ミノタウロスの群れとの攻防
シロの背に乗って移動すること一時間とちょっと
私達は目的地に到着した
「お疲れ様シロ。ありがとうね」
「アウ~」
「嘘でしょ……もう着いたの?」
監視役としてついてきた女性冒険者はあまりの早さに驚きを隠せていなかった
通常1日かかる距離を1時間程度で来てしまったのだから無理もないか
山岳地帯に着いた後は気配探知を使い、ミノタウロスがいる場所へと向かう
「いた、あれがミノタウロス。大きいなぁ、それに数も結構いる」
ザッと数えて20~30はいる
オークより少し大きいくらいで、まるでボディビルダーのような筋肉をしている
それよりも気になったのは、何故か仲間同士で戦いを繰り広げていることだった
「ミノタウロス同士で戦ってる?仲間割れとかかな」
「ミノタウロスは戦闘を好む魔物で、敵がいない時はああやって常に仲間同士で戦ってるのよ。知らなかったの?」
「へー、そうなんですね」
ミノタウロスと戦う前に相手がどんな戦い方をするのか見れるのは有難い
武器は持ってないみたいだけど、あの大きな角を武器変わりとして使ってるみたい
それとあの岩をも簡単に砕く腕力、掴まれでもしたらひとたまりもなさそうだ
けど連携をとってくるタイプではなさそう
数は多いけど冷静対処すればそこまで手強い相手ではないかも
「よし、それじゃあそろそろ行きますか。準備はいいシロ」
「バウッ」
相手が到着するのはまだ大分先
それまでに倒して完全勝利してしまおう
「身体能力向上・大」
これまで使っていた身体能力向上よりも更に身体能力を上げる身体能力向上・大
今回は私の実力も見られているだろうから、シロにばかり頼らないで自分でもやれるってところを見せないと
「シャープネス」
切れ味が増す魔法を短剣に付与
これで余計な力を使わずに相手にダメージを与えることができる
準備が整ったところでミノタウロスに向かって飛び出していく
相手がまだ気づいていない段階で反対側にある崖に向かって魔法を放つ
大きな爆発音をあげることで相手の意識をそちらに向かせ、その隙に乗じて急襲を仕掛ける
「えいっ!」
「ブモオオオオ!」
切れ味が増した短剣で後ろを向いていたミノタウロスの心臓部分を一突き
「まずは1体!」
倒したミノタウロスの叫び声によって爆発音に意識が向いていた他のミノタウロスもこちらの存在に気づく
シロの方を見てみると尻尾でミノタウロス2体をまとめてなぎ払い、壁にぶつけて倒していた
「あっちはシロに任せて大丈夫そう。アースバインド!」
遠くにいたミノタウロスがこちらに向かって岩を投げてきそうだったので拘束で動きを封じ、その間に近づいてくる相手を底上げした身体能力+五感強化で対応する
「ブルルオオオ!」
「衝波掌!」
衝波掌。掌から対象に振動を送る近接スキル
角で串刺ししようとしてくる相手を華麗に躱し、衝波掌を頭部目掛けて放つことで脳を揺らし脳震盪の状態を引き起こさせる
そして動きが止まったところを短剣でとどめを刺す
「1人と従魔だけであの数のミノタウロスを圧倒してる……」
監視役の人は……特に何もしてこないか
てっきり邪魔でもしてくるのかと思ったけど心配しすぎだったかな
この調子なら全部倒すこともできそうだけど、それは禁止されているんだよね
ミノタウロスがいなくなるとこの地帯の環境が変わるかもしれないらしいから、数頭は残しておかなくちゃ
その後も私達は襲いかかってくるミノタウロスを倒していき、相手が逃げるまでひたすら戦闘を繰り広げた




