㉓兄は妹のデレを受け舞い上がり、妹はそんな兄が鬱陶しい
午前の部、つまり生徒の部は終わり、午後の本日の目玉である教師たちのトーナメント戦の準備中。
昼休み、ルナはアストに揶揄われ続けた。
「いっつも、ボクに当たりの強かったルナが、ボクのことを大切な存在だって認識してくれてたんだな」
かれこれ10分間は同じ言葉を聞いた気がする。
初めは、まあいいかと許していたルナの堪忍袋もそろそろ羞恥心ではち切れそうだ。
幸いなのはこの場が学園にいくつかある許可をもらえないと入れない場所であるため、ルナとアストの2人だけだったことだ。
ルナが抱き抱えた件については気にしない、むしろアストにとってはまたとない経験でもあった。
それよりも、アストをきちんと兄として認めて、大切な存在であることをたとえ、お題であったとしても主張してくれたことの方が、よっぽど重要なのだ。
「兄さんは大切な兄だもの」
だからいっぱい研究に付き合ってくれるでしょう。
次第に鬱陶しさを感じたルナは普段の愛想笑いに黒を加えたような、悪意の一切見せない笑顔を向ける。
周囲の気温が低くなったようで、ルナを真正面から見ていたアストは顔を青くさせていた。
「すみません。調子に乗りました」
「今度、買い物に付き合って」
「はい、なんなりと」
妹に脅しに弱い兄は一瞬で負けを認め、土下座を決め込んだ。
妹、怒らせれば天罰が降る。
「それで、何かあったの?」
ルナは持って来た弁当を広げているが、アストはたまごサンドを食べている。
アストは弁当を用意しなかったわけではなく、早く食べられるパンの方が好きなので、昼時はいつもこれを食べている。
アストが作れば劇物ができるため、絶対に台所には立たせない、絶対。
閑話休題、ルナの言葉を聞き、アストはキョトンと首を傾げた。
「ルナに頑張ったなって言いに来ただけだが?」
あっけからんと言ったアストはルナの頭を撫でる。
アストの言葉を処理できないまま、急に頭を撫でられたルナはそのまま微動だにしなくなった。
「…なにそれ…けど、ありがとう」
カタコトになってしまっているが、ルナの顔は少し赤かった。
今日は珍しいものばかり見るなとアストは嬉しそうに目を細めるルナを眺めながら役得と考えた。
はい、タイトルふざけました。
けど実際、10分はうざい。
実際、アストはシスコン、ルナはツンデレ。
質問ください。
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加筆修正したものは活動報告にて報告しています。




