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飛び級

「はぁ、やっと終わったぁ。疲れた……」



あの後別室に案内され、ギルドマスターのゲルマンと話をした

まず席に座ると開口一番にギルドの調査不足で危険な目に遭わせてしまった事を謝罪された

強面な人だったけど、中身は実に誠実な人だったな


けど話はそれだけでは終わらなかった

もうひとつは試験の合否について

結果からいえば試験は合格、だが昇格するのは3等級ではなく2等級

ハイレイスを倒せるような冒険者が3等級の枠には置いておけないらしい


流石にいきなり2等級になるなんてとそれとなく断ろうとしたが、2等級の冒険者になるとギルドと提携している宿や飲食店の割引サービスが受けられるとの説明を受けた

それで心が揺れてしまい、相手の圧もあって結局押し切られてしまった

4等級から飛び級で2等級に昇格。前例がないわけではないが非常に珍しいことらしい



「私が2等級の冒険者かぁ。こんなに早くエリシア達に並んじゃうとは思わなかったな」



アルテールの町で冒険者になろうとした時に凄いお世話になった先輩冒険者のエリシア達と同じ階級になってしまった

元はただのサラリーマンだった自分がそんな器だとは到底思えないが、割引には抗えなかった……

まぁ等級が上がっても気負わずにやっていこう



「シロも頑張ってくれてたし、今日は夜までゆっくり休んで昇格祝いでもしますか」



シロがいなかったら無限に湧いてくるレイスを相手にするのに精一杯できっとハイレイスには勝てなかっただろう

普段は元気が有り余っているのに、帰ってきたらすぐ寝ちゃったしよっぽど疲れたんだろうな

私も疲れたから早く宿に戻ってひと眠りしよう


ギルドから帰ってきた後、ベッドに飛び込むと泥のように眠った

目が覚めたのはその日の夕方で、先に起きていたシロと共に予定通り昇級祝いと称して従魔も入れるお店にやってきた



「テラス席だから広くていいねぇ。へー、従魔用のメニューとかもあるんだ。シロ、どれが食べたい?今日は好きなものたくさん食べていいよ」


「アゥー……」



宿に帰った後ずっと寝てたから今日はまだ食事を摂っていなくてお互いお腹ペコペコ

レイスのローブ、特にハイレイスのローブは高く買い取ってもらったから値段は気にせず好きなだけ頼むぞ

シロと一緒にメニューを見ながら食べたいものを注文し料理がやってくるのを待つ

するとそこに前を通りかかったケイン達がこちらに気づき声をかけてきた



「おぉ、ハルカじゃないか」


「皆さん、こんばんは。先日貰ったオーク肉凄く美味しかったです」


「そりゃあよかった。あっ、それより聞いたぞ。ハイレイスを倒したんだって?」


「え?どうして知ってるんですか?」


「どうしてもなにもギルドではその話で持ち切りだぞ」


「2等級まで一気に上がったんでしょ?凄いじゃない」


「あ、ありがとうございます……」



まだ一日も経っていないのにハイレイスの事や2等級に昇級した事がもう広まってる。個人情報が筒抜けだ……



「だが等級を上げるとそれに難癖をつけてくる奴等もいるから気をつけるんだぞ」


「ありがとうございます。気をつけます」



まぁこんな小娘にいきなり自分の等級を越えられたらよく思わない人達も出てくるよね

落ち着くまではあまりギルドに顔を出さないでおこう




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