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魅せます!土龍(ミミズ)の底力!  作者: ぜん
3章 町とお出かけと魔物と(町編)
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74話

みんなもすなるWEBアマチュア小説大賞をみみずの私もしてみむとてするなり(土佐日記感)

時間は少し巻きもどる。

これはミーくんが起きる少し前のこと。

中庭に1人の少女がやって来た。

その少女の名はシアン・アルドレット、このお屋敷のお嬢様でミーくんの飼い主だ。

天然の、軽くウェーブのかかった薄紅色の髪を上機嫌に揺らして歩く姿は、まだ幼い容姿やあどけない顔立ちも相まって、可憐という言葉を体現しているかのようだ。

そんな可憐な少女が中庭に何をしに来たのだろうか?


「ミーくんおはよ…って、あら?まだ寝ているのかしら?」

どうやら愛しのペットを起こしに来たようだ。

昨日はほぼ触れあうこともなく1日が終わったのを気にしているのだろうか?

しかし何を思ったのか、シアンはおもむろにミーくんの寝ている姿を観察し始めた。

ジー…



それからどれほどの時間が経っただろうか。

シアンの後ろに1つの影が…。

「あんた何してんのよ?」

「キャッ!?」

すっかり観察に夢中になっていたシアンに後ろから声をかけたのは、ガルドの森の魔樹、その分体であるノエルだ。


「ビックリしたぁ…。おはよう、ノエルちゃん。」

「あ、うんおはよう…って、そうじゃないわよ!」

「?」

「あんたよあんた。あんたに話しがあんのよ。」

「お話し?」

「そうよ!結局昨日は全然出来なかったし…。」

シアンが通う学校はお屋敷からは遠く、通学には片道およそ2時間かかる。

すなわち、シアンが学校に通うということは朝早くお屋敷を出て、遅く帰るということだ。

シアンがお屋敷にいる時間はかなり少ない。


「何のお話しかしら?」

「あいつのことよ。」

「あいつって…ミーくんのこと?」

「そう。つまり…」

ここでノエルは一呼吸とって

「あいつを森に返しなさい!」

「いや!」

「…。」

「…。」

…。


「あいつはもともと私の森に住んでたんだから私のものよ!さっさと戻しなさい!」

「いーやー!私とミーくんが出会ったのは運命だもん!聖女様のお導きだもん!」

「はあ?そんな訳ないでしょ!いいから戻しなさい!」

「ミーくんは私のだもん!」

ギャーギャー、ワーワー

それからしばらくミーくんを巡った話し、というかもはや口論が続いたが…

「はあはあ、これじゃあいつまでも平行線ね…。」

「ぜえぜえ、どこかでお互い納得出来る部分を探しましょ…。」


ノエルの言い分。

「元々あいつが住んでたのは森なんだから、森に戻すのが正しい。それに私の周りの土を掘ってくれないと花も草も枯れて困る。」

シアンの言い分。

「私とミーくんの出会いはまさに運命。学校にも連れて行かなきゃだし、ご飯もベッドもある屋敷の方が住むのにいいわ。」

「むむむ…。」

「うーん…。」

悩む妖精と少女。


それからまた少し時間が経った。

どうやら話がまとまったようだ。

協議の結果、ノエルの方は

「あんたが学校に行ってる間は、私があいつを好きにする。それと、中庭の分木を認めてその周辺に住ませる。」

「木のことはお父様にも言わなきゃだけどね。」

ということに。

ついでシアンの方は

「学校が無い時間とか学校がおやすみの時は私がミーくんを好きにする。ミーくんを学校に連れて行く時はミーくんの同意をもらう。」

「もちろん、学校に行く時は私もついていくけどね。」

ということに。

どうやらシアンは同意なくミーくんをお屋敷に連れてきたのはちょっぴり悪かったと思っているようで、森に戻すという一線こそ越えられないが、それ以外はノエルの言い分には割と素直に譲っているところがある。



そうこうしている間にすっかり早朝というには遅い時間になってしまった。

ここでようやく主役のお目覚めだ。

モゾモゾ

「あ、ミーくん起きた?おはよう!」

こうして今日もアルドレット家の一日が始まるのであった。

「(早速今日は何をしようかしら!)」

更新遅れてすいませんでした…

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