散歩帰りに
シュレイドに来て一晩が明けた。今日は先日助けた商人のイブンと会う約束をしている
その前に宿で用意された朝食をいただく
「朝から豪華だなぁ。全部食べれるかな……」
この宿ではシェフが料理を振舞ってくれるようで、一番高い部屋に泊まっている私達の料理は朝から豪勢だった
焼きたてのパンと極太ソーセージに薄い生地にチーズやハム、卵などを包んだガレット
昨日食べたトウモロコシみたいな野菜を使ったであろうポタージュに朝採れ野菜のサラダ
みずみずしい果物とスムージーっぽい飲み物
シェフが作ってるというだけあってどれも美味しかったが、朝からこの量は中々多くて完食するのに一苦労した
「うぷっ……今度からもう少し控えめにしてもらおう……待ち合わせは正午って言ってたからまだ時間はあるよね。それじゃあちょっと散歩にでも行こっか」
「ワンッ」
「ピィ」
イブンとの待ち合わせは正午。それまで街を散策がてら散歩することにした
街はまだ朝ということもあり、道を行き交う人の数はまだまばらでお店の準備をしている人達が殆どだった
きっともう少ししたら多くの人で溢れ返ることになるだろう
大通りから少し外れた場所にあった公園でシロ達と遊び、一通り遊び尽くしたら、一度宿に戻ろうと帰路につこうとした
その道中で見知った後ろ姿が目に入った
「シャルちゃん?」
「え?あっ!ハルカさん!それにシロちゃん!!」
約束していた待ち合わせ時間の前にイブンの娘シャルを見つけた
シャルは荷運びを手伝っていたみたいだが、シロを見た途端荷物を置いて抱きついた
するとシャルの声を聞いた父親のイブンも馬車の積み荷の方から出てきた
「これはこれはハルカさん。こんなところでお会いするとは」
「どうも、散歩してたら偶然見つけちゃって。積み荷を下ろしてるってことはここでお店をやるんですね……ってあれ?ここ……」
イブンが積み荷を下ろしている場所、そこはつい昨日焼きそばを買ったお店だった
「ここってイブンさん達のお店だったんですね。昨日食べさせてもらいました。とても美味しかったです」
「そうでしたか。それはよかった。といっても私は食材の提供をしているだけで調理は妻に任せっきりなんですがね」
「ちなみにあのソースってどこで入手したとかって……」
「あぁ、あれは妻の手作りなんですよ。小さいですが食堂をやってまして」
「手作りですか。それは凄いですね」
ソースって手作りできたんだ。よくあそこまでの味に辿り着いたな
あのソースがあったら他にも……想像したら食べたくなってきちゃった
焼きそばの完成度も高かったしもしかしたら再現できるかも……
「どうかしましたか?」
「あのイブンさん、折り入ってお願いがあるんですが……」
「なんでも仰ってください。ハルカさんには助けてもらった恩があるんですから」
「それじゃあ……」




