子犬の介抱
森の中で拾った傷だらけの子犬の傷を治し目が覚めるのを待った
呼吸は落ち着いているのでもうそろそろ起きるはず
それにしても土で汚れてるけど綺麗な毛並みしてるなぁ
洗ってあげたら真っ白でわたあめみたいになりそう
触ってみたいけど起こしちゃうかな
そんな事を考えながら子犬の様子を見守っていると、子犬の意識が戻り目がゆっくりと開いた
「あっ起きた。大丈夫?」
「グルルル……!」
目が覚めた瞬間知らない人間がいたからか、子犬は威嚇してきた
「落ち着いて。私はあなたの敵じゃないよ。傷だらけで危険な状態だったから助けたの。って言っても言葉が通じるわけないか……」
どうにかしてこちらに敵意がないことを身振り手振りで伝えようとした
すると威嚇していた子犬の様子が変わった
自分の体を隅々まで確認し、傷が回復していると分かると威嚇を止め大人しくなったのだ
「もしかして言葉が分かるの?」
「ワンッ!」
こちらが問いかけるとそれに答えるように吠えた
魔物かどうかはさておき、無闇矢鱈に襲ってこないところを見るに他の生き物より知能が高いことは間違いないだろう
「頭がいいんだね。痛いところとかはない?」
「ワンッ!」
しっかり治っているか聞くと、今度は元気に走り回る姿を見せてくれた。可愛い
走り回っていると今度は子犬のお腹が鳴った
どうやらお腹を空かせているようだ
「お腹が空いてるの?ドッグフードとか食べるのかな……」
変なものはあげてお腹を壊しでもしたら元も子もないので、とりあえず無難なドッグフードをあげてみることにした
子犬は見慣れない食べ物を目の前にして暫く匂いを嗅いだりして様子を窺っていた
そして一口食べると気に入ったのか、ガツガツと勢いよく食べ始めた
「いい食べっぷり。よっぽどお腹が空いてたんだねぇ」
子犬はその後も追加してあげたドッグフードも綺麗に平らげ、お腹が膨れ満足した様子だった
「満足した?」
「ワフゥ……」
怪我も治してお腹も満たしてあげた
これ以上私にできることはない
本当は連れて帰ってあげたいところだけど、町の中に入れて何かあったら責任が取れない
残念だがこれ以上はお互いの為によくない
「それじゃあ私はそろそろ帰らなくちゃいけないからここでお別れだね。また襲われたりしないよう気をつけるんだよ」
「クゥン?」
「うっ……それじゃあバイバイ!」
そゆなつぶらな瞳で見られたらせっかく固めた決心が揺らいでしまうじゃないか……
長居してたらまずい。そう思い子犬に別れを告げた後は振り返ることなく町まで一直線で帰還した




