建国祭当日
シュレイドに来てからエバと共にたこ焼きを美味しく焼けるよう試作を重ねた
その間シロ達は街の外で従魔大会に向けて特訓を続けた
そうして私達は盛大な花火を皮切りに建国祭当日を迎えることとなる
「うわぁ……凄い。人がたくさんだよ」
シュレイドに初めて来た日も、たくさんの人で賑わっていたがその比じゃない
これが3日間も続くとなると全日参加するのはかなり大変そうだ
「エバさんのお店はどうなってるかなぁ。シロ、はぐれないように気をつけてね」
「ワンッ」
シロ達が参加する従魔大会は祭りの2日目に行われる
なので初日はたこ焼きの売れ行きを確認してから色々見て回ろうと考えている
人の波を掻き分けながら店がある方へ進んでいくと、エバのお店が見えてきた
「あったあった……ってなに?この行列」
店の近くまで来ると列ができているのを確認した
こんなに列ができるなんて一体どんなお店だろうと気になって列の最後尾でアルバイトの子が持っている看板を見てみると、看板にはたこ焼きの絵が描かれていた
そう、長蛇の列の正体はエバの店に並んでいる人達だったのだ
「この人達全員エバさんのお店に並んでるの!?」
「すみませーん!たこ焼きただいま1時間待ちになりまーす!」
「1時間!?」
たこ焼きならそれなりに人気が出るだろうとは思っていたが、予想を遥かに上回って盛況なようだ
並んでいる人達を横目にお店に行くと、エバが汗だくになってたこ焼きを焼いていた
「エバさんお疲れ様です。凄い大盛況ですね」
「あぁハルカちゃん。もうお客さんがひっきりなしにやって来て大変!たこ焼き大人気よ!」
「売れてるみたいで安心しました。あっ、でもそれじゃあ私のたこ焼きは……」
「ごめんねぇ、見ての通り今お客さんで手一杯で。この行列捌かないと無理だね」
「でしたら手伝います!」
「いやそんな悪いわよ」
「いえ、私も試作の時に練習して作れるようになりましたし2人の方がお客さんも捌けますし。何より私も早くたこ焼き食べたいですから!」
「そうかい?それじゃあ申し訳ないけどお願いしようかね」
この日の為に試作段階の味見も我慢していたので完成品はまだ食べていない
早く食べたいからササッとお客を捌いてしまおう
「ハフッハフッ……!美味しいー!こんなの食べたことない!」
「私この白いソース好き!」
「俺には10個くれ!」
「こっちは20個だ!」
焼いては生地を流し焼いては生地を流す
材料が無くなるのが先がお客さんが途切れるのが先か。終わりが見えない行列を前に私は無心になってたこ焼きを作り続けた




