第五章 真相吐露②
土曜日、美紀との買い物を終えて帰宅してから、空気は一気に冷えこんできていた。お昼を過ぎても気温は上がらず、天気予報では二月上旬並みの寒さだと伝えていた。
夜寝る前も寒さでなかなか寝付けず、僕は布団にくるまり体を丸めてなんとか眠りについた。朝方も凍えるように寒かった。タイムループ前のマラソン大会当日は、初冬にしては珍しく秋はじめのような暖かさだったはずなのに、タイムループ後の、この世界では、まるで美幸さんを殺すためかのように、日曜日の気温は急激に低下した。
日曜日は一日中、美紀のそばにいることにした。夜には身内だけで通夜を行った。次の日の月曜日は、僕も美紀も学校を休んで、一般の弔問を受けての通夜となった。火曜日には葬儀、告別式、そして火葬を行った。
この間、僕はずっと美紀のそばにいた。美紀は黙ったまま涙を流しつづけていた。ただ呆然と、美幸さんが亡くなったことが信じられないように、でも、理解はできているように、瞳から涙が止まることはなかった。
僕たちは、過去を変えることができなかった。何もできないまま、何か別の力が働いて、過去を変えないようにしているんじゃないかとも思えてしまう。
だって、おかしいじゃないか。美幸さんが亡くなったのは、マラソン大会に出たからで、それで走っているときに心筋梗塞を起こして……。それなのに、それなのに。




