色気より食い気
用意された食事はどれも豪勢で見た事のないものばかりだった
全てシロ達が食べても問題ないものだということなのでお皿を持って料理を取りに行く
「あ、これ美味しそう。これもこれも……食べたいものが多すぎて一回じゃ取りきれないなぁ。シロはどれが食べたい?」
「ワフッ」
「オッケーこの骨付き肉ね。ヘリオスは?」
「ピィ!」
「ヘリオスもシロと同じの食べるの?こっちにフルーツの盛り合わせとかあるけど?骨付きは食べづらくない?」
「ピピィ!チュピピピィ!」
多分だけどシロみたいに強くなりたいから同じものを食べたいらしい
お皿に骨付き肉を山盛りにしてテーブルに戻る
「それじゃあいただきまー……」
運んできた料理を口にしようとしていると、それをジッと見つめる猫がいた
ヘリオスが初戦で戦ったヴァンキャットだ
その子だけでない。パーティに参加している様々な従魔がシロに近づいてきた
「はじめましてー。隣いいですか?」
「あ、はい」
「シロ君の活躍見てました!会場でお見かけした時から是非お話を伺いたいと思っていたんです」
「話ですか?」
「あの、俺はそちらのヘリオス殿に興味があるのですがお話を聞かせてもらっても?」
流石皆従魔といるだけあって他の従魔が気になって仕方がないみたいだ
とはいえシロやヘリオスの種族を明かすわけにはいかないので適当に話を合わせておこう
せっかく持ってきた食事を口にする暇もなくあれやこれやと質問の嵐に答える
ふとシロの方を見ると他の従魔に囲まれていた
「凄いねシロ、モテモテじゃん」
「ハグッハグッ!」
「色気より食い気か……」
シロにとってはモテるよりも食べることの方がよっぽど重要なようだ
そんな事を考えていると今度はサラサラな毛並みで顔立ちが整った綺麗な子がシロに近づいてきた
シロと見た目が似ていたので鑑定してみたところ、グレーターウルフと表示された
「クゥン」
甘えるような声と上目遣いでシロを誘惑しようとしている
きっとあれで数多の相手を籠絡してきた猛者に違いない……多分
しかしシロは見向きもせず骨付き肉を骨ごとバリバリと食べていた
それを見てグレーターウルフの子はわざわざシロの目の前まで来て今度はポーズを決めだした
それでもシロは一瞬視線を向けただけでまたすぐ食事に戻ってしまった
自分の魅了が悉く効かなかったグレーターウルフの子はショックを受けてその場で呆然と立ち尽くしていた
「シロちゃんなら私の子とかどうですか?きっと相性もいいと思うんです」
「ヘリオス殿にはうちの子を是非!」
こっちはこっちで自分達の従魔をくっつけようとしてくるし
はぁ、早く料理食べたい……




