姫様同行
シャルとの約束にロゼリスも加わることとなり、私達は準備をして再び街に出た
「はぁ……どうしてこんなことに」
「食べ放題なんて始めてだから楽しみねぇ」
こっちはそれどころじゃないというのに、ロゼリスは人の気も知らずに楽し気にしている
「それじゃあ約束をしている子を迎えに行ってからレストランに向かわせていただきますね」
「ちょっと、その喋り方やめてよ。父上がいないんだから普通に喋りなさい」
「そう言われましても……」
こちらとしてもこの堅苦しい喋り方はやめたい
が、私達の数歩後ろにはロゼリスの護衛役としてヨハンも同行している
王女様と知ってしまった以上変な真似はできない
ロゼリスの言葉を受け、判断を委ねる為にヨハンの方に視線向けるとヨハンはその視線を察知、すぐさまその意味を理解してくれた
「ローゼ……いや、ロゼリス様がいいと言うのなら私が口を挟むことはない。この場限りではだが」
「だって」
「それならなら……分かったよ。それじゃあついてきて」
ヨハンからも許可が下り、普段通りの喋り方でロゼリスと会話を交わした
道中の露店の誘惑に堪えながらシャルの自宅へと向かう
家が見えて来ると、玄関先には既にシャルが待機していた
「ハルカさん!」
「シャルちゃん、待たせちゃってごめんね」
「いえ、さっきちょうど着替えが終わったところです。それよりもハルカさん、そちらの方達は?」
「あーえっとこの人達は……」
説明しようとするとロゼリスが割って入ってくる
「初めまして、私はロゼリス。ハルカのご主人様みたいなものよ。よろしく」
「ご主人様?」
「気にしないで、今のはジョークみたいなものだから。今日知り合ったんだけどさ、この子も一緒に行きたいって言ってるんだけど大丈夫かな?あっ後ろの人はヨハンさんって言ってあの子の付き添い」
「そうなんですか。私は構いませんよ」
「ありがとう。じゃあ私も着替えるからそれがおわったら行こっか」
シャルの許しも得ることができ、ドレスに着替えて早速レストランへと向かう
レストランがある場所は中心街の中でも一等地にあった
入口の前にはガードマンが2人ほど立っており、その人達に招待券を見せるとすんなりと入ることができた
ただしそれは招待券に記載されている4人まで。案の定ロゼリスはガードマンに止められてさしまった
「招待券をお持ちでない?」
「そうね、けど私もそこの人達と同じ食べ放題というのにしてほしいの。勿論料金はきちんと払うわよ」
「申し訳ございません。食べ放題のコースはこちらの招待券をお持ちの方限定になっております。それと当店は予約制となっておりますので……」
ガードマンがそこまで言いかけたところでヨハンが近づいていき、何やら耳打ちでゴニョゴニョと話し始め、ポケットから何かを取り出しガードマンに見せた
するとガードマンの顔色が途端に青ざめ、1人が慌てて中に入っていったと思ったら支配人らしき人を連れてきた
「先程は部下が大変失礼しました。どうぞお入り下さい」
「悪いわね」
支配人はロゼリス達に対してペコペコしながらレストランへ入ることを許した
ここまで謙るなんて一体何を見せられたんだろう……




