初めての従魔
「はぁはぁ……ここまで来ればもう大丈夫かな」
子犬に別れた後ずっと走りっぱなしで町に帰ってきた
これだけ離れた場所に来れば追ってはこないはず
念の為後ろを確認してみた
「ワンッ!」
「い、いるー!」
いないと思っていた子犬は目の前でおすわりして尻尾を振っていた
走るのに必死でここまでずっと追ってきたことに全く気づかなかった
「ついてきちゃったのかー……君親とかはいないの?」
「ワンッ!」
「ワンッ!って言われても……困ったなぁ」
傷を治して餌をあげたことですっかり懐かれてしまったようだ
このまま無視しても絶対町までついてくるに違いない
お互いの為にあそこで別れた方がいいと思っていたのに決心が揺らいでしまう……
よし……中途半端に関わってしまった責任もあるし、ここに放置する位な最後まで面倒を見ようじゃないか
「分かった。君も一緒に来ていいよ」
「ワンワンッ!」
「ただし!私についてくるなら一つだけ約束して。絶対他の人を傷つけたりしちゃダメ!分かった?」
「ワフッ」
自信満々に頷いてるけど本当に大丈夫だろうか……
そうだ、異世界の生き物を従えるのにうってつけの魔法があるじゃないか
「痛くないと思うけどジッとしててね。"従魔契約"」
主従関係を結ぶ契約魔法。発動すると子犬の額に従魔の証である紋様が浮かび上がった
ぶっつけ本番で使ってみたけど上手くいってよかった。これで何かあった時強制的に動きを封じることができる
「そうだ、従魔になったんだったら名前をつけないと」
さてなんてつけようか。ポチ?わたあめ?
ペットなんて飼ったことないし名前をつけるなんて経験ないから難しいな
よし、こうなったら見た目でパッと思いついたのを名前にしよう
「んー……シロ。シロなんてどう?」
「ワフゥ?」
「シロ、君の名前」
「ワンッ!」
白い毛だからシロ
安直だしめちゃくちゃ無難な名前だけど気に入ってくれたみたいだからいいか
こちらとしても覚えてやすいし
「よしっ、それじゃあ行こっかシロ」
「ワンッ!」
名付けも終わりシロと共に町の中に入り、ギルドで依頼の報告を済ませ宿へと向かった
「さぁ、まずはその汚れた体を綺麗にしようね。ジッとしててね」
「ゥゥゥゥ……」
ペット用のシャンプーを使い汚れた体を綺麗にしていく
体を洗われるのがあまり好きではないのか、洗われている間はひたすら我慢していた
泡をよく洗い流した後はタオルで体をよく拭き、風と火の魔法で乾かしていく
「おぉ!サラサラで凄い綺麗になった!」
「ワフン」
シャンプー中は不満気な顔をしていたが満更でもなさそうだし、今後も定期的に洗ってあげるとしよう
夕飯を食べた後シロは眠ってしまった
傷は治ってもやはり疲れはあったみたいだ
私も疲れたので、一緒のベッドに入り眠りについた




