冒険者に絡まれる
飛び級で等級が上がってから暫くが経った
あれからギルドでは私の話題で盛り上がっていたらしい
なのでほとぼりが冷めるまでギルドには顔を出さずに活動を自粛していた
そして今日久しぶりにギルドに顔を出してみたのだが、そこで問題が起きてしまった
「白い犬を連れた細身の女……お前が噂の女冒険者だな?」
「は、はぁ……」
ギルドに入った途端ガラの悪そうな人達に捕まり囲まれてしまった
声をかけてきたのは明らかに友好目的ではないのが見て取れる
もうこの時点で嫌な予感しかしない
男達はこちらを品定めするかのようにジロジロと見つめた後、失礼にも鼻でフッと笑ってきた
「ふんっ、飛び級で等級を上げた奴がいるって聞いたから一体どんな奴なのかと思ったらただのヒョロ女じゃねえか」
「こんな奴が2等級冒険者だなんて信じらんねぇな」
私もそう思います
と言おうと思ったけど、ややこしいことになりそうなのでここはひたすら黙って耐えることにしよう
「何かインチキでもしたんじゃねぇのか?」
「ギルドマスターの愛人で贔屓してもらってるんじゃねぇか?」
随分とまぁ好き放題言ってくれる
それにしてもこれまで会ってきた冒険者は皆いい人達だったから、こういう類の人達は新鮮に感じるな
っと……そんな事を考えているうちに最初に他の冒険者も集まってきてしまった
この男達の様にあからさまではないが、表情からして飛び級で上がったことを納得していない人達みたいだ
「おい、なんとか言えよ」
「いたっ……」
反応してこないことに苛立ちを覚えたのか、こちらの肩を強く押してきた
それを見て今まで大人しくしていたシロが割って入ってきて男を威嚇し始めた
「ウゥゥゥゥ……」
「なんだ?言葉も喋れないペットはお呼びじゃねえんだよ」
「ん?お、おいこいつなんか大きくなってないか?」
メタモルフォーゼで子犬の姿になっていたシロが本来の姿へと戻っていく
シロが大きくなるにつれ、冒険者達の表情も段々と強ばっていった
「グルルルルッ……!」
「な、なんだこのバカデケェ犬は!?」
そう、ハイレイスを倒した後シロは更に成長した
人よりもずっと大きくなり、今や背中に乗ることも可能なほどだ
「アウォォォォォォン!!」
「うっ……!なんだ、急に力が入らなく……」
ハウンドボイス。対象を怯ませ動きを鈍くするスキルだ
こちらを取り囲んでいた人達が一斉に膝をつく
しかしギルド内でこれは流石にまずい
急いで止めようとしたその時、私よりも早く止めに入ってきた人物が現れる
「そこまでだ」
「ギルドマスター……」
ゲルマンの登場によりその場の空気が変わる
率先してこちらに突っかかってきていた男達もギルドマスターの前では借りてきた猫のようだ
「話は受付から聞かせてもらった。ハルカの扱いに不満があるようだな」
「いや不満っつーか……」
「ふむ、納得がいかないというなら冒険者は冒険者らしいやり方では解決しようじゃないか」
「え?」
一体何をさせられるんだろうか
面倒なことにならないといいけど……




