ソレはちっともウレシクない抱擁デ
足止め役は何も物品だけとは限らナい。
瓶が飛び木箱が飛び土埃が飛ぶ。そして男共が駆けてくる。
そんなのは全部が全部想定内だったけど。
まだ子供っぽい「半獣人」の子まで蹴っ飛ばしてこちらへ
同様に飛ばしてくるとは思ワなかったわ。
こんな所で異世界あるあるを目撃ならびに体験する羽目に
なるだなんて、誰が思おうカ。
「ハーフ」とは云えその子も「獣人」枠。そりゃ確かに
頑丈さに関してはニンゲン族に比べりゃ高い方だろうけど、
彼らにとっても「子供」枠である事には代わりは無い筈ダ。
それなのに。ボールはナントカなノリで吹っ飛ばすだなんて
「異物」に対してどれだけ容赦が無イのかが窺い知る事が出来る。
そして蹴飛ばされる方ももはや仕打ちに慣れ切ってるのか、
悲鳴すら上げる気配が無い。そればかりか身体を丸めて頭を抱えて
着地に備えた体制を取っている。犬尻尾はクッション代わりにする
にはちょっと短すぎる気もスルけれど。
ひゅー。ボテッ。コロコロコロ。マルマジロ・・・もとい
センザンコウとかな獣人だったらちょっと殺傷力高めそうな砲丸
になりそうだけど毛玉系なので当たらなければどうって事は無い。
飛ばされる前に何か云われてたのだろう。ボテッと前倒れに
体制を崩しつつ横をすり抜けようとした私の足に向かって両腕を
伸ばして縋り付く様に纏わりついて来た。
うげっ!?ちょっ。放してっば!?何とか右足は纏わり付きから
逃れられたけど、結構オモいね君っ!?いやマテ女の子カナ?
性別気にしてる暇すら無いけど離せーーっ!!!!追いつかれちゃうっ!!
このままじゃアンタも一緒に殺られちゃうかも知れないんだってば!!
まさかの伏兵ですが、ある意味この子も使い捨ての罠程度の感覚で、
「でかした!」と褒められたとしても碌な手当ては貰えない模様。
捕り物中(語弊アり)に迷い込んで命拾いしただけマシかもね。




