迷子の少女
「ありがとうございましたー」
「ふぅ……疲れた。何着も試着勧められて大変だった。でも思ったより安かったな。シャルちゃんに教えてもらってよかった。とにかくこれでドレス選びは終わったし夕方まではお祭りを楽しもう」
レストランで着るドレスを購入し、予定通り最終日のお祭りを見て回ることに
お祭りの方もシャルに教えてもらったお店があるので、まずはそちらから行ってみようと足を運ぶ
人混みに流されないよう注意しながら進んでいく。するとその人混みの流れの中で1人立ち尽くしている女の子がいるのを見つけた
赤髪でつり目、まだ幼さが残っている感じを見たところ中学生くらいで14、5才といったところか
オロオロと周りを見渡している。迷子にでもなってしまったんだろうか?
あのくらいの歳の子なら1人でもなんとかできるかもしれないが、困っているようだし声をかけてみることにした
「大丈夫?誰かとはぐれた?」
「ピッ!?」
少女に声をかけるとヘリオスみたいな声を上げ、驚いた顔で肩をビクつかせる
ゆっくりとこちらに顔を向ける少女はもの凄い警戒していた
「な、なによアンタ!」
「あ、いや。なんだか困ってそうだったから声をかけたんだけど……」
「ちょ、ちょっと探し物をしていただけよ!余計なお世話!あっちいって!」
「えぇ~……?」
見た目通り……といったら失礼になるけど気の強そうな子だな
女の子1人だったし心配で声をかけただけなんだけど怒られちゃった
これ以上ここに長居したらもっと怒られそうだし勘違いだったならさっさとここから退散しよう
「邪魔しちゃったみたいだね。ごめんね、それじゃあ」
「ちょっと待ちなさい!」
「え、な、なに?」
立ち去ろうとすると少女に服を引っ張られ呼び止められた
あっちに行けって言われたから去ろうとしたのに今度は呼び止めてくるなんて何がしたいんだ……
「私を1人にするなんてどういうつもりよ!」
「はい!?いやだって今あっち行ってって……」
「気が変わったのよ!特別に一緒にいることを許可してあげてもいいわよ!」
「な、なんだこの子……」
先に声をかけたのがこちらとはいえ流石に失礼すぎじゃないだろうか?
まるで自分の言うことはなんでも聞いてもらえると信じて疑っていないようだ
こういうのは相手にしないでさっさとこの場を離れよう
「ちょっとどこに行くつもりよ!勝手にどっか行くなんて許さないわよ!」
「私はあなたの召使いでもなんでもないから従う義理はありません。さようなら」
そう言って今度こそその場を去ろうとするが、またしても服を掴まれる
流石にしつこいので今度はキツめに言おうと振り向くと、少女はボロボロと涙を流していた
「おねがい……見捨てないで……」
「ガチ泣き!?」
偉そうにしてると思ったら今度は号泣。情緒どうなってるんだ……
うっ周りの視線がこちらに……まるで私が泣かしたみたいじゃないか
「捨てないでー!」
「あー!もう分かったよ!助けて欲しかったら最初からそう言えばいいのに」
「グスッ……」
泣きじゃくる少女をあやしながら面倒な子に声をかけてしまったと後悔しながら、私達一先ず落ち着ける場所へ移動した




