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㉙かつての禍いの再来(side:教師)

ルナたちが勉強会をしている最中、学園の教師たちそして来賓としてきていた各国の王族たちは目に見えて狼狽していた。


「学園長、これは一体どういうことなのですか?!」

「狂魔石の発見はたびたびあれど、狂魔となるのはこの190年以上なかったはずだ」

「それもこのフォルトゥーナ学園で、ですよ。どう対処なさるおつもりですか?」

「マスコミはすでにこのことを嗅ぎつけ、明日にはこのことについて話を聞きたいと」


学園長、学園長。

有象無象の人が対処できずに200年以上生きているカティアに助けを求める。

そんなことは知らないと突き飛ばすことができればなんとも楽だろう。

カティアは誰にも悟られずに鼻で笑う。

しかし、この程度で挫けるカティアではない。


「ウィリデ先生、狂魔石は今はどこに?」

「ここにあるぞ」


ウィリデはあくびをかいており、緊張感のない様子で小さな穴の空いた丸い小石を見せる。

それをみた途端、この場の誰もが困惑した表情を浮かべた。


「ウィリデ先生、ふざけているのか?このサイズでの狂魔石では狂魔はできないはずだ」


そう、こんなに小さい狂魔石で狂魔化させるにはもっと多く、少なくとも後5、6個はいる。


「実際、これ以外は狂魔石の気配はなかった。魔石でもないただの模様のある石。疑うなら、自分の目で確かめるか?」


ウィリデは小さな小袋を懐から出して中身をテーブルに広げる。

ウィリデの言う通り、狂魔石のような禍々しい気配もなければ、魔石のような魔力も感じない。

この場の誰もが本当にそこら辺に落ちているただの石としか思えなかった。


「これをどこで手に入れたのか問いただしてみたところ、3番街の居酒屋付近で酒に酔っていたところに願いを叶えるブレスレットと言われ、フードを被った女に渡されたそうだ」

「何か特徴は言っていた?」

「自白剤も盛ったが、まるでその部分だけ霧がかかったように不透明で覚えていないそうだ」


アレクの言葉に全員が押し黙る。

この程度の情報では何も対策のしようがない。

フードの女など、冒険者のような旅人をしていたりすると見かけることが多い。


「警備の強化をしよう。警備人数は2人1組に加えパトロールの範囲を広める。各国でも怪しい人物を見かければ、すぐに通達ができるようお願いします」

「そうですね。それが現状できる1番の策と言えるでしょう。わかりました。我ら霊族も協力させていただきます」

「魔族も同意します」

「こちらもだ」


各種族の王が手を挙げカティアの案に同意した。

教師たちも納得いく行かないがあったが、カティアの出した策以外が出るわけではなかったので、渋々納得したため、この話は警備の強化をするということで幕を閉じた。


教師や王たちが学園長室を出ていき、その場には部屋主のカティアと狂魔石の回収をしたアレクとウィリデのみとなった。


「カティア、彼女の封印は解かれていないんだよな?」

「うん、さっき確認した。解放どころか、綻び一つなかった」

「厄災ではないとすると、それに近い何かがいるということか。面倒だ」

「だよね〜」


3人は更なる問題が積み重なったことに疲労感を覚えた。

アレクはふと、狂魔に最後の一撃を加えた時を思い出す。

狂魔が急にもがきはじめ、我武者羅に暴れ出したのだ。まるで、人が魔力を吸われたように。


あれは一体なんだったのだろうか。

アレクは答えの返ってこない質問を心の中で投げかけた。

小話

カティア「それはそれとして。アレク先生、まーた、備品を壊したね?」

アレク「……故意に壊しているわけではない」

カティア「お黙り!たとえ故意であろうとなかろうと、金がかかってるのよ!今年は学園の利益が減るかもしれないのに!!約束通り、弁償して!!」

アレク「それはいいが、ソーディアのでいいか?」

ソーディア…高級木刀店である。1本銀貨5枚はくだらない。

※銀貨1枚およそ1万円だと考えてください

カティア「普通のでお願い、誰も使わなくなる」

アレク「そうか?俺はよく使う」

カティア「金銭感覚が狂ってる」

ウィリデ「それはもとからだ」

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