第五章 真相吐露⑫
次の日、学校に登校した美紀に、僕は永井の話を全て伝えた。美紀は、最初は信じられないといった様子だったが、僕の真剣な表情と、途中から話に加わった永井自身の言葉に、とりあえず理解はしてくれたようだった。
美紀の前に、美幸さんはもういない。それを理屈で説明されたときの悔しさや悲しみは、僕にも痛いほど分かる。けど、美紀の目は、確かに光を灯していて、それは涙で目が潤んでいたとか、そういうことではなくて、確かに前を向いて、全てを受け入れたような、力強い表情だった。
美紀は、やっぱり強い人なのだと、僕は思う。強くて優しくて、でも意地っ張りなところもあって、だから、少しだけ弱さも抱えた、強い人なのだと、僕は思うのだ。
二学期の期末テストが終わった日、時田は永井に告白をした。永井は、時田に頭を下げて断った。「私には好きな人がいます」と、言ったのだという。時田はその日の夜、僕にメールをしてきた。
「告白したけど、ダメだった。永井さん、好きな人がいるんだって……。僕、知らなかったよ。遠野くん、永井さんが好きな人って、誰なのか知ってる?」
胃が軋むような思いのなか、僕は「そっか。残念だったね。永井の好きな人は、知らないかな。でも、ちゃんと想いを伝えられてよかったじゃないか」と返信をした。
時田からは「そうだね、ありがとう」と返信が来た。このメールを最後に、時田と話すことも、なくなった。
天気雨、狐の嫁入りには、婚礼のための提灯とするということに加えて、もう一つ別の意味がある。狐の葬式として、死者の出る予兆としている、というものだった。




