表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/19

④ 学園長・カティア

学園に着くと、目に映るのが竜と剣を持った青年が背を合わせ合うように彫られた像。

これはかの有名な勇者と魔王を模したもので共に戦う仲間だということを表しているらしい。

実際、協力関係だったため、このような像は珍しくはない。ただ、入ってすぐの中央を占領しているのはとても目を引いたからだ。

単に、今まで見た中で一番大きかったのもある。


「失礼します」


学園長室と書かれた看板がある扉を叩く。


「はーい」


幼い子供のような明るい声が返事を返した。

ルナとアストは中へ入る。

大きなショーケースの中にはたくさんの賞状やトロフィーが飾られている。

中には、ニュースで報道されたものまであった。

その部屋の中心の椅子に座る、

少女、いや、幼女がいた。

彼女こそ、この学園の設立者であり学園長である。カティア・クレア。


「まずは、入学おめでとう」

「「ありがとうございます」」


祝いの言葉を述べられ、戸惑いながらもそろって礼を述べた。


「君たちをひと足先に学園に呼んだのは、君たちが今期の入学試験で主席を取ったから、入学式の祝辞を読んで欲しいの。

本来なら、合格通知と共にお願いしたかったけど、君たちは多額の寄付…ん゛っ

君たちはいなかったから、なくなく引き下がったけど」


カティアが寄付金と言いかけ、慌ててわざとらしく咳き込み言い換えた。


この見た目で、寄付金がどうのこうのと言われるとすごく違和感。


二人は確かに合格通知と共にとある知人の名を借りて学園に寄付した。

事前に学園については調べていた二人は、学園長は守銭奴ということを知った。

ならば、大金を積めば何も言わないのでは?と考えた行動だ。

しかし、知っていても、実際に見るとしっくりこない。


この学園、大丈夫かな?

これから送る学園生活に一抹の不安がよぎるのは仕方のないことだろう。


「もちろん、断ってくれても構わないよ。

けど、理由が欲しいかな」


幼い少女が何かを諦めたように笑う。


「こっちも、なりふり構っていられなくなったから」


本当に何があったのだろう。

低く小さく消え入るようにつぶやかれた言葉に二人はそこまでに至った経緯を知りたい。


「うれしいお誘いですが、予定通り私たちは辞退させていただきます」

「理由は?」

「私たちが、寄付した上で辞退したということを考えていただければ自ずと」


喧嘩腰になってしまったが、祝辞を国の王族や貴族、大企業の社長などが見守るなかで喋るよりはましだというのが二人の総意だ。


「わかった。無理に頼んでごめんね。入学式まで島を観光しておいで、私のおすすめは学園付近のカレー屋さんだよ」


意外にも、カティアはすぐに引き下がった。

ルナとアストはこんなにあっさりと引き下がるとは思わず、驚いた。互いの顔を見合わせ、席を立つ。


「失礼しました」


二人は、学園長室を出ていった。


二人が退出した扉の音を聞いた後。


「こっちでも、独自に調べさせてもらうから」


カティアはいくら守銭奴だとしても、可能な限りの安全を守る義務がある。


「見た感じ、害を加える気はなさそうなんだよね〜」


だからこそ、尻尾が掴みにくい。

しかし、彼女たちのクラスは、あそこだろうな。

カティアの机の上にはアストとルナの入学試験の結果が置かれている。

それは、かつて見たことのないでたらめな数字だった。

やっと、入学式にいける。


面白い、次の話が読みたいと思ってくださったのなら、ブックマークや評価をしていただけると嬉しいです。

この作品、ハイファンタジーかローファンタジーか判らないのですが、どちらなのでしょうか?

一応、独自の解釈や現実にない神話などが存在する、現実世界とは別の世界ということなので、ハイファンタジーにしているのですが、違ったらすみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ