姫様のわがまま
ロゼリスの登場により目の前に座っている人物がこの国の王様であることを知る
衝撃の事実を突きつけられたことで先程まで普通に話せていたはずが、萎縮してしまい言葉が詰まってしまう
「ま、まさか王様だったなんて……えっと……」
「ここは非公式の場だから礼儀や言葉遣いに気にすることはない。私もその方が気が楽だからな」
「は、はぁ……」
そうは言われても周りに人がいる状態で先程までのように話せるわけがない
さっきの使用人の態度が急変したのはこれが理由だったんだな
けどもう話すことは話したしもう帰ってもいいだろう
「それじゃあ話せることは話しましたので私はそろそろ失礼して……」
「え?なによもう帰るの?」
「まぁ……経緯は陛下にお話ししたので」
「待ちたまえ。まだ謝礼の話をしていないではないか」
「いえいえ!謝礼なんていりません!そこまでのことはしていませんから!それにこの後約束がありまして……」
「約束?」
「えと、知り合いの子と食事の約束を……レストランの食べ放題券を手に入れたので」
あとで嘘ついたとか言われないよう正直に話したが、王族相手に食べ放題の話をするのはなんか恥ずかしいな……
「食べ放題ってなに?」
「好きな料理を好きなだけ注文して食べていいんです」
「へー楽しそうね。それなら私も一緒に行こうかな」
「えっ!?」
しまった。ロゼリスが突拍子もないことを言ったものだから思わず大きな声を上げてしまった
周りの視線がこちらに集中し、ロゼリスはムッとした表情になる
「何よ、私と一緒は嫌だっていうの?」
「いやそういうわけでは……ほら、今日会ったばかりの相手に王女様を任せるわけにはいかないじゃないですか。陛下もお許しにならないでしょうし……」
「ヨハン、あなたも同行しなさい。それならいいでしょ父上」
「ヨハン、お主も共に行け」
「承知致しました」
「えっと……あぁそうだ!招待券は4人までになってまして、私の従魔と約束をしている子で埋まってしまって……なので大変申し訳ないのですが……」
「それくらいどうとでもなるでしょ。お金だって払うし」
「えーっと……」
「ハルカよ、娘のわがままを聞いてはくれないだろうか」
「うっ……」
王様にまでお願いされては断ることなんてできるはずがない
これ以上断る理由も思いつかず、首を縦に振るしかなかった
「わ、分かりました……」
「決まりね!それじゃあ早速支度しなくちゃ」
どうしてこうなってしまったのか……シャルになんて説明しよう……




