エルガルド共和国
関所を通過し無事エルガルド共和国に入国した私達は、まず国の町や村の詳細が描かれている地図を購入する為に関所から最も近い町にやってきた
何の変哲もない小さな町、のどかで落ち着いて買い物をすることができた
「よし、地図も買ったしとりあえず今日はここで一泊して明日の朝には発とうか」
「ワンッ!」
「ピィ!」
目的も済んで宿を確保し、夕食の時間まで部屋でまったりと過ごした
そして夕食の時間、先にシロ達にご飯をあげてから1人宿の食堂で食事をしているとこんな話がふと耳に入ってきた
「そういやお前は今年建国祭には行くのか?」
「いや、去年散財したせいで嫁にこっぴどく叱られてな。今年は大人しくしているつもりだ。お前んところはどうするんだ?」
「うちは子供も大きくなって長距離の移動も出来るようになったからな。家族揃って久しぶりに楽しんでくるつもりだ」
「そうかもうそんなに大きくなったか」
「建国祭?」
男性2人の会話から建国祭という言葉が聞こえて口にすると、料理を運んでいた宿の従業員が話しかけてきた
「お客さん建国祭を知らないということは違う国から来たのかい?」
「はい、今日来たばかりなんです」
「そりゃあちょうどいい時期に来たね。この国では毎年首都で建国を祝う祭が行われてね。2週間後にあるんだよ」
「へーそうなんですね」
「この日に合わせて商人が色んな国の品を持ってくるから見て回るだけでも飽きないし、屋台もたくさん並ぶから行ってみるといいよ」
お祭りかぁ。グローリスの町で花火を見た時は祭りかと思って少し期待したけど、今度は本当にお祭りがあるんだ
お祭りといったらわたあめに焼きそばにりんご飴にたこ焼き……まぁそんなのこの世界にはないか
けどどんなお祭りか興味はあるしせっかくだから行ってみるか
「シロ、ヘリオス。次に行く場所が決まったよ。そこに行けば美味しいものがたくさん食べられるかも」
「アウアウッ!」
「ピピィ!」
喜ぶシロとヘリオスを見ながら今日買ったばかりの地図を広げて首都の場所を確認する
首都シュレイド。ここから馬車で1週間以上はかかる距離にあるが、シロの足ならそう日数はかからないだろう
そういえばこの世界に転生し王都を抜け出して以降首都には足を運んでいなかったな
私が召喚された人間だなんて知ってる人いるわけがない。けど無意識に避けていたのかもしれないなぁ
まぁあれからもう随分と発つし、ましてここで私の正体を知ってる人と会うことなんてないんだからそんな心配はしなくていいか
僅かな懸念が頭を過ったが、そんな事になるはずがないとすぐさまその考えを捨てた
そして翌朝、朝食を済ませた後私達は地図を頼りに首都シュレイドを目指した




