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ガラス細工師

翌日、お礼をしてくれるというギールの家を訪ねた



「教えてもらったギールさんの家って確かこっちだったよね」



道順を思い出しながら道なりに進んでいく

暫く歩いて行くと、突き当たりにギールの店という看板が掲げられているのが見えた

窓越しに中の様子を窺うと、中には綺麗なガラス細工が置かれていた



「ギールさんってガラス細工のお店やってたんだ」


「おう、来たか。開いてるぞ!」


「どうも、お邪魔します」



中を覗いていると分厚い革エプロンを付けたギールが出てくる

手には鉄の棒を持っていて汗だくだった



「ギールさんガラス職人だったんですね」


「あぁ、もの作りが好きというのもあるが酒を美味く飲むには注ぐ器も拘らないといけないからな」



ドワーフというだけあって手先が器用なのか、食器だけでなく装飾品なども置かれていた



「それでハルカよ、お前さんには礼として好きなものを作ってやろうと思うんじゃが何か希望はあるかの?」


「そうですねー」



これは渡りに船。昨夜考えていた計画にギールも協力してくれれば容器の問題は解決できる

自分で作ろうと思えば具現化できるかもしれないが、こちらの世界のものを使った方が自然だろう



「それじゃあお願いしたいものがあるんですけど、ちょっと紙に描きますね。えーっと確か……こんな感じの透明な瓶を作って欲しいんですけどできますか?」


「どれどれ。うむ、これくらいならどうということはないぞ」


「本当ですか。それでこれを50本ほど作って欲しいんですけど……流石にその量をタダで作ってもらうのは申し訳ないのでお金は払わせてもらいます」


「なぁにそれ位気にすんな。お前さんにもらったあの招待券の価値に比べたら安いもんだ」


「あれってそんなに価値があるんですか」


「少なくともワシにとってはな」



化粧品を入れる容器として買っていた瓶でも1本銀貨1枚近くはした

それを50本無償で作ってくれるというのだからよっぽどあの券を貰えたのが嬉しかったようだ



「完成にはどれくらいかかりそうですか?」


「数日もあればできるぞ」


「ではその頃にはなったら取りに来ますね」



瓶の方をギールに任せることができれば、私はその瓶に入れる中身の方に注力できる

お店をあとにした私は昨日書き出した材料のメモを取り出した

必要なのは果物に砂糖、それから香り付け用のスパイス

子供でも飲みやすく、それでいて特別感のある味にしたい

露店を見て回りながらイメージを膨らませていき、材料を購入した後は宿に戻り試行錯誤を重ねていった




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