㉑ 体育祭第一弾-6
少し前に戻ります。
ルナの心情です。
ルナはナイトメアに先回りされているのを次の走者待ちの場から見ていた。
兄が悪夢にかかるのは想定内だったが、問題は戻り方だ。
やらかさないと良いけど。
ルナはアストが意外と雑なところを知っている。
魔力を放出するだけでいいのだが、面倒とクセで少し強めの魔術を放つだろう。
「さあ、続々とバトンが走者へと渡されていきます。しかし、ナイトメアが次々と襲う!このままではタイムアップで失格となります!さあ、どう乗り切る?!」
しばらくすると、一人が目を覚ました。
「ナイトメアの術中を破り、先に目を覚ましたのは3組だ!これはなぜなのでしょうか?」
「一気に魔力を放出して、ナイトメアをビビらせたんだね。ナイトメアは繊細で、臆病なんだよ」
カティアの解説が軽く入ると、そのことをわかっていたのか次々と悪夢から目を覚ましていく。
残りはアストただ一人。
「さあ、このままでは0組は失格になりますよ?」
ナイトメアの悪夢を受けて正常を保てるのはおよそ、10分間。それを過ぎると、意識は完全に悪夢に囚われる。
今回は安全面にも配慮し、その半分の5分がタイムリミットとなっている。
ルナはアストの動きを見逃さないよう、注意を払いながら待っていると、アストの指が微細に動く。
手で円を描き、描かれた円から少しずつ内側へと蔦を伸ばす植物のような模様となっていく。
この時、ルナは魔術の知識があって良かったと思った。
体内の魔力収縮し、指先へと流れていくアストが行おうとしていることは、世界で指で数えられるほどしか扱えない、最上位の極大魔術を打とうとしているのだ。
兄さん、お願いだから発動させないでよ。
アストの周りに精霊が寄っているのを目視したルナは切実にそう思うしかなかった。
この場の全員、自分を含めただでは済まない。
結果、カティアが止めてくれたため、命拾いをしたルナは安堵の息を人知れずこぼした。
1章の終わりにキャラクターを使って質問・解説コーナーを投稿する予定をアナウンスさせていただきました。
どのようにするかというと
「(セリフ)」
「(セリフ)」
という感じでやります。
動作の説明などは一切せず、声のみが出てきます。




