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終末世界で竹を斬る! ~TAKEKIRI:Assault Demon~  作者: 緑ノ妖精Ⅲ
一章巨大樹の下で

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六話よよいのよい♪︎


『『『タケノコタケノコニョッキッキ~♪︎』』』


 雲の遥か上、竹精霊たちが歌や踊りを楽しんでいる。


「「「タケノコタケノコニョッキッキ~♪︎」」」


 その隣で人間たちも同じように楽しんでいる。


「タケノコタケノコニョッキッキ~♪︎」


 俺も……




「はっ……」


 アサルトは数年ぶりに目を覚ました。というのも数年寝ていなかったからなのだが……


 ここは……巨大樹の中か。今のはなんだったんだろうか?


 アサルトは鬼生で初めて夢を見た。夢という存在自体を知らなかったのだ。


「しゅしゅしゅ」


 人間がなにか言っている。しかし入れ歯がないからわからないな。


 まあ、なんでもいいか。


 さて、体も治ったことだし竹精霊を斬りに行くか。


 体はすでに治っていたが、予備で仮眠を取ったアサルトは硬竹を持って部屋を出た。




「あっ! 鬼さんこんばんは」


 階段を下っていると後ろから美琴が走ってきた。


「こんばんは? とはなんだ?」


「挨拶だよ? 知らないの?」


「知らないな」


「まあ、鬼さんだもんね」


 美琴は鬼だからと頷いた。おはようは知っていたが、夜に人と会うことがなかったため知らなかったのだ。


「それで鬼さんはどこに行くの?」


「竹(精霊)を斬りに」


「今から? さすが鬼さん、変わってるね」


「そうか? それで人間はどこに行くんだ?」


「人間じゃなくて私のことは美琴って呼んで」


「わかった。それで美琴はどこに行くんだ?」


「お祈りだよ。鬼さんも見に来る?」


「なんなんだそれは?」


 お祈りの意味がわからないアサルトは美琴についていくことにした。




 二人は巨大樹の外へ繋がる橋から、さらに階段を下り水に浸かる島にやってきた。歩くたびにちゃぷちゃぷと水面が跳ねる。


「飲み水として使っているのでは? 足をつけて大丈夫なのか?」


「うん、大丈夫だよ。巨大樹の神様が全部キレイにしてくれるから」


「そうなのか……?」


 アサルトは道中にお祈りのことは聞いていた。巨大樹の神様がよくわからなかったがそういう存在がいることは理解している。


「いらないものは全部ここに捨ててるの」


「それは本当に大丈夫なのか?」


「そこまで聞かれるとちょっと自信ない……」


「そうなのか……」


「でも、みんな生きてるし大丈夫なんじゃない?」


「それもそうだな」


「それじゃあお祈り始めるね」


 その一言で空気が変わった。


「守りたまへ、清めたまへ、かしこみこしこみ~」


 お祈りの言葉を言い終えると美琴は踊り始めた。


「よよいのよい♪︎」


 盆踊りである。


 しかしアサルトは圧倒された。


 美琴の踊りはとても丁寧で、指先まで滑らかな動きをしていた。その踊りの美しさに感服した。里長がここにいたならブラボーと言ったことだろう。


「どうだった?」


「……別人だった」


「それって褒めてるの、褒めてないの?」


「褒めてる」


「もう、鬼さんっ!」


 照れる美琴はアサルトの胸をバシバシと叩く。そして美琴はあることに気づいた。


「なかなかな筋肉で……」


 美琴はアサルトの胸をさわさわする。


「なにをしているんだ?」


「っ! ごめんなさい、つい……」


 顔を赤くした美琴は両手を合わせてすりすりさせている。


「大丈夫か?」


「うん、大丈夫。大丈夫だからもう行っていいよ。ちょっとおしっこしたくなったから」


 美琴は足をもじもじさせている。


「おしっこ? それも見せてくれないか?」


「ええーーー!?」


 それは美琴の踊りをもう一度見たいアサルトからのとんでもない要求であった。


「鬼さんにそんな趣味が……」


「趣味? というかおしっことはなんだ? お祈りとはなにが違うんだ?」


「えっ……もしかして知らないの? って知らないの!?」


 美琴の驚き二段階活用だった。


「えっと、おしっこってのは──」


「小便のことか」


「そっちはわかるんだ」


「二つも呼び方があるなんて、人間って変だな」


「私からすると鬼さんのほうが変だよ? でも鬼さんのこと、いっぱい知れたしいっか」


「知りたかったのか?」


「ま、まあ」


 美琴は指を絡ませる。


「でもなんで私たちこんな話しをしてたんだろう」


「小便するのではなかったのか?」


「あっ、忘れてた」


 美琴はおもしろいな。


「ではな」


「鬼さんいってらっしゃい」


 美琴はアサルトに手を振った。


 手を振るのはやはり別れを意味しているのか。


 ずっと手を振ることの意味を考えていたアサルトは美琴に手を振り返すことにした。


「ちゃんと帰ってきてねーー!」


 竹精霊がいなくなるまで斬ろうとしたが、ある程度したら帰ってくるか。


「わかった、帰ってくる」


 アサルトに帰る場所ができたのだった。






「鬼さん……食事……忘れてるよ!」


 美琴が息を切らしながらアサルトを追いかけてきた。


「竹を食べるから問題ない」


「えっ!? 竹食べられるの!?」


「鬼だからな」


「さすが鬼さん……」


「というか早くないか?」


 アサルトがゆっくり歩いていたとはいえ、ここは橋の上だ。


「マッハで出してきた」


 美琴はサムズアップをした。


「そうなのか……」


「それより鬼さん、人間の食事体験してみない?」


「そういえば人間はなにを食べるんだ? 竹以外に食べものはないのではないか?」


「さあさあ、それは見てからのお楽しみ」


 美琴はアサルトの背中を押す。


「美琴、手が湿ってないか?」


「そ、それは……気のせいじゃないですか~?」

よよいのよい♪︎

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