首都シュレイド到着
馬車に乗って移動を続けること数日、シャルはシロと共に過ごすことですっかり元気を取り戻した
シュレイドにも段々と近づいてきて、それにつれて街道も賑やかになっていった
祭りを楽しもうとやって来た人達や周辺の警備を行っている兵士達
これだけ人がいれば盗賊が襲って来ることはもうないだろう
「建国祭、どんな感じか楽しみだなぁ」
「おい、そこの馬車。少し止まれ」
「ん?なんだ?」
先程すれ違った巡回の兵士数人が馬に乗ってこちらに近づいてきて声をかけてきた
何かあったんだろうか?
「聞きたいことがある。その……後ろに連れてる者達はなんだ?」
「あぁ、この人達はこの馬車を襲っていた盗賊です。私と私の従魔が倒しました。下着だけなのは変な気を起こさせない為です」
「そ、そうか。それにしてもこの人数を君達だけで倒したのか?」
「一応冒険者ですので。これギルドカードです」
起こったことをありのまま話しギルドカードを見せると、兵士達は納得してくれた
「事情は理解した。本来なら引き継いで連行するところだが、我々はこの持ち場から離れることができない。1人同行させるから門の警備をしている者達に声をかけてくれ」
「分かりました」
兵士1人が付き添う形で盗賊達の見張りもしてもらった
それから数時間ほど進むとようやくシュレイドが見えてきた
「うわぁ……凄い行列だ」
シュレイドまでまだ数キロはあるが、ここからでも見える位の行列が見えている
まさかあれに並ばなくちゃいけないのか……?
遊園地とかの何時間待ちの列に並ぶのが苦手な私にはきついかもしれない
「我々はあの列には並ばず直接門まで向かいます。列に並んでいる間他の人達に危害を加える可能性があるかもしれませんので」
よかった。あの列に並んでいたら数時間待ちは確実だったろう
良くない事だと思いつつも、この時だけは盗賊達に感謝した
といっても列に並ばなくてもいいのは私だけ。シャル達とはここで一旦お別れとなる
「この度は本当にありがとうございました。改めてお礼をしたいので、明日の正午中央にある噴水広場でお会いできないでしょうか?」
「お礼だなんてそんな」
「いえ、商人たるもの受けた恩はきっちりと返す。これが私の信条ですので」
「そういうことなら……では明日また」
「シロちゃんバイバイ。また明日ね」
「アウッ」
一時でもずっと一緒にいたシロと別れるのが寂しいシャルは最後にシロをギュッと抱き締める
2人と別れた後は盗賊を連れて兵士についていった
門の前に着くとついてきていた兵士が他の兵士達に経緯を説明してくれたので、こちらは盗賊を受け渡しお役目御免
簡単な手荷物検査や身分証の提示を済ませ、私達は無事に首都シュレイドの中に入ることができた




