㉒ 体育祭第一弾-7
ルナに渡ったバトンは、周りがすでにお題を引いている状態だった。
その周囲もその暗号の難しさから、阿鼻叫喚、未だ誰1人としてゴールしていない。
「なんだよこれ、難しすぎる!」
※お題 マナ・シェイカーとツーショット写真。
「誰かー、アレク先生の寝顔の写真を持っている人はいませんか?」
※アレクは写真を撮らせないことで有名。
ウィリデでさえ起きている写真でさえ指で数えられるほどしか撮れてない。
「これは?どう読めばいいんだ?」
※古代語で歴史書の写しをカティアからもらう。
そんな結構な無理難題をかけられているお題の数々の中、ルナは余った紙の中から1枚を手に取った。
中身は暗号を解いて、答えに導かれた古代語を読む。
古代語に関しては考古学や歴史学が趣味でない限り読むことは難しいことだろう。
な、なんでこんなのをよりにもよって引くのよ!
その難読文字も暗号もルナはあっけなく解いた。
ルナは読めたにも関わらず、あまりのお題にそれを持っていこうか迷っているため、動けないのである。
「ルナが固まっちゃったよ!」
「ど、どんなお題だったのかな?」
「3年生の先輩方でさえ、至難の業らしい」
パトリックの言葉にルナがんばれ!と0組は応援する。
ルナはハッとして、まっすぐ観客席に行く。
アストの目の前に立つ。
「どうした?ルナぁ?」
ルナは無言でアストの肩と膝下に手を回し、いわゆるお姫様抱っこをしたのだ。
観客席の一部から黄色い悲鳴が湧き上がった。
妹が兄を抱っこするという状態なのだが、ルナは軽々とアストを抱き抱えながらゴールを目指し走った。
急なことでアストは驚きを隠せなかった。
そのため、ルナが走っている間ずっと抵抗もせず、大人しく揺られていた。
「1番最初にお題を持って来たのはなんと0組!
では、お題がなんだったのかお答えください!」
「い、1番大切なもの、です。これは双子の兄です」
ルナはアストと目線を合わせないよう答える。
だが、アストの服の端を握り締めているのである。
ルナの言葉を聞いて、アストの口角が上がった。
「合格サインが出ました!1年生にして、古代文字を読むことができるとは、その理由を聞いても?」
「本はなんでも好きですから」
不貞腐れた顔が一気に引き締まり、いつもの愛想笑いを振りまきながら答えた。
「なるほど、読書家ですね。
では、これにてタイムアップ。時間により競技を終了します!ゴールしたのは0組のみです!
この後は昼休憩を挟み、本日の大目玉、各学年、クラスの担任副担任による2体2のトーナメントマッチを行います!」
司会の言葉にぞろぞろと会場内にいた人は退場していき、ルナたちも会場を後にした。
ルナは直接的な行動で示すことになるとツンデレが発動します。特に家族に関して。
体育祭第一弾、午前の部が終わりました。
次の活躍はアレクとウィリデ。
その前に、昼休憩の様子を見ましょう!




