初めての依頼
「はい、これで登録は完了です。こちらがギルドカードになります」
「ありがとうございます」
エリシアが付き添ってくれたことで無事に冒険者登録が済んだ
彼女はギルド内でもやはり目を引く存在なようで、頻繁に他の冒険者達に声をかけられていた
彼女が隠れ蓑になってくれたお陰でこちらは気楽に登録を行うことができた
「これがギルドカードかぁ」
ギルドカードには等級というものがあり、スタートが5からで依頼をこなすことで等級を上げられる
基本的に一番高いランクは1等級とされているが、稀に等級の枠を越えた力のある者が現れる
そういった者は番外等級というランクを与えられるらしい
今いるこのパルシオンにはその番外等級が二人いるのだとか
そこまで本気で冒険者稼業に取り組む気がない自分にとっては雲の上のような存在である
ちなみに一定期間依頼を受けないでいると、登録が抹消されてしまうとのことなので定期的に依頼はこなさなくてはならない
登録したての者は一ヶ月以内、等級が上がる毎に期間は長くなっていくらしいので早く上げておくに越したことはない
「そういえばエリシアさんの等級はいくつなんですか?」
「私?私は今2等級よ。ほら」
エリシアが見せてきたギルドカードは銀色に輝いていた
対してこちらは鉄。放っておいたら錆びてしまいそうだ
「エリシアさんそんな強い方だったんですね」
「2等級に上がれたのはパーティの皆がいてくれたからで私だけの実力じゃないわ」
綺麗なだけでなく初対面の自分を助けてくれた上、実力もあっておまけに謙虚ときた
こんな非の打ち所がない人は見たことがない
きっといいとこのお嬢さんなんだろう
いやお嬢さんだったら冒険者なんてやってないか
「それで登録が済んだ後はここに貼り出されている依頼を受付に持っていけば依頼を受けられるわ」
「なるほど、何から何までありがとうございます。えっと私が受けれそうな依頼は……」
「5等級だったらこのあたりの依頼からこなしてみるといいわよ」
掲示板にある依頼の中からエリシアが受けれそうな依頼を見繕ってくれたので、そこから依頼を受けることに
薬草採取にドブさらい、家の掃除に迷子の猫探し
5等級が受けられる依頼はどちらかというとお手伝い的な内容の依頼が殆どだった
お金を稼ぐだけならそれでも構わないが、レベルを上げるにはやはり魔物と戦わなくてはいけない
エリシアが選んでくれた中でそういった依頼はないか探していると、一枚だけスライム討伐の依頼があった
「スライム討伐……この依頼受けてみたいです」
「スライム討伐ね。ちなみに魔物との戦闘経験は?」
「な、ないです……」
ないどころかここに来るまで一度も魔物を見たことがないです
「そう。まぁこの依頼に書かれているスライムは魔物の中でも最弱だから問題ないでしょう。私も一緒に行ってあげれば安心でしょ」
「いやそこまでしてもらうわけには……」
「言ったでしょ暇だって。それにここまできたら乗りかかった船よ」
この人はどこまで優しいんだ……段々と天使に見えてきた
2等級の人が同行してくれるのなら安心して戦うことができる
「それじゃあよろしくお願いします!」
「こちらこそ、それと敬語は不要よ。私よりもあなたの方が年上だろうし」
「そ、そう?ところでエリシアさんっていくつなの?」
「20よ」
「まさかのJD……!」
「じぇ……なに?」
自分よりもしっかりしていたからてっきり年上かと思っていた
情けない姿を見せないようできるだけ頑張ろう
スライムの討伐依頼を受付に持っていき受諾されると、ハルカとエリシアの二人は記載されている場所へと向かった




