少女の付き添い
謎の少女を落ち着く場所に連れて行き、飲み物を渡して座らせた
まだ半泣き状態の少女は飲み物を口にすると少し落ち着いたようなので、あの場に1人でいた理由を聞いてみることにした
「とりあえずあなたの名前から教えてもらっていいかな私はハルカ。こっちは従魔のシロとヘリオスね」
「……ロ、ロゼリス」
「それじゃあロゼリス、あなたはあそこで何をしてたの?誰かと一緒に来てるの?」
「私1人だけ……」
「ここの街の人?自分の家はどこか分かる?」
「分かる……けど帰りたくない」
あの高慢な態度、それに着ている服も高そうなの着てるし身分が高い子なのかもしれない
そうと仮定して護衛もつけず1人でいる理由……せっかくのお祭りなのに外に出ることを許されず、連日続くつまらないパーティばかりで我慢できなくて屋敷から抜け出した。といったところだろうか
まぁ流石にそれは妄想が過ぎるか
警備の人の元まで送る……って言ったら嫌がりそうだなぁ
けどまた1人にしておくのも良くないだろうし、自分の家の場所が分かるなら付き合ってあげるか
「じゃあ一緒にお祭り見て回る?」
「いいの?」
「その代わり夕方になったらちゃんと自分家に帰ること。それが条件」
「うっ……」
「嫌ならここでお別れということで……」
「わ、分かった!分かったわよ!それでいいから1人にしないで!」
「それじゃあ約束ね」
ロゼリスと指切りをし、夕方まで共にお祭りを見て回ることとなった
約束を交わした途端、こちらが逃げないと分かったロゼリスは最初の頃の調子に戻った
「ふ、ふんっ!仕方がないから一緒にいてあげるわ。感謝しなさいよね!」
「変わり身が早いなぁ……」
ツンデレ……というには少し生意気な気もするが、いちいち相手にしていたら疲れるのでスルーしよう
ロゼリスを加えてのお祭りを回ることになったので、シャルが勧めてくれたお店は一旦後回しにしてロゼリスの希望を聞くことにした
「ロゼリスは何か食べたいものとか見たいのものはある?」
「あるわ。雲みたいに白くてふわふわしたのが食べたい」
「白くてふわふわ?こんなの?」
「そうそうこんな感じでもふもふな……って違うわよ!私のは食べ物!」
「冗談だよ。雲みたいに白くてふわふわした食べ物っていったら……やっぱりあれかな?」
ロゼリスが言っている特徴を元にお店を探す
暫く探しているとロゼリスの言っていた雲のように白くてふわふわな食べ物、わたあめが売っているお店を見つけた
「ロゼリスが言っていたのってあれでしょ?」
「そう!あれよ!あれが食べたかったの!」
お店を見つけるとロゼリスはお店へ飛んで行き早速わたあめを買おうとした
しかし少しするとわたあめを持たずにとぼとぼと戻ってきた
「どうしたの?」
「持ってたお金どこかに落とした……」
「あらま」
わたあめが買えなかったロゼリスはあからさまに落ち込んでいた
そこまで食べたかったのなら買ってあげるか
「はい」
「えっ、いいの?」
「せっかくのお祭りなのに楽しめないんじゃ勿体ないからね」
「あ、ありがと……」
ちゃんとお礼は言えるんだな。嬉しそうに買いに行った
自分のわたあめが作られている様をまじまじと眺め、出来上がると満面の笑みで戻ってきた
元の世界でも見たことがあるようなカラフルなわたあめを口にすると、ロゼリスは恍惚の表情を浮かべていた
「甘くておいしい……あの値段でこんな美味しいものが食べられるなんて」
「よかったね」
生意気な子だけど、こうして見たら年相応で可愛いらしいな
わたあめくらいでここまで喜んでくれるなら買ってあげてよかった




