは楽しそうにシロに向かっていき、自分にしたようにシロにもそっくりそのまま同じ攻撃でやり返した
シロもまた攻撃を受けても怯むことなくレグルスに立ち向かっていく
シロが攻撃したらレグルスがやり返し、またシロが攻撃する
気づけば駆け引きなど一切ない殴り合いに変わっていた
「凄まじい攻撃の応酬が続いております!果たしてどちらが勝利を手にするのかー!」
こうなったら気持ちが強い方が勝つ。どちらが先に倒れるか我慢比べの勝負だ
互いに一撃一撃が非常に重く、攻撃を繰り出す度に凄まじい音が聞こえてくる
「負けるなシロー!」
「シロちゃん頑張ってー!」
「ピピィ!」
豪雨にも負けない両者を応援する声が会場に木霊する
シロは相手よりもダメージが入っていたにも関わらず必死に食らいついている
殆ど気力だけで戦っている状態だ
対する相手ももう先程までの余裕は感じられない
どちらがいつ倒れてもおかしくはなかった
「両者共に満身創痍といった様子。決着の時が近づいているようです」
お互い傷だらけで体力の限界が近い。それは戦っているシロ達が一番分かっているはず
両者共先程までの猛攻をやめて力を蓄えている
恐らく次の一撃で勝負が決まるだろう
集中しているシロ達を邪魔しないようにと声援が止まる
静寂に包まれた会場に激しい雨音だけが響き渡った
固唾を呑みその時を待っていると、両者が同時に動き出した
刹那の交錯、互いが背を向けその場に立ち尽くす
先にガクッと体勢を崩したのはシロ
健闘したがダメだったかと肩を落としかけたが、シロはそこで最後の踏ん張りを見せて倒れなかった
その直後、相手が地に伏して動かなくなった
「こ、これは……レオナルド君の戦闘不能。よって……しょ、勝者シロ君!優勝はシロ君に決まりましたー!」
司会のアナウンスによって静寂から一転して歓声が上がる
そして勝負が決まるとほぼ同時に雨が止み、青い空が顔を出した
それはまるでシロの勝利を祝っているようだった
「壮絶な戦いの末最後に立っていたのはシロ君……!しかしどちらが勝ってもおかしくない試合でした!素晴らしい戦いを見せてくれた両者に拍手を送りましょう!」
割れんばかりの拍手が巻き起こる中、私達はステージにいるシロの元へと駆けて行った
「お疲れ様シロ!優勝おめでとう!」
「ワフゥ……」
立っているのもやっとな状態のシロは私達を見ると途端にフッと力が抜けて小さくなり、ヘリオスに回復されながら私の腕の中でゆっくりと休息を取った




