盗賊退治
町を出て首都シュレイドへ向かったその翌日、私達は一晩野宿をした後も順調に移動を続けていた
「うーん、風が気持ちいいなぁ」
私の肩の上にいるヘリオスと共にシロの背中で風を感じながらシュレイドを目指す
街道が整備されていてシロも走りやすいのか、シュレイドには想定よりも早く着きそうだった
「ちょっと早いけどお昼にしよっか」
「バウッ!」
「ピィ!」
シロにはこの後も頑張ってもらわなくてはいけないので、普段よりも多めのご飯をあげた
青空を眺めながら皆で優雅にお昼ご飯を食べていると、それまでご飯に夢中だったシロがとつじょ顔を上げて遠くの方を見つめ始めた
「どうしたのシロ?」
「バウバウッ!」
「背中に乗れって?あっちに何かあるの?」
ご飯を中断してまでこちらに何かを伝えようとしていたので、こちらも一旦食事をやめてシロの背中に乗り移動を開始した
街道から外れた道を暫く走ると、やがて一台の馬車が見えてきた
周りには10人を越える人が馬車を囲うように立っていた
そしてその者達の手には武器が握られていた
「積み荷を寄越せ。そうすれば命までは奪わねえよ」
「わ、分かった。持っている物は全て差し出す」
「おい見てみろ。このガキ、まだ少し若いが中々悪くない見た目じゃねえか?」
「確かに。こりゃそこそこの値がつきそうですぜ」
「よし、この娘も貰っていくぞ」
「そんな!私達には何もしないって!」
「そんな事一言も言ってねぇよ。命は奪わねえと言っただけだ」
盗聴スキルで会話を盗み聞きしてみたらこれか
シロはあの人達の気配を感じ取ったみたい
しかしこんな真昼間に襲うだなんて随分と大胆だな
「シロ、あの人達を助けるから手伝って」
「ワンッ!」
対人戦はこれが初めてだが、今まで散々物と戦ってきたし鑑定でみたところこちらが圧倒的に優勢なので、恐怖は全く感じなかった
盗賊達が馬車の方に気を取られているうちにこっそりと近づき、奇襲を仕掛けた
突然襲われた盗賊達は慌てふためく。その間にシロと一緒に相手を無力化
終わってみればあっさりと盗賊達を捕らえることができた
「クソが……!」
「怪我はないですか?」
「は、はい。あなた達は……」
「私は冒険者です。それと従魔達です。シュレイドに向かう途中でこちらの従魔があなた達が襲われているのを見つけたんです」
「そうでしたか。私達は建国祭で商品を売る為にシュレイドへ向かっていたのですが
、その道中で積み荷を狙うあの者達に襲われまして……危うく娘まで奪われるところでした。本当に感謝致します」
そう言うと男は深々と頭を下げ感謝の言葉を述べてきた
建国祭で儲けようと多くの商人が貴重な品を持ってシュレイドに来るから、そこを狙ったということかな
娘さんの方はまだ震えてる……盗賊もこいつらだけとは限らないし護衛もいないとこの先不安だろう
「あの、よければ首都まで同行しましょうか?」
「こちらとしてはあなた方のようなお強い方達が一緒に来てくれれば安心ですが……しかしその……」
「ん?あぁ、お金とかは気にしないで下さい。目的地は一緒なんですし」
「なんと……ではせめて首都に着くまでの食事はこちらが用意させて下さい」
「分かりました。それじゃあよろしくお願いします」
こうして私達は商人親子と共に首都を目指すこととなった
捕まえた盗賊達は放置しておくわけにもいかず、何か隠し持ってたら面倒なのでとりあえず身ぐるみを剥いで下着姿で首都へ連れて行くことにした




