国境越え
あれから数週間が経過した
あの後も度々ルーク達の様子を見に行ったが、ルークの母親は病気が治ってすっかり元気になり今は元の生活に戻っている
ヘリオスの方も産まれてから時が経ち大分生活に馴染んできたように見えたので、私達はグローリスの町を出ることにした
「本当にお世話になりました。大したお返しもできず……」
「いえ気にしないで下さい。お体に気をつけて。ルーク君にはお母さんしかいませんから」
「はい、ありがとうございます」
「ありがとうお姉ちゃん!元気でね!」
「バイバイ、ルーク君も元気でね」
「うん!またねお姉ちゃん!」
ルーク達に見送くられながら町を出て、国境にある関所へと向かった
徒歩なら半日はかかるであろう距離をシロの背に乗り、休憩を挟みつつ数時間ほどで辿り着いた
「見えた、あれが関所か」
高い城壁が左右へと続き、その中央には巨大な門が構えられている
アルダント王国を出た時の事を思い出し、あれからそこそこの月日が経ったなと過去を振り返りながら門へと向かう
門の前には荷馬車が何台も列を作り、兵士達が一人一人荷物等の点検を行っていた
やはり国境というだけあって警備は厳重なようだ
「シロ、ここからは歩こうか。あとこのサイズだと驚かれそうだから一応体も小さくしとこう」
「ワフッ」
シロもヘリオスも従魔契約は済んでいるし町でも騒ぎになったりはしなかったから問題はないはずだが、国境越えは初めてなので何もトラブルが起きないといいが……
前の商人らしき人が積み荷の確認を受け、それが終わると私の番がやってきた
「次、身分の分かるものは?」
「はい、ギルドカードがあります」
私はギルドカードを取り出して提示した
兵士はカードを確認すると、シロやヘリオスに視線を移した
「従魔か?」
「は、はい」
「ふむ、ギルドの登録も済んでいるようだな。それにしてもヤケに荷物が少ないように見えるが?」
「あ、それはアイテムボックスがあるので……」
「ほぉ、珍しいな。いや2等級冒険者にもなればそれくらいのスキルを持っている者もいるか。カバンの中身も得に問題はないし通っていいぞ」
シロ達の事を聞かれた時は少し緊張したが、思いの外あっさりと通してくれた
2等級冒険者ということもあって信用されたのかもしれない
そう考えたら無駄に上がった等級も役に立っているんだな
荷物の確認も簡単に済み、私達はそのまま門を潜り国境を越えた




