ロゼリスの家
追ってくる相手を撒いた後、喉を潤す為にカフェへとやってきて一息ついた
それからロゼリスの要望で大道芸人のパフォーマンスを見たりして残りの時間を過ごすことに
そうしているうちに気づけば日も傾いてきて約束の時間が迫ってきていた
「ねぇ、次はどこに行く?」
「うーん、私そろそろ約束の時間だから行かないといけないんだよね」
「あっ、もうそんな時間なのか……」
「ごめんね、約束は覚えてるよね」
「はぁー……分かってるわよ。帰ればいいでしょ帰れば」
帰らなくてはいけないと分かるとロゼリスは大きなため息をついたが、嫌々ながらも了承してくれた
「それで?ロゼリスの家はどこにあるの?」
「あっちよ」
「オッケー。それじゃあ家の前まで一緒に行くよ」
「別に1人で帰れるわよ」
「まぁまぁ、最後まで面倒見させてよ」
帰りの道中で何かあったら困るし、ちゃんと家の前まで送った方がこっちも安心する
ロゼリスが指を差した方角は中心街の方
ここ首都シュレイドは中心街に行けば行くほど位の高い人が住んでいるらしい
ロゼリスもそのうちの一人だろうからそこまで驚くことはなかった
ただまっすぐ帰るだけというのも味気が無かったので、途中お店に寄ってお土産を買いながら自宅へと向かった
中心街へ近づくにつれ、道を歩いている層も身分の高そうな人達に変わってくる
それに合わせて出店も高級志向になっていった
「あっ、あっちに美味しそうなお肉を焼いてるお店があるよ。あれもお土産に買ってく?」
「いいわ、あんなの帰ればいくらでも食べられるもの」
普通の人なら飛びつきそうなものだが全く興味がない様子
ロゼリスにとってはわたあめとかの方がいいみたいだ
中心街エリアまで来てロゼリスの家にもそろそろ着くかと思ったが、ロゼリスの足は止まることなく中心街の更に奥へと進んで行った
一体どこまで行くのかと思いながら暫くついていくと、ようやくロゼリスの足が止まった
「ここよ、ここが私の家」
「え、ここ……?」
ロゼリスに連れて来られたのは中心街のど真ん中に建つお城の門前
からかっているのと思ったがロゼリスは至って真面目な様子
屋敷位のサイズだろうと想像はしていたが、こちらの想像を優に超えていた
「まさかロゼリスって……」
「ローゼリア様!」
ロゼリスに尋ねようとしたら声が聞こえてきたので門の方を見ると、金髪で長髪の男性がこちらに走って向かってきていた
「ローゼリア様……どこへ行かれていたのですか」
「別にどこでもいいでしょ」
「陛下達もご心配されていましたよ。早くお顔を見せて安心させてあげて下さい」
陛下……ということはロゼリスってこの国の王女様ってこと?
ロゼリスも偽名だったんだ。そりゃあんな場所で本名を名乗るわけないか
王女だったことには驚かされたけど、とりあえずこれで役目は果たしたしさっさとここから離れよう
2人が話しているうちにそっとその場から立ち去ろうとする
だが途中で男性に気づかれ呼び止められてしまう
「待て。そこの者、ローゼリア様をここまで連れて来てくれたようだな。少し話を聞かせてもらおうか」
「話、ですか?けど私この後約束が……」
「断るという選択肢はないと思うんだがね」
あ、圧が凄い……これは断ったら絶対面倒事になるに違いない
「ちょっと!ハルカ達は私の護衛をしてくれていたのよ!丁重に扱いなさい!」
「し、失礼しました。ハルカ殿も失礼した。話を聞かせてもらえないだろうか」
「分かりました。あまり時間がかからないのでしたら」
護衛は大袈裟だったが、ロゼリスのお陰で穏便に済みそうだ
しかしまさかお城の中に入るとは思わなかったけど……シャルとの約束もあるし早く終わるといいな




