従魔は伝説の魔物でした
ヘイベルの町に来て一泊した次の日、私は町の図書館へとやってきた
昨日シロを鑑定した時に表示されたエンシェントウルフという種族の事を調べる為だ
「シロ、ちゃんと大人しくしてるかなぁ」
シロを図書館に連れてくることは流石にできないので宿で留守番をさせている
連れて行ってくれないと分かるとふて寝してたから帰ったら何か美味しいものでも作ってあげるか
「あっ、あった。エンシェントウルフの生態書……って薄くない?ペラペラなんだけど」
見つけたはいいが僅か数ページしかない。中身も大した事は書かれておらず、本というにはあまりにも稚拙なものだった
エンシェントウルフはその名の通り古代より存在する伝説級の魔物
数が非常に少なく、人前に現れることが滅多にない為これまで数匹しか生存が確認されたことがないらしい
繁殖能力が低い代わりに寿命は長く数千年単位
疾風の如く大地を駆け、猛る咆哮は天から雷を降らすと言われている
書かれていることは以上その他幼体のことなどは記されていなかった
もっと他に本はないかと職員の人に聞いてみたが、エンシェントウルフについて書かれている本はこれだけとのことだった
「分かったのはシロが凄い魔物だってことだけか。でもどうして親といなかったんだろう。そういう習性とかなのかな?」
それだけ希少な魔物ならこれから先成長して大きくなったら凄い目立ちそうだな
そもそも町に入れるだろうか……まぁ従魔であることをちゃんと説明すればなんとかなるかな
いずれ背中とかにも乗せてもらえるかも。ちょっと楽しみだ
少しだけだがシロのことを知ることができたので図書館を出て、宿で待っているシロを迎えに行くことに
部屋の扉を開けると足音で帰ってきたことに気がついたのか、シロは尻尾を振って出迎えてくれた
「ワンワンッ!」
「ただいま、いい子にお留守番できてたね。お土産買ってきたよ」
大人しく待っていたシロのお土産として途中お店で焼き鳥っぽい串焼きを買っておいた
シロが食べられるよう味付けなしで焼いてもらったので安心だ
串から外しお皿に盛ってあげるとシロは美味しそうに食べてくれた
こうしてみると伝説級の魔物になんてとても見えない
でも戦闘は凄く強いしそういうところはちゃんと伝説の魔物の血を引いてるんだな
「ん?シロ、ちょっと大きくなった?」
「アウ?」
「昨日まではそんな変わってなかったような……気のせいかな?」
そんな急には成長しないだろうし、調べた後だからそんな風に見えているのかもしれない
その時はそう思い気にすることはなかった




