城内
ロゼリスの家……もといお城にやって来て事情を説明する為に城内へと案内された
お城に入るのはアルダント王国で召喚された時以来。あの時は召喚されて間もなかったので気にする余裕がなかったが、やはり屋敷等と比べたら別次元の空間だった
「うわぁ……通路広っ、天井高いなぁ……」
磨き上げられた石造りの綺麗な床、天井に施された精巧な彫刻、壁際には絵画や甲冑などが飾られていた
廊下を行き交う人達、使用人でさえも気品に溢れていて思わず感嘆の声が漏れた
普通に生きていたらまずお目にかかれないであろう光景を目に焼き付けながらロゼリス達についていく
長い通路を暫く進むと扉の前で数名の使用人が待機していた
「ローゼリア様、陛下にお会いする前に一度お召し物を取り替えましょう」
「別にこのままでもいいでしょ」
「なりません、そんな格好で陛下にお会いするのは失礼です」
「めんどくさ……ハルカ、あとはそこのヨハンに案内してもらって」
「う、うん。分かった」
言い合っても無駄だと理解しているのか、ロゼリスは嫌そうな顔をしながらも金髪の男性ヨハンの言う通りにして使用人と共に部屋へと消えていった
ヨハンと2人きりになってしまい気まずい雰囲気が流れる
その沈黙に耐えることができずこちらから話しかけた
「あの、今更ですけどシロ……従魔達も一緒でよかったんでしょうか?」
「ん?あぁ、問題ない。城内にも従魔を連れて歩いている者がいるからな」
「そうですか。えっと、ヨハンさんはロゼリス……じゃなくてローゼリア様との付き合いは長いんですか?王女様に対しても結構グイグイいってる感じでしたので」
「私はローゼリア様の幼少期から世話係として仕えている」
「そうなんですね。じゃあ今日みたいなことがよくあったり……」
「あぁ……ローゼリア様は幼い頃からお転婆でな。よく世話を焼かされたものだ」
うん、今日出会ったばかりだが容易に想像できるな
「いい加減落ち着いてほしいものだが……って今そんな話はいい。ほら、着いたぞ。入りたまえ」
ヨハンに案内されて入るとそこは応接室のような場所
席に座るよう促されたので言う通りにし、約束の時間に間に合わせる為説明をしようとした
「あの……」
「準備が出来るまでこの部屋で暫く待っていてくれ」
「えっ、あのぉ……」
ヨハンこちらの説明を聞く前に部屋を出て行ってしまった
そしてヨハンと代わるように使用人が部屋に入ってきた
「失礼します。よろしければこちらを召し上がりながらお待ち下さい。紅茶もお淹れしますね」
「ど、どうも」
焼き菓子はサクほろっ、紅茶の上品な香りと爽やか味わいを堪能しつつヨハンが戻ってくるのを待つ
準備と言っていたが、話を聞くだけなのになんの準備がいるんだろうか?
まぁここまで来て勝手に帰ることもできないし、気長に待つしかないか




