お祭りを堪能する
「ねえハルカ!次はあれが食べたい!」
「はいはい」
わたあめを買ってあげて以降、ロゼリスは遠慮なくこちらにたかるようになった
気になるものを片っ端から購入していてお祭りを堪能していた
「ロゼリスってお祭りに参加するのは初めて?」
「そうよ、これまでは遠くから見るだけだったの。だから初めて参加できて今すっごく楽しい!」
「そうなんだ」
この街に住んでてお祭りに参加するのは初めて……お店の品を買う時もいちいち安さに驚いていたし、やっぱりいいところのお嬢さんとかなのかな
「そんなことより次のお店に行きましょ。次はハルカのオススメのお店に行ってみたいわ」
「私のオススメかぁ。となったらやっぱりあそこかな」
いって私もこのお祭りは初参加。オススメできる場所と言われたらひとつしかない
私達はロゼリスを連れて、ここに来てから何度も通った道を進みたこ焼き屋にやってきた
「あらハルカちゃん、今日も来てくれたのかい」
「こんにちはエバさん。お店の方は相変わらず盛況のようですね」
「お陰様でね。あら?そっちの子は?」
「さっき知り合った子です。ここのたこ焼きを食べさせてあげたくて連れて来ました」
今日は手伝いだと言っていたシャルはどうやら追加の買い出しに行っているみたいだ
エバにロゼリスを紹介すると、エバは少し顔をしかめた後ロゼリスに声をかけた
「んー……お嬢ちゃんどこかで会ったことあったかい?」
「き、気のせいでしょ」
「そうかい?シャルの友達と勘違いしたのかもしれないね。待っててね、今焼いてあげるから」
自分の気のせいだと言うとエバは私達の為にたこ焼きを焼き始めてくれた
そして完成したたこ焼きを初めて見たロゼリスは訝しげな顔をしていた
「な、なにこの食べ物……初めて見た」
「たこ焼き。熱いから気をつけてね」
「こんな食べ物本当に美味しいの……?」
「美味しいよー。騙されたと思って食べてみてよ」
こちらが強く勧めるとロゼリスは恐る恐るたこ焼きを口にした
口に入れて暫くハフハフした後飲み込むと、最初の表情がまるで嘘だったかのように目を輝かせていた
「なにこれ!凄く美味しい!こんな料理初めて食べた!」
「気に入ってくれたみたいでよかった」
たこ焼きを気に入ってくれたロゼリスはその後おかわりまでしていて、美味しそうに食べるその姿を見てエバも喜んでいた
「はぁ……美味しかった。たこ焼きもだけど街には素敵な物がたくさん売ってるのね」
「楽しめてるならよかった。次はどこ行きたい?」
「流石にもうお腹はいっぱいだからなにか芸や劇をやってるところに行きたいわ」
「そうだなぁ……そういえばあっちの方で大道芸人みたいな人がいたかも」
「ならそこに行くわよ」
ロゼリスの要望を叶える為次なる目的地へと足を向ける
しかしそこで先程撒いたはずの例の連中を発見してしまう
「うわ、撒いたと思ったのに……」
「なに?」
まだこちらには気づいていない様子
ロゼリスを1人にするわけにもいかないし気づかれる前に離れるとしよう
ロゼリスの手を引き向かっていた方とは逆の方向へ歩き出す
だがいきなり反対方向へと歩き出したハルカをロゼリスは声を上げて引き止めた
「ちょっと!どうしてそっちに行くのよ!大道芸人はあっちにいるんでしょ!」
「しー!声が大きいよ!」
突然の大声に慌てていると声に反応した相手と目が合ってしまう
こうなったらまた撒くしかない
「ごめん!少し鬼ごっこに付き合って!」
「は?鬼ごっこ?なんで急に……ってちょっ!?」
ロゼリスの言葉を遮るように抱きかかえ、身体能力を向上させて尾行を撒こうと人混みの中を抜けていった




