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町を抜け出す子供

ヘリオスが産まれてから私達は暫く町に滞在した

産まれたばかりで成長を妨げない為に環境を変えない方がいいと考えたからである



「ピィピィ!」


「はいはいご飯ね。ちょっと待ってて」



ヘリオスはとても食欲旺盛だ

好物なのは木の実みたいだが、基本はなんでも食べる雑食性

シロとの仲も良好で、よく食べよく遊んだ後はシロの背中の上に乗って一緒に寝ていたりする

従魔同士が仲良くしている姿はとても微笑ましかった


そんな生活を続けること一週間

いつものように町をブラブラ歩いていると1人の子供が目に留まった



「さて、今日は何をしようか……ん?」



その子供は周りをキョロキョロと確認しながら門の方まで行くと、門番が町に入ろうとしている馬車の積み荷を確認している隙にこっそり通り抜けてしまった

目的は分からないが、子供1人で町の外に行くのは危険だと思い連れ戻すことにした


門番に事情を話しシロに乗って追いかけると、僅か数分で追いついた



「君、なにやってるの?」


「わぁっ!?だ、だれ?」



背後から大きな犬に乗った状態で男の子に声をかけると、驚きのあまり尻もちをつかせてしまった



「ごめんごめん、怪しい人じゃないよ。ほらこれギルドカード。私ハルカ、冒険者なんだ」


「そうなんだ、ビックリした……ボクはルークだよ」


「ルーク君か、よろしくね。ところで1人で何をしようとしてたの?」


「お姉さんには関係ないよ……」



うーん、これは何か訳アリな感じがするな

このまま町に連れ戻してもまたこっそり抜け出すかもしれないし、こんな子供を放っておくことはできないよね



「もし何か困ってることがあるんだったら私も協力してあげるよ。正直にちゃんと話してくれたらね」


「……本当?」


「本当本当」



ルークは暫く悩んだ末事情を話してくれた

彼は現在母親と2人暮らし

父親は商人だったそうだが、生まれて間もない頃盗賊に襲われてそのまま帰らぬ人になってしまったのだという

以来母親と2人で暮らしているそうだが、その母親が去年病に侵され苦しんでいるらしい

病気は原因不明で治すにしてもたくさんのお金が必要、母親の知り合いのお店でお手伝いをして生活はギリギリなんとかなっているが子供1人で薬代まで稼ぐには到底不可能

だから自力で母親の病気が治る薬を作ろうと町の外に出た。という経緯だそうだ



「最近は調子が悪くなるばかりで……このままじゃお母さんが……」



そこまで言いかけるとルークはその先を口にするのを止め、涙を堪えてグッと唇を噛みしめていた

まだ10才にも満たないだろうに大変な思いをしていたんだな……



「分かった、なんとかしてみるよ」


「本当!?」


「うん、私に任せて」



協力すると言った手前ここでやっぱり無理なんて言えるわけがない

なにより子供のこんな姿を見て放っておけるほど鬼畜じゃない

とりあえずまずは母親の病状を確認してそれから対処法を考えよう




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