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第四章 告白、告白、告白……⑯

 最初に二年一組の教室に向かった。誰もいなかった。屋上へと走った。そこにもいなかった。昇降口へ降りた。下駄箱を覗くと、永井の靴も常盤くんの靴もなかった。

 靴を履き替えて学校を出た。巡川駅へと向かい、さくら台駅で降りた。永井の家へ向かった。

 インターホンを鳴らす。永井の母親が出てきた。「どちら様?」と尋ねられて、タイムループ前の世界では、まだ永井の両親とは会っていないことに気づいて、「文芸部の遠野と申します。永井は、遥花さんは、いらっしゃいますか?」と息を継ぎ、はあはあと喘ぎながら尋ねた。

「いえ、まだ戻ってきていませんけど……」

「ありがとうございます!」

 永井のお母さんに頭を下げて、再び駆け出した。探す当てもなかったから、ひたすらに走った。走っている途中で、ケータイで永井に電話をかけようかと考えたが、リュックを部室に置いてきてしまったことに気づいた。ケータイは、リュックのポケットの中に入っている。

 近くの公園を探した。本屋を探した。がむしゃらに走っていると、再びさくら台駅に戻ってしまった。

 立ち止まって、膝に手をついた。息が苦しい。身体が、びきびきと悲鳴を上げる。

 永井に伝えなければならなかった。今までごめん、と。無視していた理由を話そうとしても、きっと、神様に邪魔をされてしまうのだろう。だから、伝えよう。永井に伝えよう。いや、誓おう。何があっても、僕が永井を守りぬくと。

 本当は、時田が永井に告白をしたあと、僕は文芸部をやめるつもりでいた。もっと前にやめようと思っていたのだが、どうしても、永井の笑っている顔をそばで見ていたかった。ちょっとした僕のわがままだったのだが、それも今ではどうでもいい。

 僕はもう逃げたりはしない。

 再び駆け出して、さくら台駅から巡川駅へと向かった。巡川駅を降りて、リュックを取りに学校へと戻った。

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