たこ焼き
私はお礼をしてもらう代わりにイブンにとあるお願いをした
そして次の日、イブンの奥さんがやっているお店にお邪魔しにやってきた
扉を開けるとイブンとシャル、そして母親と一家総出で出迎えてくれた
「いらっしゃいませハルカさん」
「あなたがハルカさんね、話は聞いたわ。私はエバ、まずはうちの旦那と娘を助けてくれてありがとう。恩人のお願いなら喜んで引き受けさせてもらうわ」
「ありがとうございますエバさん。今日はよろしくお願いします」
「シロちゃん達は私と一緒にお庭で遊んでよ!」
「ワンッ!」
「ピィ!」
シャルとシロ、ヘリオスは庭に遊びに
こちらは厨房に移動、早速調理に取りかかる
「それで?一体何を作るんだい?」
「えっとたこ焼きっていうんですけど……この鉄板を使って作ります」
「変わった鉄板ね。こんなにたくさん窪みがあって……それにこの串みたいのも使うの?これでそのたこ焼き?っていうのをどうやって作るのかしら」
「それじゃあ実際に作ってみますね」
といっても自分でたこ焼きを作るのは実はこれが初めて。タコパなんてする相手もいなかったし……とりあえずやってみよう
まず市場で見つけたタコっぽい見た目をした軟体動物を一口大に切って茹でる。そして青ネギっぽい野菜をみじん切りにしていく
タコなんてこの世界にいるのかと諦め半分で探していたが流石首都、お祭りということもあって多種多様な海産物が置かれていた
魔法で鮮度を維持して運んできているということで若干お高めだったが、食べたいという欲求の前にはそんな事些細な問題だった
「変わった食材を使うのね……一応聞くけど食べられるやつよね?」
「大丈夫です。ちゃんと確認しましたから」
魔物は食べるけどこっちには抵抗があるのか。分からないものだな
タコっぽいのは事前に焼いて食べてみたし食感も一緒だったから大丈夫でしょう
小麦粉に卵、水を入れてよく混ぜて生地を作ったらいよいよ焼いていく
「よし、いきます!」
熱した鉄板に油を引き、穴の半分まで生地を流し込んでいく
そこへ茹でたタコ、青ネギを投入する。本当は紅ショウガも入れたいところだが、今回はこちらの世界にある食材だけで作るつもりだ
具材を入れたら再び生地を入れる。今度は鉄板から溢れるくらいまでだ
焼きながら串で溝に沿って生地を区切り、溢れた生地を中に入れながら返す
表面に焼き色がつきカリッとしたらたこ焼きの完成だ!
「これがたこ焼き?」
「いや、これは失敗です……」
途中までいい感じだったんだけど上手くひっくり返せなかった……イメージでは完璧なたこ焼きができたはずなんだけどなぁ
「本当は丸い形をしているんですけど上手くひっくり返せなかったみたいです」
「なるほど、ちょっとやってみていいかしら?」
「あ、はい」
エバはそう言うと先程の工程を一目で記憶したらしく手際よく調理を始めた
見慣れない道具のはずなのに私よりも慣れた手つきでたこ焼きをひっくり返していき、あっさりとたこ焼きを作ってしまった
「作ってみたけどこんな感じかしら?」
「凄い!初めてでこんな上手にできるなんて」
「ひっくり返す時に少しコツがいったけどね。それより食べて確認してみて」
「それじゃあいただきます」
エバが作った自家製ソースをたこ焼きに塗り一口でいく
ハフハフッと口の中で熱いたこ焼きを冷ましながらよく味わう
外はカリッとしていて中はトロッ。絶妙な焼き加減でソースとの相性は言わずもがな
中のタコも存在感を出す為に大きめに切っておいて正解だった
「どう?大丈夫だった?」
「最っ高です!もう一ついいですか!?」
「そりゃあよかった。ジャンジャン焼いていくからたくさん食べてね!」
「なんだかいい匂いがするー」
「シャルも食べてみな。たこ焼きっていうんだってさ」
それから庭で遊んでいたシャルも加わり、皆でエバが作ってくれたたこ焼きをお腹いっぱいになるまで堪能した




