高級宿
「うわぁ……凄い数の人だなぁ……」
シュレイドに到着してまず驚かされたのはその人の多さだった
大通りが人で埋め尽くされていて、それがずっと先まで続いていた
両端には出店のようなものがズラッと並んでいてどこも賑わっている
建国祭はまだ少し先だというのに周りはすでにお祭りムードだった
「外の行列を見てたからある程度予想はしてたけどここまでとはなぁ」
建国祭まではまだ一週間近くある
建国祭は3日間行われるらしいが果たしてどれだけの人になるんだろうか……
「というかこれ、泊まれる宿見つかるかな……」
首都というだけあってかなり広いし宿も相当な数があるんだろうが、これだけの人だし万が一もありそう
ベンチで寝るなんて御免だからさっさと宿を見つけてしまおう
それから手当たり次第宿を探した
しかし悪い予感が的中してしまい、どこの宿に行っても満室で入れなかった
「はぁ……全然見つからない。ネットで予約とかできたらいいのに。そんなのあるわけないか……」
このままでは本当に野宿する羽目になってしまう
どこか空いている宿はないかとの辺りを見回していると、他の宿とは明らかに作りが違う宿が目に入ってきた
「あそこも宿だよね?見るからに高そうだけど……とりあえず聞くだけ聞いてみるか」
ありふれた作りの宿とは違い、そこは店構えからして高級感漂っている
恐る恐る扉を開けると、ホテルマンのような格好をしたスーツ姿の男性が立っていた
男性はこちらを見ると、営業スマイルで声をかけてきた
「ようこそお越し下さいました。お客様ご宿泊でよろしいでしょうか?」
「あ、いえ。料金の確認をお願いしたいんですけど……」
「そうですね……」
ホテルマンの男性はそう言うと、つま先から頭のてっぺんまで品定めをするような視線送ってきた
多分大した身なりをしてないから冷やかしだと思われてるな
「当宿で一番お安いお部屋は金貨3枚程になるのですが、そちらは生憎別のお客様で埋まってしまいまして。今ですと金貨10枚のお部屋しか空いてないのですが……」
「金貨10枚ですか……分かりました。2週間分お願いします」
「そうですか……ってえ?お、お泊まりになるのですか?しかも2週間?」
「お金ならありますよ。ほらっ」
カバンから出す素振りを見せてアイテムボックスからお金を取り出す
袋の中身を見ると男性の態度はガラリと変わった
「これはこれは!ご宿泊ありがとうございます!ただちにお部屋へご案内させていただきます!ご希望であればお食事もご用意致しますがどうされますか?」
「外で食べるので朝食だけお願いしていいですか?」
「畏まりました。それではこちらへどうぞ」
軽く見られてちょっと見栄を張ってしまった……
まぁせっかくのお祭りだしたまにはこれくらい奮発してもいいよね




