差し入れ
2回戦までが終了し昼休憩ということで、私達は会場付近にある露店で色々と購入して控え室でゆっくり食べることにした
「2人もお疲れ様。ヘリオスは残念だったけど私とシロを応援しようね」
「ピィ……」
「シロもたくさん食べてヘリオスの分も頑張ってね」
「バウッ!」
ヘリオスはまだ落ち込んでいるみたいだが、お腹一杯になれば少しは気も紛れるだろう
落ち込むヘリオスにシロはあとは任せろといった感じで準決勝に向けてしっかりと腹ごしらえをしていた
あと2回勝てば優勝。相手は前回準優勝したワイバーンで、勝っても前回優勝した相手かそれに勝ってくる相手なのでこれまで以上に気合を入れないとだろう
応援するだけだが自分も気合を入れる為、買ってきたご飯に手を伸ばそうとすると扉をノックする音が聞こえてきた
「どうぞ」
「失礼します、休憩中のところすみません。お知り合いという方が来ているのですが通してもよろしいでしょうか?女の子なのですが」
「女の子?あっもしかして……分かりました通して下さい」
わざわざ控え室まで来る女の子なんて一人しかいない
運営の人に通すようにお願いすると、予想していた通りシャルが部屋に入ってきた
「シャルちゃん、ステージから声聞こえてたよ。応援しに来てくれてありがとうね」
「お邪魔してすみません、実はお昼休憩でご飯食べるかなと思ってシロちゃんにお弁当を作ってきたんですけど……一足遅かったみたいですね」
「ううん大丈夫だよ。これくらいペロッと食べちゃうから。ねっシロ」
「バウッ!」
「それじゃあ……」
遠慮がちに鞄から四角い弁当箱を取り出し蓋を開けると、中にはシロが好きなお肉がたくさん入っていた
「これシロちゃんの為に作ってきたの。よかったら食べて」
「アウゥン。ガッガッガッ……バフバフッ!」
「美味しいって」
「よかったぁ。たくさん食べてこの後も頑張ってね」
「ピィ……」
シロがシャルから貰った弁当を美味しそうに食べてる姿を羨ましそうに眺めるヘリオス
それを見てシャルは再び鞄の中へと手を伸ばした
「ヘリオスちゃんの分もちゃんと作ってきたよ。食べてくれると嬉しいな」
「ピピィ!」
自分の分もあると知ると一転してヘリオスも上機嫌になり、シャルから貰った弁当を夢中になって食べ始めた
シャルのお陰で元気になってくれたみたいで一安心だ
「そうだ、これさっきお母さんが来てハルカさんにって。よかったら食べて下さい」
「ありがとう。お、たこ焼きだ。しかも出来立て」
「なんだか色んな具材を試してみたから意見を聞かせてほしいって言ってました」
「へぇ、何が入ってるだろう」
どれどれ……お、このプリッとした食感はエビかな?こっちにはチーズが入ってる
甘っ!?チョコレート?んーこれはちょっと私には合わないかも……
「辛ぁ!な、なにこれ!?」
「辛いのは多分ハバネロだと思います」
「み、水ぅ……」
まさかこんなところでロシアンたこ焼きを体験する羽目になるとは……中身の分からないものを食べさせられてるとなんだか闇鍋ならぬ闇たこ焼きを食べてる気分だ
これはこういうものとして売り出せば面白いかもしれないけど、私は普通に美味しく食べたいかな……




