織物の町
「うわぁ、大きな町だなぁ」
アルテールの町から二日程馬車で移動したところにあるコーラルという町にやって来た
アルテールよりも大きな町で、たくさんの人で賑わっていた
「とりあえず宿を探して、その後はブラブラ観光しながらギルドに行ってよさそうな依頼がないか見てみるかな」
宿を確保した後は少し町を見て回った
コーラルでは織物が盛んらしく、服だけでなく敷物やバッグなど様々な品が売られていた
「どれも凝ってるなぁ。あっ、この服可愛い……げっ、一着で金貨3枚もするんだ」
「当たり前だ。この服にはシルクワームの糸を使ってるんだからな」
「シルクワーム……それって魔物ですか?」
「あぁ、近くにある森に生息しててな。そいつが吐き出す糸は上質で服にしたから着心地抜群なんだぜ」
「なるほど……」
ワームということは幼虫とかそっち系の魔物だろうか
正直虫系の魔物はできるだけ相手にしたくはないが、あのシルクワームの糸を使った服はかなり魅力的。パジャマとかに使えば気持ちよく寝れそうだ
そういえば魔物を狩った時の素材って買い取ってもらう以外に自分用として貰ってもいいんだろうか?
「問題ありませんよ」
疑問に思いギルドへ行って受付の人に聞いてみると簡単に許可が下りた
ただし討伐するにも条件はしっかりとあった
「ただシルクワームの糸は人気で皆さんがこぞって討伐に行かれるので、お一人2体までの討伐制限を設けています。糸はコーラルの特産品とも言える品です。討伐される際はそちらの方を必ず守るようお願いします」
「なるほど、分かりました」
魔物だから全部倒してもまた湧いてくるんだろうけど、一気に乱獲してしまったら繁殖が追いつかなくなり糸の収穫量が減ってしまう
そうすると町で商売してる人達の生活にも影響が出る
そのあたりのルールは世界が変わっても同じみたいだ
生活を脅かす魔物もいれば逆に生活の要となっている魔物もいる
魔物だからといってなんでもかんでも倒せばいいというものじゃないんだな
「2体だけでも服数着は作れるみたいだし十分足りるな。せっかく織物が盛んな町に来たんだから手に入れておきたいよね」
金貨3枚は手が届かないけど、素材を持っていけば多少は値引きしてくれるはず
アルテールで節約生活をしてたし服を買うのは王都で買った時以来。少しヨレてきたしこの機会に買っておこう
「よーし、それじゃあ早速明日糸を取りにいこう!」
この時はやる気に満ちていたが、翌日シルクワームの姿を目の当たりして狩ろうとしたことを心底後悔した




