オーク肉で作るトンカツ
「さて、今日はどんな依頼を受けようかなぁ」
冒険者ギルドにやってきていつものように手頃な依頼がないか探す
するとそこに先日助けたケイル達のパーティが現れ声をかけてきた
「やぁハルカ」
「ケイルさん、おはようございます。皆さんも今から依頼ですか?」
「いや、俺達は今依頼から帰ってきたところなんだ。少し遠出をしててな」
「あなたがハルカさんですか。先日はどうも。盾役を務めているジャニスです」
「初めまして。調子の方はもう大丈夫なんですか?」
「お陰様でこの通りです」
この前気を失っていて話すことができなかったジャニスに挨拶を済ませるとケインが続けて話す
「そうだ、この前の礼って程じゃないがいい肉を手に入れたんだ。ハルカと従魔で食べてくれ」
「いいんですか?ありがとうございます」
うちにはたくさん食べるシロがいるからきっと喜ぶだろう
一体どんな肉だろう。仲間のドランが鞄の中から布に包まれた大きな塊肉を出してきた
「どうだ?中々いい肉だろう」
「確かに美味しそうなお肉ですね。これは何のお肉ですか?」
「オークの肉だ」
「えっ」
ケインの口からオークと出てきて伸ばしていた手が止まる
以前戦った時の姿が脳裏を過ぎった
「ん?もしかしてオーク肉は苦手だったか?」
「あ、いえ苦手というわけじゃ。食べたことがないので……」
「そうか、オーク肉は美味いぞぉ。酒にも合うしな」
「あ、ありがとうございます。シロと一緒に頂きますね」
せっかく厚意でくれるというものを無下に断ることもできない
肉を受け取った後、依頼から帰ってきたケイン達とはそこで別れ私とシロは依頼を受け夕方には町に戻ってきた
今朝オークの肉を見ていたシロはもうオーク肉を食べる気満々。誤魔化すことはできなかった
「さて、この肉をどう調理するか……シロの分は普通に焼くとして私のはなるべくオーク肉って分からない料理がいいな」
オーク肉の見た目は豚肉そのもの
ならあれを作ってみるか
用意するのは油、パン粉、小麦粉に卵
まずはオーク肉の塊を少し厚めに切り、筋のあるところを切ってから叩いて塩コショウを振る
次に卵と小麦粉を混ぜてバッター液を作り、油を熱する
その間に豚肉に小麦粉を振り、バッター液、パン粉の順に衣をつける
油の準備が出来たら投入し揚げていく
「はい、これはシロの分ね」
「ワンッ!」
焼いただけのシンプルなオーク肉をシロは美味しそうに食べていた
シロにご飯をあげている間にきつね色に揚がったオーク肉を油から取り出し、油を切って同じ幅の大きさに切ったらトンカツ……いやオークカツの完成だ
「見た目はまんまトンカツ。問題は味の方だけど……よしっ!」
ソースをかけて口元へと運んでいく
これは豚肉これは豚肉……そう思いながら覚悟を決めて一口食べる
「ゴクッ……お、美味しい!肉の脂がこんなに甘く感じるなんて。ザクザクの香ばしい衣と柔らかい肉の旨味の相性が抜群!そしてここに……」
ケインがお酒と合うと言っていたので、ルルイエで買ったお酒を一気に流し込む
「ぷはぁっ!あー美味しい~。これは止まらなくなるやつだー」
カツお酒カツの無限ループ
気づけばオーク肉に対しての抵抗はすっかり無くなっていた
やっぱりなんでも食べてみないと分からないものだな
シロも気に入ったみたいだしまた食べたいな




